PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

むついち寒立馬ライド

むつ湾一周ライド、2日目は本州の右耳こと、尻屋崎を目指して朝6時に出発した。
しかし、昨日に比べて気温がかなり低い。
出発の時になにか荷物が足りない気がしていたんだけど、雨具を持ってくるのを忘れていたのだった。
レインコート1枚あればだいぶ違うんだけど、仕方ないから寝間着として持ってきていたTシャツをジャージの中に着込んでジレ代わりにした。

ブラキストン線を挟んで南下したからすっかり油断していたんだけど、4月下旬の青森県はまだまだ寒く、この日は夜にみぞれが降ったりしていたので準備が足りなかった。
幸い、自動販売機には「あたたかーい」がまだ残っていたので缶コーヒーを腹に仕込んで走り出した。

立馬に出会う

尻屋崎までの道のりは特にあまり面白いものではなく、森の中の一本道をひたすらアップダウンを越えていくちょっとめんどくさい感じのもの。
津軽海峡側まで来ても海からの距離が遠くて一向に風景が良くならないのはイマイチだった。

地の果てのような立地だから油断していたら、突端には大規模な採石場があるため大型トラックの往来も激しかった。

そんなこんなで7時30分ころに尻屋崎に到着。

ここでは寒立馬と呼ばれる馬が放牧されている。

ちょうど仔馬が生まれるシーズンなので、親子連れが見られてよかった。
そういえば冬に登山した汐首山も、いまごろ仔馬が生まれているんだろうか。

尻屋崎にはゲートがあって自動車やオートバイは8時からしか入場できないのだけど、歩道は普通に通れるので軽車両の利点を活かして入場。
まあ、馬が逃げ出さないためのゲートだから横から入っても問題あるまい。

おかげさまで尻屋崎にいる人間はただ一人という、超贅沢な時空間を満喫することができた。

灯台は6月から入れるようになるのかな?
でもそれより無人の荒野を独占できる方が嬉しい。

観光地だけあって道の状態も良く、夏泊半島に負けない良さがあった。
ここまで来るのがやや難だけど、大間までフェリーで来てからここで朝日を拝むというのも悪くないかもしれない。

ゲートを出たのが8時前くらいで、ちょうどバイクや自動車が入り込んで寒立馬に群がって写真を撮っていたので、良いタイミングで離脱。

むつ名物「アンバター」

しかし、いくらなんでも出発が早すぎたようだ。
というのも帰りに寄ろうと思っていた野牛川レストハウスの開店が9時なのに、8時30分に着いてしまって困ってしまった。
暖かい季節だったら外で休憩してても良かったんだけど、自転車を漕いでいないとすぐ寒くなるので今回はスルー。

その後は核燃料の保管庫の横を通り過ぎてむつ科学技術館にたどり着いたけれど、ここもオープン10時に対して9時30分に到着。

どうも全体的に30分ほどペースが速すぎたようだ。

ZONDAのせいで平地のペースが上がりすぎるで困っているのだ。

仕方がないのでむつ市内に戻り、まずは補給食をゲットするため吉田ベーカリーへ。
www.yoshidabakery.com
むつ市の名物が「アンバター」だと聞いていたし、ノボリもかかっていたけどそれらしい商品は陳列されておらず、とりあえずハムカツサンドを手に取ってレジへ。
するとレジ横にはこんな黒板が。

店員さんに
「アンバターというのは……?」
と聞くと
「作りますよ!」
とのことで、正体はよくわからないままに注文。
てっきりコッペパンか何かにあんことバターを挟んであると思ったら、2枚の食パンに挟んであってダイナミック。
これがむつ市オリジナル要素かー。

これはフェリーの待合所で食べたんだけど、㌍満載でロードバイク乗りにはちょうど良かった。

どうせなら三種盛りにしてハムバターサラダにするとか、チョコバターピーナッツとかにしてみても面白いかもしれない。

美味小屋 蛮

今回のライドは青森県が公開しているむつ湾一周コースを参考に発案したものだった。
aomori-cycling.com
そこに上がっていた動画で、むつ市でのご飯でアランドロンカレーという謎の物を食べていたのが印象深かったため、訪問してみることにした。
オープンが10時からというのも早起きサイクリストには嬉しいところで、開店直後の時間に突入。
www.marugotoaomori.jp
食事メニューは時間がかかるとのことで先にホットコーヒーをいただき、本格喫茶らしい豊かな風味と、あと単純に外が寒すぎるので熱々コーヒーで暖を取りながら待つ。

出てきたアランドロンカレーはカレーの海の中央にご飯が盛られており、さらにその山の頂上にはドドーンと迫力のあるサイズのハンバーグが鎮座していた。

ここにナイフを切り込ませると、トロトロのチーズが流れ出すという見た目も楽しい味も美味しいという一挙両得のスペシャリテ

これは絶対食べた方がいいね。

食後はマスターとむつ湾一周ライドをしているという話をしたけれど、「ほお! 遠いねえ」という感じでいまいちコースの存在が認知されていないようなのが謎。
でもまあこの300kmの旅の中でロードバイクとは一切出会わなかったし、青森県北部でロードバイクに乗っている人が稀なのかもしれない。
前回紹介した「走ろう国道279号」も、むつ市周辺をポタリングするくらいの雰囲気のイベントだったらしいし。

あと、ロードバイクは見ないのに日本一周中らしい重装備のランドナーとは2台すれ違ったのには笑った。

北洋館

カレーを食べ終えてあとは脇野沢のフェリー乗り場に向かうだけなんだけど、残り40㎞を2時間半としても、さすがに到着が早すぎる。
どこかでいい感じに時間をつぶせる場所がないかとググってみたら、海上自衛隊大湊基地隊の北洋館が目に入った。
www.mod.go.jp

すぐ近くなので寄ってみたんだけど、ライトな軍オタの自分が引くくらい戦争賛美的な内容で面白かった。
やっぱ軍の広報施設で玉砕を否定するわけにはいかんよなあ、という感じ。

あと、全く知らなかったキャプテン郡司の武勇伝も「いや、それってどうよ」と思えるものでなかなか良かった。

私設武装開拓団とかやばすぎで最高だった。
ja.wikipedia.org

脇野沢

そんな感じでわりと時間もつぶれたので、いよいよ脇野沢を目指して出発。
あいにくの向かい風で速度が上がらないうえ、この日はずっと曇りで気温が上がらず、とにかく寒さに苦しめられた。

とりま下北ワインでお土産用のワインを買うなど。

どうせなら松前藩ゆかりの蠣崎城跡とかを見てこようと思っていたんだけど、とにかくひたすらに先を急いだ。

ようやくフェリー乗り場にたどり着き、まずは隣接する食堂に飛び込んだ。
ここでは名物の焼干しラーメンを注文。

麺に焼干しの粉末を練りこんであるとのことで、優しいお味で美味しいというよりとにかく温まるので生き返った。

出航まで2時間くらいあったし、近くには道の駅わきのざわというのもあったんだけど、せっかく温まったのにまた冷えたら大変だと思い自重。
これなら起床を30分遅らせて野牛川レストハウスとかによって来ればよかったと思ったが後の祭り。
ホットコーヒーと、むつ市で買ったアンバターを食べてさらに㌍の補給に努めた。

むつ湾フェリー

ここのフェリーは大人1、950円、自転車850円と、函館から大間への津軽海峡フェリーの代金とそう変わらない価格設定なのでなかなか強気だ。
函館大間は90分、脇野沢蟹田は60分で行くのでなおさらそう思ってしまう。

自転車とバイクは自動車に先行して乗車し、甲板脇のスペースに紐でぐるぐる巻きに固定される。

船内は立派な割に乗客が少ないので、先頭に陣取って野生のイルカが見えないか見張っていたけど、この便では遭遇できなかった。

あと全然関係ないけど直前に知床の観光船が沈没していたのでちょっと緊張してたりもするw
ただ、航路上はずっと携帯電話の電波の通じていたし、なにかあっても大湊地方総監部が総出で救助に来てくれそうな距離感だったので大船に乗った気持ちではいた。

奥津軽いまべつ駅に急ぐ

フェリーが到着して降りてみると、蟹田もかなりの寒さだった。
運よく雨はやんでいたので、もしヤバそうだったらホーマックで雨具を買おうかとも思っていたんだけど、走り出せば温まるのでとにかく急ぐことにした。

蟹田から奥津軽いまべつまでは上り基調だけどたかだか20km、獲得標高190mの平坦コースだ。
FTPで漕いでやれば1時間未満で行けるだろうと踏んでいたら、目論見が当たって46分で到着。
特に蟹田から大平までの平坦路ではKOMを獲得するほど速かった(追い風のおかげもあるけど)。

ダッシュしたおかげで体も冷えなかったので、まずは道の駅にIN。

奥津軽いまべつ駅は何度も利用しているけど、いつもはもっと遅い時間に到着していたので利用するのは今回が初めて。
レストランは閉まっていたけど名物いまべつ牛の冷凍肉が置いてあったりしたので、豪勢に買いまくった。
さらに今別町にはイノシシ牧場があるというので、モツとロース肉まで買い込んだ。

モツの方は後日もつ鍋にしてみた。

味はまあ、豚モツに近いかな。

癖がなさすぎる分、ちょっと面白みに欠ける感はあった。

そんな感じでむつ湾一周ライドは終了。

これまで津軽半島側しか走ってこなかったけど、下北半島も走りがいのあるコースが多くてなかなか面白かった。
特に夏泊半島と尻屋崎は、全サイクリストに走ってもらいたい道だった。
しかしちょっと道が悪いのと、ゴールデンウィーク直前ぐらいの時期だと桜も散っているし気温は低すぎるし、もうちょっとどちらかに寄せるべきだったかもしれない。

とりあえず下北半島の北側と恐山ヒルクライムについては近いうちに挑戦してみたい。
函館~大間は9:30発11:00着なので、南下して佐井村から道の駅かわうち湖を経由してむつ市で一泊、翌朝恐山にヒルクライムして14:30の大間発のフェリーを目指すようなイメージでどうだろうか。