PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

BRM604北海道300km函館

ロードバイクに乗ることは、常に自分に挑戦し続けることだ。
と、誰かがそんなことを言っていたような気もしないでもない。

200kmのブルベを走れたならば、次は300kmに挑戦するのは至極当然の話ではある。
しかし、辛い。
300㎞といえば、200㎞を完走した後にさらに100㎞走るということだ。
それは、辛い。

なにせ、朝7時に出発して、帰りは翌日の午前3時になってしまうのだ。
20時間ぶっ続けで自転車に乗り続けるというのがどれほどの困難なのか、全然実感できずにいた。

そーゆー意味では地元で300㎞のブルベが開催されるというのは、願ってもないチャンスではあった。
たとえDNFしてもすぐに迎えに来てもらえる距離だし、ゴールして疲れ果てても家に帰るのは楽勝だ。

理論的に考えて「これは参加するしかないな」と考えるのは当然のことなんだけど、正直なところ、雨が降ってくれたら即座にDNSするのにな、という気持ちも半々だった。
ところが雨の予報が開催日が近づくにつれてじわじわと曇り寄りに傾いて、なんなら晴れ寄りの曇りくらいまで回復してブルベ当日がやってきた。

路面は少しウェットだけど、雲には晴れ間も見えて良い雰囲気。
十和田200で一緒だった鉄夫さんと軽く会話を交わした後に、ミーティングを終えて出発となった。

未来大学をスタートしてからはずっと下り傾向だったので快調に飛ばすも、途中でeTrexのルート表示が消えてしまっていきなりミスコースしてしまった。
起動直後はぼんやりしているっぽいので、なるべく早めに起こしておくのが吉かもしれない。

eTrex 32x

eTrex 32x

Amazon

それと前回から思ったんだけど、ルート機能を使うと道案内してくれて便利なんだけど、ちょっとでもミスコースするとすぐにリルートされてしまい、特に都市部だと無理やりにショートカットさせようとしてくることもあるので、本来のキューシートから外れてしまう問題が出てきた。
もしかしたら道案内機能は捨ててトラック表示のみにした方がいいのかもしれない。

今回300kmということからPCごとにルートを分けて保存したのはとても良かったんだけど、ちょっと今後の運用を考える必要がありそうだ。


信号待ちの多い市街地区域で爆速の人たちの後ろにつけたので、かなり良いペースで川汲峠を越えられて捗った。
というわけでPC1。

とりまゼリーでビタミンを補給。
炭水化物も大事だけど、ビタミン補給は結構大事だと最近感じている。


先に着いていた爆速の鉄夫さんは遅れている同行者を待っているようだったので、ここで追い越して単独行で鹿部を目指す。
海岸線でタイムを稼げそうなものだったけれど、結構な向かい風だったので30km近くずっと下ハンを握りしめて走った。
こーゆー時にDHバーが欲しくなるんだけど、重いクロモリロードをさらに重くしちゃうのはなあ、と二の足を踏んでしまう。結構高いし。
あーゆーのはバイクが軽い人が着けるものであろう。

そんな感じであっという間に鹿部のPC2に到着。
ここらへんは庭みたいなものなので、余裕のよっちゃんである。

今回のブルベはPCのコンビニがセブン、ローソン、セコマと散っていたので食べ物にバリエーションができて良かった。
特にローソンは手の込んだものが多くて、ホットシェフがないセコマよりは断然美味しい。


このあとは大沼に向けて軽いヒルクライム
ZONDAに替えたおかげでこのくらいの坂は坂だと感じられないくらいまでになった。

平地で貯金を稼いだので途中で山川牧場によって夕張メロンシェイクを飲む余裕まで。

ソフトクリームよりシェイクが好きだな最近は。

久々に寄ってみたら単なるソフトクリーム以外に、冷凍フルーツを混ぜ込んだ系のラインナップが大量にあって嬉しくなってしまった。
これは夏場に城岱スカイラインを越して大沼に来るしかないな!


帰宅後にツイッターを見ていたら偶然にも同じ日に大沼でシェイクを飲んでいる人がいたので「奇遇ですね!」とリプライを飛ばしたら、なんと自分のツイートを見て飲みに行ったというからびっくり。
今後も品行方正にロードバイクに乗らなければならないなと身の引き締まる思いがした。

ひと段落して国道5号の大沼トンネルに入るんだけど、ここのあたりの自動車はだいたい頭がおかしくなっているので無理せず歩道をゆっくり走った方がいいかもしれない。どうせ人が歩いていることなんかないし。

下って下って今度は渡島中山峠へ。
このあたりではまだ元気なので、普通にPRをたたき出すなどしながらPC3のセコマへ。

シェイクを飲んでいる間に追い越されていた鉄夫さんに追いついたけれど、店に入っている間に再スタートを切っていたので特に会話もなく、とりあえず、お昼なのでカップのうどんを食べて体を温めることにした。
汁も飲み干せば塩分補給もできて一石二鳥である。


ここから海沿いには出ず、道道705号共和鶉線を登っていく。
初めて通る道だったんだけど、思いのほかに斜度がきつくてなかなかに大変だった。
さらに八厚やまぶきラインに合流してからもかなり登らされるので個人的にはここが一番の山場だった。

なんとか登り切っていつも入りに行く野湯をスルーしたりしながら国道5号に戻ってくると、なぞの大渋滞が。
見ると超大型の農機がのろのろと、時速30㎞も出ないようなスピードで走っているうえに追い越し禁止区間なので大変なことになっていた。
運よく信号待ちで先頭に並べたので、そこから先は自動車もほとんど走ってこない状況で1時間くらい快調に飛ばせて良かった。

さて、八雲町に入ればPC4が待っているのだけど、ここがポイントオブノーイートイン、ここを過ぎると飲食店が無くなる最終地点なので、山岡家の特製味噌ラーメンを注文するなどした。

基本的に自分は食べないとテンションが保てない派なので、ブルベ中は必ず一度は店でご飯を食べたいと思っている。
座って大休憩をとっている間、スマホをモババに接続したり、服を着替えたり夜用のライトを出したりだとか、いろいろと準備を整えられるので純粋なタイムロスというわけでもないし。
ここまで160kmを7時間30分で来られているので、あとはどうやっても完走できそうだという安心感も強かったし。


ラーメンを食べている間に追い越されたらしく、PC4には他の参加者が先着していた。
コンビニに入っている間に強風が吹いたらしく、ロードバイクが倒れないよう支えてくれた恩人でもある。

ここではC1000を購入。
最近ロードバイクに乗っていると左の膝が痛くなってくることがあるんだけど、しまなみ海道で走った時にレモネードを飲むと痛みが消えることに気づいてから、ロングライド中にはクエン酸を取るようにしている。
膝の痛みは関節痛というよりも乳酸が貯まっていることが原因らしく、乳酸を分解して新陳代謝を加速させるクエン酸がかなり効くようなのだ。
Y1000は飲んでみたけど効果は分からなかったけど、C1000は膝の痛みに確実に効くね。

ボトルにはいつもクエン酸入りのアミノバイタルを詰めているんだけど、中盤以降普通にポカリとかを入れてしまう。

クエン酸補給のために袋で持ってきた方がいいかもなあ。
もしくは倍の濃さにしておくとか。


さてここから雲石峠に入るわけなんだけど、さすがに疲れもあるし中盛ラーメンを食べたしで、タイムは伸びずのろのろと這い上がるのみ。
それでも、PRの1時間7分に対して今回は1時間16分だったので、いかに普段から自分が頑張っていないかということが証明された結果でもある。

熊石に下りていったん右折してから最終のPC5のセコマへ。

ここがだいたい200km地点なので、いつもならここでゴールしているところだ。
でも、10時間20分で200kmは200kmブルベとしてもそこそこいいタイムなんじゃないかな。
今回はここから100km走らなければならないので、ちょっと気が遠くなってしまうけれど。


乙部に向かって南下して、例の崩落現場から迂回路へ。

崩落直後に来た時よりは、道も整備されて走りやすくなっていて助かった。
徐々に日が暮れてくるも、この時期は日が長いためフロントライトのバッテリーを温存できた。
自分はガシロンとかの高級品を買う余裕がないので、中華製の18650ライトを2つ装着しているんだけど、光量をロービームにしても3、4時間しかもたないのだった。
しかも交換用の電池を持ってくるのを忘れたため、2灯を交互に使って7、8時間。
今回は19時ころから点灯し始めて23時に到着できたのでぎりぎり間に合ったけれど、次回は必ず持っていくようにしたい。

厚沢部までは朝日町で獣道みたいなやばい峠を越えさせられたのが一番ビビったくらいで、交通量も少なく、わりとすんなり走ることができた。

厚沢部に入ってセコマで夜仕様に着替える。

今回は雨具にいつものワークマン、イナレムの上着のほかに、ユニクロの薄いウィンドブレーカーを持ってきていた。
だけど全部着込んでも気温5℃の峠はマジで寒い。
ペットボトルのホットコーヒーを買って腹に抱いていくことにしたのでなんとかなったけど、6月の北海道でナイトライドをするときはもっとしっかり着込めるように準備していた方が良さそうだ。


ここから先は日もとっぷりと暮れて正真正銘のナイトライドが始まる。
実は自分は、ナイトライドが結構好きだったりする。
人気のない、街灯もない真っ暗な道を自分のヘッドライトを頼りに孤孤独独と走り抜けるのは、実に非日常的だ。
暗いと危ないと思われがちだけど実際のところこちらはテールライト2灯×ヘルメットライト&反射ベストでビカビカに光っているので、むしろ昼間よりも目立っている。

しかも函館方面に進む車が少ないのでわりとフランクに車線中央に寄ることができて楽に走ることができた、
その代わり、かなりの台数の対向車がハイビームで走ってくるため、そーゆーときはスピードを緩めざるを得ないのが惜しいところ。


中山峠をのんびり越えて、さあ下りだぞと気を引き締めたところで後ろから追いついてきた後続車が、
「もしかして、pikaさんですか?」
と声をかけてきたので驚いた。
Twitterとかで見たんですか?」
と聞き返すと、
「いや~、自分そういうの詳しくないので」
と返されたので二重に驚いた。
Twitterをやっていない人にまで知られているとはますます言動に気を付けなければなるまい。

だけど孤独な一人旅に道連れができて、かなり心強くなったのは確かだった。
合流したKさんは同じく函館のロードバイク乗りで、自転車歴は長いけれどもブルベ経験は函館200に引き続いて2回目だというから凄い。
マウンテンバイクも持っていて、冬はスパイクタイヤで横津岳に登ったりもしているそうだ。
うーん、それもめちゃくちゃ楽しそう、だが、2台めはなあ……。

そうこうしているうちに七飯町に入ってあたりも明るくなり、ほっと一息ついた。
一人だったら途中のコンビニで最後の小休憩など挟みたいところだったけれど、残り10kmなので気合を振り絞ってついていくことにした。

そんな感じでついにゴール。

200kmのメダルは年に1回買うことにしているので3枚手元にあるけれど、銀色の輝きは当然そのどれとも違っていてまばゆいばかりだった。

これは秋の函館400も走るしかないな!

一緒に完走したKさんも出るだろうし、負けてはいられない。

300㎞を16時間ということは、残り100kmを11時間かけられるわけだ。
コースにもよるけれど、夜にもう一度どこかで休憩を取れるポイントを見つけられたら、そこでがっつり休めばいけそうな予感もする。
今回のコースは300kmに対して獲得標高が3000mとそこそこ登るコースではあるんだけど、この前の十和田200に比べたら北海道の峠は斜度が緩やかで、下りで重力エネルギーを有効に活用しやすいという利点があるため、意外とのぼりが苦にならず、タイムロスにもならないのであった。

それともう一つ良かったのは、意外と走った後に疲れが残っていなかったこと。
さすがに走り終えて、なか卯で親子丼を食べていた時は寝落ちしそうになったけれど、翌日の昼まで寝ていたら月曜日からは「太ももが多少張るな」くらいの感覚だったので、意外と体力的にも無理がない距離だったのだと思う。

参加前はテンションが上がらず躊躇していたブルベだったけど、天気にも恵まれて楽しく走れて大変良かった。
しかしこれはあくまで「練習」に過ぎない。
絶対に負けられない戦いが次週に控えているのだった……!