PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

むついち待ちぼうけライド

2022年のゴールデンウィークは5月2日と6日の2日を休めば最大10連休、さらにコロナ禍になってはじめての行動制限なしの大型連休となったので、かなりの混乱(と感染)が予想された。
そんなわけで自分はといえば、混雑している場所には行きたくないので、4月頭に休みを取ってしまなみ海道を走ってきた。
その代わりに5月の連休については、職場の守りが手薄になっている2日と6日は出勤するという鉄壁の布陣である。

そうなるとGWは三連休・三連休・土日と飛石出勤となるんだけど、自転車で旅することを考えれば出勤というのは休養日にうってつけなので逆に都合が良かったりもする。
そんなわけで、前半の三連休は海を渡ってむつ湾一周、真ん中はBRM504函館200、最後の2日は近場を適当に走ってこようというスケジュールになった。

むつ湾一周とは

青森県は結構サイクリングに力を入れているようで、モデルコースがいくつか紹介されていて参考になった。
aomori-cycling.com

新幹線の最寄り駅である奥津軽いまべつ駅を起点とすることが多いため、青森県の左側の角である津軽半島側はわりと頻繁に走っているんだけど、右側の角である下北半島の方はまだロードバイクでは行ったことがない。

そこで、初日は奥津軽いまべつ駅で降りて青森を経由してむつ市まで170㎞走って一泊、早朝に出発して尻屋崎を目指し、寒立馬を見て脇野沢からフェリーで蟹田に渡るというプランを計画した。

当初は恐山の宿坊に泊まることも考えたのだけど、開山が5月1日だったのと、走行距離が200kmになるうえ最後にヒルクライムが待っているため今回は断念。
osorezan.or.jp
ここは温泉がめちゃくちゃ最高なので、いつか函館~大間のフェリーを使って行ってみることにしよう。
(帰りのフェリーが14:10までしかないので、2泊しないと満足に走れないのが辛いが)

奥津軽いまべつ駅

連休が始まる前の平日に前倒しして出発したため、新幹線はガラガラに空いていて良かった。

JRに乗るときは縦型輪行袋が安定。

慣れれば10分かからないしね。

大平山元遺跡

まずは津軽なかやまラインヒルクライム

今回はずっと海沿いを走るため、これが唯一の山場。

峠を下ると前回「津軽半島縄文ライド」で訪れた大平山元遺跡が見えてきた。
その時はまだ改装工事中だったので、整備されてどんな雰囲気かな、と思って立ち寄ってみることにした。

しかし、うーん、地味だよね。

縄文遺跡群は世界遺産になっちゃったので現状保存が金科玉条であり、有名な三内丸山遺跡みたいに復元しちゃうと逆に怒られちゃうのだ。

それで最近流行っているのが拡張現実のAR。
スマートフォンQRコードを読み込んでブラウザを開くと、縄文人の姿がCGで現れるというのだけど……。

やっぱり地味だったw
しかし箱モノを作って維持管理していくのに比べて、ARの方がコストがかからなさそうでいいと思う。
このブームがいつまで続くか分からないしねえ。

蟹田から青森まで

ここからずーっと下って蟹田に到着すると、左側には自分が出発してきた北海道、右側にはこれから向かう下北半島が見えた。

むつ湾一周ライドの開始にふさわしい光景だ。

しかし青森県道280号はこのあとすぐに両サイドを住宅で挟まれてしまって、ずっと左手に海を眺めながら、という感じではなかったのがちょっと残念。
ここら辺は交通量も少ないし、ずっと25km/hくらいで巡航できてよかった。
今回は大型サドルバッグ&リュックサック体制なのに、普段のライドに比べて巡航速度がやたらと速い。
これもやっぱりZONDA効果だろうか。

青森名物、朝から煮干しラーメン

青森の中心部に入ると信号が増えてきて速度が出せなくなったのでゆるポタモードに移行。
まずは青森ベイブリッジ!!!

日本唯二のベイブリッジのうち、最北端にあるのがこれだ!!!

ここから八甲田丸を見下ろしてみたり。

アスパムを見上げてみたり。

(見学はしない)

まだ朝10時くらいだったんだけど、青森名物朝ラーメンはすでに始まっているのでサイクリストにも優しい。
今回は青森駅に隣接する長尾中華そばに行ってみた。
www.naga-chu.com

すぐ横に駐輪場があり、自転車が停めやすいのが良かった。
駐輪場は盗難が怖いけど、ピカピカのルック車がワイヤーロックで駐輪してたりするので自分のラレーちゃんが狙われる心配は少なそうだし。
エントリーロードを買うメリットに、カーボンロードとかに比べて盗まれる確率が低いというのも挙げておきたい。

長尾中華そばは店の外に券売機があるスタイルなのでゆっくり迷うことができて良かった。
メニューの種類が結構あるんだけど、初見なので全部盛りに納豆がついた「にぼめしセット」を注文。

店内は結構狭く、凸の字に曲がりくねったカウンターに座って食べることになるんだけど、隣の客と肩が触れ合うくらいにぎゅうぎゅう詰め。
面白いのがカウンターがめちゃくちゃ高くて店員の姿を見ることはできず、ラーメンはテーブル奥に開けられた開口部から出てくるという面会謝絶スタイルなところ。

だけどしばらく待って出てきた煮干しラーメンは、期待通りの濃厚さで実に美味い。

個人的には尾道ラーメンよりも断然好きだなあ。

以前に浪岡のつねた食堂で食べたあっさりタイプの津軽ラーメンも好きなので、次回はあっさりで食べてみたい、が、このごくにぼを食べないのは惜しい気がする。

麺を食べ終わったら〆にご飯(無料・お代わり自由)とひきわり納豆をスープに投入しておじやにするんだけど、これがマジでヤバい。
煮干しと納豆の旨味成分が混ざり合うと足し算じゃなく掛け算で旨味が爆発して脳を直撃した。
こいつは本物だぜえ……。

夏泊半島

のこり100㎞走るための㌍を備蓄できたので、次なる目的地である夏泊半島を目指して再スタート。

郊外に入るとすぐに地獄の国道4号に合流してしまい、交通量は多いしトラックもガンガン走ってくるので走りにくい。
国道なのに路肩が全然無かったりして避けにくく、路面状況も良くないのであまりお勧めできない感じの道路だ。
青森県も立派なホームページやYouTubeで宣伝する前に、道の整備をきちっとやってほしいなあ。

しかし、国道4号を曲がって夏泊ほたてラインに入ると状況は一変。
むつ湾にぴょこっと飛び出したこの半島にはほとんど人が住んでおらず、ホタテ漁師の集落が点在するだけなので感動するくらい走りやすい。

ここはしまなみ海道の離島にも負けないロケーションで素晴らしかった。
欠点としては道端にホタテのかご(養殖に使う)がごろごろと放置してあり、海の中で付着した海藻類を腐らせているのでかなり海臭いところと、それに引き寄せられたハエが無数に飛んでいるところ。
海沿い生まれの自分はそんなに気にならないけど、海なし県の人が走ったら地獄だろうな、とは思った。

快調に走って突端にある大島に到着。

抜けるような青空に透き通る海。
だけど風はまだひんやりと冷たくて、夏が待ちぼうけしているようだと感じた。

さてホタテ半島に来たからにはホタテを食べないでは帰れない。
いちおう夏泊半島の突端は観光地らしく海の家が点在しているのだけど、GWが始まる直前ということもあり完全にオフシーズンらしく、まだやる気を感じられない状態だった。
やっているかどうかもよく分からない店の間を抜けていると、ホタテを店の前で焼いているおばあさんを見つけて、この店は営業していそうだと確信し、佐々木食堂に入店してみた。
www.rab.co.jp
焼ホタテ串の2、3本でもいいかと思っていたんだけど、生ホタテ丼が850円とお手頃だったし、腹具合的にも(朝にラーメンとご飯を食べてきた割に)大丈夫そうだったので頼んでみることにした。

注文を聞いたおばあさんは店の外にある生簀から殻付きのホタテを何枚か持ってきたので、取り立て・捌きたてのものがいただけると分かり期待が高まる。

果たしてやってきたホタテ丼も身がプリプリで新鮮そのもの、小皿に盛られたホタテの佃煮もお土産にしたいくらい美味しかったので期待以上だった。

食べていると地元のホタテ漁師さんらしい家族が入ってきてカツ丼やらラーメン屋ら普通の物を注文していたので、シーズンオフでもコンスタンスに営業しているようでここはオススメかもしれない。

さて、ご飯を食べながらiPhoneの充電でもしようかなと思ってモバイルバッテリーとケーブルを取り出したところ、なんとケーブルの端子がもっきりと折れているじゃありませんか。
この時点で残りバッテリーは20%を切っていてヤバい状況だったので、ツイッターを更新するのもそこそこに、夏泊半島の付け根にあるコンビニを目指して急ぐことにした。

湧水亭

平内町のファミマで無事にケーブルをゲットできたので、あとはiPhoneとモバイルバッテリーをジャージの背中に突っ込んで走ることにした。
iPhone XSも発売からずいぶん経ってバッテリーの劣化が著しいので、今年出るといわれているiPhone14はぜひとも手に入れたいところ。
ケーブルがType-Cになってくれたら荷物が減るから嬉しいんだよなあ。

この後は野辺地町を抜けて横浜町まで、むつ湾の右下隅から右辺にかけて走っていったんだけど、この区間はなかなか走りにくい行程だった。
国道4号はヒトケタ国道なので交通量がめちゃ多いという意味で地獄なんだけど、国道279号はサンケタ国道にありがちの、舗装がはげちょろボロボロの酷道で辛い。
下北縦貫道路というバイパスがあるのにトラックの往来がかなり多く、かといって左に避けようもないのでなかなか苦しかった。

函館から木古内方面を結ぶ国道228号も史上最悪の酷道だけど、バイパスの建設にお金を吸い取られる分、下道がおざなりになってしまうのかもしれない。

そんな感じで精神的にもかなりまいったところで湧水亭に到着。
odecafe.tohoku-epco.co.jp
湧水を使った豆腐が有名なんだけど、名物はおからを使った揚げたてドーナッツらしい。
5個、10個と大量に買っていく人向けのものは蒸気で湿らないようあえて冷ましているものになるため、店員さんに「あたたかいのありますか?」と声かけして揚げたてを出してもらうと良いそうだ。

さっそくひとつ買って食べてみると、おからのおかげでサクッと軽くてめちゃくちゃ美味しい。

これは4つくらい食べても良かったな。
ついでに晩酌のつまみにだし巻き卵も買ってみたんだけど、これも味が染み染みで最高だった。

ドーナッツを食べていると、こんこんと湧き出している水で顔を洗っているおじさんがいたので、真似して顔を洗ってみたらキリっと冷えた水でリフレッシュできたのも良かった。
トイレもあるし、ここはサイクリング中に絶対立ち寄りたいスポットだね。

道の駅よこはま

しばらく走っていると道の駅よこはまが見えてきた。
さっき休んだばかりだからスルーしても良かったんだけど、横浜と書かれた看板の前に立って「横浜にいます!」ってツイートしたらバズるんじゃないかという下衆な期待で立ち寄ってみることにした。
しかし道の駅側はいたって真面目で、横浜町横浜市と勘違いさせるような面白看板はまったくなし(残念)。

仕方なく売店に入ってみると、最近ブームのアクリル町名スタンド(YOKOHAMAとローマ字で書かれているやつ)があったけど、わざわざネタに550円払うのもしゃくだなあ、と思ってスルーした。
それから店を出るときに、ふと見慣れた図柄のアニメ調ポスターが目に入ってきた。

これは、アニメ化もされた南鎌倉女子自転車部の絵柄では!?
aomori-cycling.com
調べてみるとむつ市周辺で缶バッジプレゼント企画をやっているとのことだったので、再び売店に戻って地元NPO菜の花トラストで作っている、菜種油のガーリックオイルを購入。

よくよく調べるとさっき立ち寄った湧水亭でももらえたらしいけど、道の駅の図柄と同じだったのでセーフ。
毎年やっているイベントらしいので、来年は大間スタートでバッジをもらいに来るのもいいかもしれない。

万八ラーメン

その後むつ市内に入ったんだけど、この日は170kmほど走って結構疲れていたし、日も暮れてきたので夕飯を狙いに行く気持ちにはなれなかった。
しかし今回泊まるホテルが幸いにもむつ市の南側でアクセスが良かったうえ、すぐ手前に中華料理店があったのでここで済ませてしまうことにした。


関連ランキング:ラーメン | 下北駅

朝昼と結構な量を食べてきたし、あとは自転車を押して歩けばいいので生ビールと、餃子と唐揚げなんかで〆るのが完璧だな、と思った。
だけどメニューを見ていたらあんかけチャーハン、しかもドーナツ形の中央に餡がたっぷりと入ったやつがあったので心が揺らいでしまった。
むかし札幌に住んでいたころ、上海月という店のこのタイプのあんかけチャーハンが好きだったんだよなあ、と懐かしんで注文。

しかしこれ、味は美味しいんだけどいかんせん量が多すぎる。
いや、普通の時に食べるんだったら量が多くて嬉しがるんだけど、今日これを頼んだ自分が完全に悪かった。
1/4ほど残してしまったけど、ほんと美味しかったです。

プラザホテルむつ

ビールを飲んだので徒歩1分ほど自転車を押して今回の宿泊先であるプラザホテルむつに到着。

フロントのおねえさんに
「自転車はどこに停めたらいいですか?」
と聞いてみると外までついてきてくれて、
「今日は風が強くないからあそこらへんで」
と指さした先で盛大に自転車が倒れまくっていた。
さすがに
「いやー、倒れてますよね」
と言ったら、案内してくれた先が入り口わきの風除室みたいなところ。
そこにはサビサビの廃自転車みたいなのが何台も置かれていて、まさか従業員用? もしくは敷地内に放置されたのを置いてあるだけ? よく分からないけどいい場所を使わせてもらって助かった。
この点はアルファーワン尾道よりもだいぶいいね。

単なるビジネスホテルかと思ったら、わりと古くからある結婚式場とかにも使われる格式高い系のビジネスホテルだったらしく、部屋はすごくきれいだし食堂も立派そうだったので夕飯をここで食べればよかったと思ったり。

ランドリーも専用室があって使いやすいし、なかなかいいホテルだった。
ただ、大浴場がないのがちょっと辛いなあ。
次回はむつグランドホテルの方に泊まってみたい。

というわけで今回のRelive。

陸奥湾一周は登りもなく平坦ばかりなんだけど、幹線道路を通るため走りやすいとは一概に言えない感じではあった。
純粋にロードバイクでの走りやすさなら適度なヒルクライムもあって交通量の少ない津軽海峡の方に軍配が上がるであろう。
でも夏泊半島は最高だったし、映えるスポットも美味しいものもたくさんあるので甲乙つけ難い。

今後もっと道路が整備されたら一流のサイクリングロードになるのになあ。

そんな感じで次回はムツイチ完結編。
本州の右耳、尻屋崎を目指して行ってきます!