七飯町の大沼で期間限定で開催されているファットバイクツアーに行ってきました。
onumakouen.com
最少催行人数が2人だったので弟と一緒に行く予定だったんですが、仕事の都合で行けなくなったため、急遽地元のサイクリスト仲間のKさんを誘って行ってきました。
(のちのちわかるのですが、この人選は大正解でした……!)
料金は一人7,590円と結構高いんですが、ファットバイクのレンタル料のほか、ガイドさんが2~3人ついてくるのでコスパで考えると全然安いです。
大沼公園駅前の国際交流センターで受付をすませ、まずはファットバイクを借りに行きます。
とはいえ今回は氷上ということもあり、自分は自前のMTBを用意してきました。
「もし無理そうなら途中でスタッフのファットバイクと交換してもいいですよ~」とのこと。
ガイドさん(写真右側)はものすごい大荷物。
途中のアクティビティで使用する小道具が入っているとのことですが、長い縄がくくりつけてあるのが気になる……。
もしかして、氷が割れて湖に落ちた時の救出用だったりして(汗
大沼氷の切り出し場
スタートしてまずは、湖面の氷の切り出しを見せてもらいました。
ここで採取した氷は、2月8・9日に開催される大沼函館雪と氷の祭典で滑り台に利用されるとのこと。
昔はここの氷をSLで函館まで運んで使っていたそうです。
そういえば五稜郭公園のお堀の氷は、医療用や食品の保存用として東京に輸出していたというのを聞いたことがありますね。
続いて踏切を渡って小沼へと向かいました。
大沼と小沼はつながっていて、ちょうどその境目に踏切があったり、ハクチョウを見ることができる白鳥台セバットがあったりします。
これは以前行ったときの写真。
セバットはアイヌ語の「狭いところ」という意味からとられており、小沼から大沼へと水の流れがあるためにこの部分だけは氷が張らず、水鳥たちが安心して休める場所になっているとのことでした。
そんな感じでいよいよ氷の上に侵入します。
厚さは30cmくらいがあるから氷が割れる心配はないとのことでしたが、ちょっと緊張するなあ。
そう思いつつガイドさんについていくと、氷はかなりしっかりした感触があってまるで問題なし。
「行ける、行けるぞ!」
と走り出したはいいものの、ここで大誤算が。
というのも氷上とはいえ、そのうえに10cmくらいの厚くて重い雪が積もっているのです。
なのでMTBだと重い!!!
立漕ぎで前に進めるけれど、後輪で雪を深く掘り進んでしまうばかりでものすごいパワーロスがあります。
ということで50mほど進んだところでギブアップして、素直にガイドさんの一人のバイクと交換してもらうことにしました。
ファットバイクはすごい!
ファットバイクはタイヤの太さが4インチと自分のMTBの2倍近くあり、このような重い雪をものともせずにふわふわと進みます。
なるほどこれは札幌の人が好むわけだわ~。
地元だとこんな路面状況になるのは年に1回あるかないかだから無用の長物になりそう(汗
凍った沼のうえをいつでも自由に走れるんだったらいいけど、ね……。
小沼の中央あたりまで進むと、あたりの風景が一変します。
周囲全てが真っ平で障害物が一切ないのが凄い。
水上でも砂漠でもこんな感じにならないしなあ。
岸のうえから見慣れているはずなのに、まったく見覚えのない景色になっているのが不思議。
ここで地元の酒蔵、箱館醸蔵(五稜の蔵ではない方)の酒粕で作った甘酒をいただき、双眼鏡を使ってしばらく野鳥の観察をしていました。
人気のシマエナガは、声はするけど姿は見えず(泣
大沼へ
ここから大沼へは繋がってはいるものの、前述したとおりセバット部分は氷結していないためいったん上陸。
橋を渡ってターブル・ド・レバージュのあたりから再び氷の上に乗り込みます。
氷の上を走るの楽しすぎる~。
我々が笑いながらサイクリングを楽しんでいると息を切らせたガイドさんから
「こんなに元気な人は初めてですよ~」
とあきれられてしまいました。
「いや、ぼくら24時間で360km走ったりとかしてるんで」
とランドヌールアピールをすると絶句していました(笑)
ファットバイクは(重い雪のうえということもあって)ずーっと斜度5%くらいのヒルクライムをしているぐらいの負荷があるんですが、普通の人、特に女の人だと途中でバテてしまうらしく、というかこの日はガイドさんたちも相当バテていて、eファットバイクを1台買おう、と話していました。
しばらく走っていくと例の切り出した氷がひとつポツンと置かれている場所にたどり着きました。
ここで七飯町のリンゴサイダーを氷のグラスで飲もうというアクティビティがありました。
ここでは普段だと絶対に上陸できない小島に登ってみたり、
氷上で大の字になってみたり、
非日常を思う存分満喫できました。
それにしてもこの風景。ヤバすぎる。
普段は絶対に行かない鞍掛岩へ
ここまで走ってきて全くへこたれていない我々にガイドさんは、
「いつもはここで制限時間になるんですが、二人ともまだ余裕そうなので先に進みましょう」
と言い、はるか向こうにある黒い点を指さしました。
そこは鞍掛岩といい、相原周防守の伝説が残る場所だとのこと。
アイヌの軍勢に追いつめられた相原はここで愛馬の鞍を外して逃がしてやったところ、山に向かって一目散に駆けて行ったことから「駒ヶ岳」という名前になったとのこと。
まあ、この伝説に関して詳しくは学芸員の方が書いてあるのでぜひお読みください(面白いです!)
dounan.exblog.jp
いやー、やっぱり松前藩の開祖である武田信広は大河ドラマにすべきなんだよなあ。
閑話休題、ここから岩を目指してガンガンに飛ばします。
しかしいくら走っても目標物が全然近くなったように見えないのが面白い。
周囲に障害物がなく、距離感がつかめないのは宇宙空間のようでした。
しばし走っていると目の前にクレバスが!
先週まで気温が高かったので、水が膨張して氷が持ち上げられ、亀裂が入った跡が残っていました。
ひび割れてもすぐに凍るため渡るには問題ないんですが、ここだけ10cmくらい薄くなっているし、この近くを走ると足元からパキパキと音が響くし、なかなかにスリリングです(汗
こんな感じの、T字にひび割れが入るのも珍しいですね。
そしてようやくに鞍掛岩に到着!
ここから南側の道路に上陸して、2時間半のツアーは終了となりました。
わずか8kmの行程でしたが、ずーっとヒルクライムしているような負荷があって満足度は十分。
この時期でなければ見られない景色を堪能できてめちゃくちゃ楽しかったです。
それにしても、凍った湖の上を走ってみて初めて「ファットバイクでは走れるけどMTBでは走れない場所」を体感できて良かったです。
駅を挟んで沼の反対側に住んでいたら欲しくなってたかも。
来年は糠平湖のツアーにも行ってみたいなあ。
www.knt.co.jp
こちらもファットバイクはレンタルできるから、身一つでJRでのんびり行こうかしらん。
このあとは帰りの汽車の時間が迫っていたKさんと別れて、森商店にカレーを食べに行きました。
この前はホッケフライカレーを食べたので今回はスパイスチキンカレーです。
注文して待っていると店の方から、
「お兄さん、この前来たときに帽子忘れていったでしょ」
と、モンベルのインナーキャップを持ってきてくれました。
webshop.montbell.jp
そういえば先月ここに食べに来て、脱いでリュックサックと一緒に荷物カゴに入れといたんだった……。
見つけてくれて良かった〜。
guruttoonuma.net
今度来るときはローストラムサンドを食べよう♫