PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

BRM521十和田クラシック200 後編

さて十和田クラシック後編。
登り基調の前半80kmを3時間半で駆け抜けてこられたのですでに楽勝気分でいたのだけど、実はここから先が本当の山場なのだった……!

本来はここで十和田名物バラ焼など食べておきたかったのだけど、あいにくまだ時間が早かったためおなかも空いておらず、この後も観光名所を巡るのだから何かしら食べられるだろう、と考えてスルー。

結果的にこの後の行程ではご飯を食べるポイントを全然見つけられなかったので、ここで食べておくのが吉だったかもしれない。
とはいえ実のところ登りはまだまだ全然終わっておらず、むしろここからが本番だったので体を軽くしておいて正解だった気もする。

絶景の奥入瀬渓流

十和田湖は特に観光することもなく、中学校の修学旅行で乗った覚えのあるスワンボートなどを横目にスイスイと走り抜けた。

しかしここから先の奥入瀬渓流が本当にすごかった。

くねくねと流れる清流を貫くように道路が走っているため、道の両サイドにこれでもかこれでもかと絶景が現れる。
道からの距離もすぐ近くだし、それになによりロードバイクで走るスピードとの相性が抜群だった。
自動車だとくねくねと曲がりくねった細い道路に気を取られて周りを見ている余裕などないし、徒歩で歩くには距離が長すぎて自分だったら飽きてしまうと思う。

ゆるやかな勾配の続く道を適度にペダルを回しながら風の音や清流のせせらぎに耳を傾けつつ、適当なところでふと足を止めて風景に見入ってしまう余裕があるのは、やはり自転車の利点そのものだろう。

ここで100kmを突破して気持ちにも余裕が出てきたので、奥入瀬渓流館で渓流ソフトをいただくなど。

抹茶がコケを、チョコが流木を表現しているらしい。
抹茶の粉末がむせることをのぞけば美味しかった。

ちなみに札幌チームはこのすぐ近くにある桂月という民宿で昼ご飯を食べるのが定番らしい。
keigetsusou.com
ここを過ぎると十和田市内に下りるまであまり補給スポットがないため、いったん足を休めておくのが十和田クラシック200攻略の鍵になるかもしれない。

地獄の八甲田

しかし絶景続きで全然先に進めない。

まあ、残り半分だから楽勝っしょ!、と甘く考えていたのだが。

気がつくとガツンとした登りが始まって愕然とした。
そういえば、ここから八甲田山へののぼりが始まるのだった。

そうは言っても十和田湖だってカルデラなんだし、余裕でしょ! と思っていたのにいつまでたっても登りが終わらない。
幸いにして風景はきれいだし、ここまで稼いできた貯金もあるのであせらずにのんのんと登ることに。

時刻はちょうどお昼ごろ。

途中にある酸ヶ湯温泉で、風呂に入る余裕こそないけれど、ここなら何か食べられるだろうともくろんでいた。
sukayu.jp
隣接する蕎麦屋には立ち食いメニューもあったんだけど、迷っている間に外のベンチを観光客に占領されてしまってスルー。
この後には八甲田ロープウェイがあって麓にはレストランがあると書いてあったので向かってみると、まさかの臨時休業中で無駄足を踏まされてしまった。

こうなったらもう十和田市内に入ってからバラ焼を食うしかない、そう決意していると後ろから「こんにちわー」という声が聞こえて、オレンジ色のジャージを着た参加者が追い抜いて行った。
これは先ほどから見かけている男女ペアだな、と思っていると続けて女性の方が追い越していった。

ただ、速度的には自分の1割増しくらい、しかもこちらも休みながら登っているレベルだったので、多少頑張ってついていくことにした。
ヒルクライムは疲れるのが嫌で自分でペースを上げることができないため、他人がいると非常に捗る。

10メートルくらい距離をあけて余裕をもってついていくと、やがて登りは終わって下り区間に。
調子よくスピードをあげて二人について行ったところ、しばらくして男性が急ブレーキをかけ、女性の方はそのままビュン! と下っていった。

「何か落としたのかな?」
と思ってスピードを緩めて男性を追い越したところで立ち止まると、
「ここで曲がるぞー!」
と女性に向かって叫んでいるではないか。
確かにサイコンを見ると下り坂の途中で右折することになっていた。

気持ちいい下りだったのでうっかりしており、彼らの後をついていかなければ自分もミスコースしていたかもしれない。


心の中で感謝の言葉をつぶやきつつ正しいコースに戻ると再び激坂で、心を無にして登っていくうち、オレンジジャージの彼に追いつかれた。
「奥さんは大丈夫だったんですか?」
と聞くと、
「奥さんじゃないけど何とか連絡が取れたので」
とのこと。

追いつかれるということは彼の方が相当速いのだけど、相方がいるとヒルクライムが楽になるのはしまなみ海道の亀老山ヒルクライムで経験したとおりで、結構な斜度の坂を会話を交えながら楽しく登っていた。
すると再びスタッフのレンタカーがカメラを構えながら追い越していったので、今度は余裕の笑顔で撮られてやったw

PC2 銅像茶屋


続くPC2の銅像茶屋は閉店していてここはクイズポイントだったんだけど、スタッフの粋な計らいで先回りしていた模様。
オレンジの彼は筋金入りのランドヌールらしく、どんな距離でも雨でも毎週のように走りまくっているらしい。
(というか、ゴール後に分かったんだけどいつもTwitterで交流している鉄夫さんだった)
雑談をしているうちにオーバーランの彼女も追いついて、近くにある記念碑を見に行くというのでここで分かれて先行することにした。

銅像茶屋はトイレも自販機もなにも無く、休憩するならばここから10kmほど下った先にある又兵衛の茶屋がいいとのこと。


いいかげん八甲田山まで登ってしまうとあとは延々と下り基調が続く。
すいすいと下って茶屋にたどり着いて、ボトルも空になっていたのでポカリを買って、その場で350ccのコーラを飲んだ。

普段なら500mlじゃないボトルは割高に感じてしまうけれど、ブルベ中に飲むのならこのくらいがジャストだ。
コーラを飲んでいるとふたたびオレンジペアに追いつかれたので、
「それじゃお先に~」
と出発。
真面目に走っているとなかなか追いつかれないけれど、休んでいるとすぐに差が詰まってしまうあたり、休憩時間でいかにタイムロスをしないかが重要なのが分かる。


PC3のローソン十和田湖町店までは車通りの少ない県道をどんどん下っていくだけなので特に特筆すべきこともないのだけど、途中の道でeTrexがショートカットさせようと勝手にルートを変えてくるのには参った。
ちゃんと曲がり角にポイントを打っておかないとミスコースの原因になってしまうね。

ローソンではレッドブルを一気飲みしてレシートをもらってすぐに出発。

砂糖入りだとシュガークラッシュを起こしてバテる原因になりがちなので、まだ距離を残しているうちはシュガーフリーの方が捗る。

本当は十和田氏でなにか食べようと思っていたんだけど、夕方前の微妙な時間で開いてない店も多かったし、残り30㎞しかないからこのまま走って早めにゴールしてしまうことにした。
十和田から八戸までの町境にはかるい丘越えがあったけれどもう慌てるような時間帯でもないのでふにゃふにゃと登ってゴール。

ここにもスタッフさんが待機していて写真を撮っていただいた。
ランドヌール札幌はなんというかスタッフも参加者もアットホームな雰囲気で心温まる体験が多かったなあ。

というわけで無事にリベンジを果たしてほっと一息。
200㎞に対して獲得標高3,000mの山岳ブルベのわりに、普通のタイムで完走できて良かった。
それもこれも天気が絶妙だったおかげだなあ。
暑くもなく寒くもなく、ダウンヒルで虫の群れに突入してジャージが白い毛だらけになった程度。
日本三大絶景ブルベを名乗るだけのことはあり、とにかく景色が素晴らしくてヒルクライムの疲れを忘れてしまったのが功を奏した。

八戸はアクセスもいいし、また走りに来たいなあ。
一度完走したわけだし、次は十和田湖でバラ焼を食べたり、酸ヶ湯温泉に入ったりして13時間でのゴールを目指してみよう。

ホテルに戻ってジャージを洗って着替えてから、駅前の居酒屋に繰り出して祝勝会。

せんべい汁に貝焼きと、八戸名物を堪能できて優勝でした。
japanese-izakaya-restaurant-25159.business.site

さてこの後もう一泊するので、次回は八戸観光編!
さらなる名物を味わうぞ〜。