PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

【ファットバイク体験】冬の支笏湖で七条大滝を見てきた

冬の間にロードバイクに乗れないストレスを爆発させて、やけになって函館山登山にチャレンジしたらめちゃくちゃ楽しかった、というのが前回までのあらすじ。
そして今回は、支笏湖まで遠征をしてファットバイクで雪道を爆走するというチャレンジとなる。
このためだけに一泊するのはもったいないので、この時期ならではの「支笏湖氷濤まつり」もついでに楽しんじゃおうという企画だ。
hyoutou-special.asia

というわけで初日は時間を節約するため高速道路を使って颯爽と苫小牧まで駆け抜けて支笏湖へ。
ファットバイク体験は13時からだったので、ひとまずは支笏湖周辺を散策してみることにした。
早速昼間の部の氷濤まつりに行ってみることにした。

陽の光を浴びた氷濤が、青く輝いているのが魅力的。

開場してすぐの時間帯だったので人も少なく、ゆっくりと楽しむことができた。

このあとは鉄橋を渡って散策を続行。

この橋は明治から昭和にかけて、苫小牧の製紙工場で使うための木材を運ぶ貨物列車が使っていたのだという。
戦前はそれこそクモの網のように全国各地に好き勝手な狭軌の鉄道が走っていたんだから、気軽に廃線にせずとも地方の鉄路が生き残る道はありそうなものなんだよなあ、といつも思ってしまう。

ビジターセンターの横には山線の資料館があり、ジオラマなども展示してあって面白かった。

レイアウトはしっかりしてるのに車両はペーパークラフトかよ! と思ったけど、実物も大体こんな感じだったので許した。

湖畔の散策路をずーっと歩いて突き当たりにある親水公園まで行くと、浜まで降りていけるのでオススメ。

先に訪問した支笏湖ビジターセンターによると、支笏湖は日本で二番目に深い湖で、冬の間も凍らないそうだ。
深くて水の量が多いから水温が零度まで下がらないのかもしれない。

氷濤まつりの氷はすべて支笏湖の水を汲み上げて使っているんだけど、それを凍らせるのも支笏湖の力なのだそうだ。
湖のうえの気温が高いから湖畔に向けて強い風が吹き、その風で芯に吹きかけた水が一瞬で凍りつき、あのような造形が作り上げられるらしい。
すべて支笏湖の恵みの上に成立しているイベントだと考えるとなかなか感慨深い。

このあとは商店街の方まで戻って昼食タイム。
氷濤まつりの会場に、美味しそうなハンバーガーのチラシが飾ってあったので、まずはそちらを目指してみる。

ハンバーガーののぼりが立っている店に入るとなんだかこじんまりとしたスペースで、ケーキは並んでいるけれどハンバーガーのバの字もなく、食べるスペースもなさそうだったのでしばし困惑。
しかし聞いてみると、ここは鶴雅が経営する水の謌というホテルのブーランジェリーで、ケーキのテイクアウトスペースで販売しつつ、ホテルの中のビュッフェスペースを開放してイートインもできるという仕組みだった。
せっかくなので人気の千歳バーガーと、チーズケーキを注文してみた。

この千歳バーガーがマジウマ。

パティも美味いし千歳バーガーの特徴である千歳産の卵を使った目玉焼きと、タルタルソースの組み合わせが絶品すぎる。
これで780円とかコスパが良すぎて笑ってしまう。
チーズケーキも普通に「街一番のケーキ屋」レベルに美味しい。

水の謌に泊まらなかったことを後悔してしまった(ちょっと高いんですよ)。

その後は家人をホテルまで送って、自分一人でファットバイク体験へと向かった。
予約したのはオーシャンデイズという会社なんだけど、建物には「ゲストハウス シコツカムイ」とデカデカと書かれているのでしばし困惑。

建物前でアクティビティ終わりらしき人たちが談笑していたので、話しかけて中に入れてもらい、トイレを済ませて長靴に履き替えた。
ファットバイク体験なんてやる物好きは自分くらいだろうと思っていたら、あとから家族連れ3人組も合流。
彼らは彼らで自分たちだけのツアーになると思っていたら変なおっさんが混じっていたので当惑したことだろう。

その後インストラクターの運転する車に乗って、林道の入口まで移動。
夏場は店の前からファットバイクに乗るらしいんだけど、この季節は路肩が狭いので車道を走らせないらしい。
というわけでいよいよファットバイクにお目見え。

レンタルバイクなのでどんなもんじゃいと思っていたら、SRAMの11速がついていたので20万円くらいはしそうな良いバイクだった。

滑って足をつくことが多いからロードバイクよりかはサドルを低めにして、軽いギアで回したほうがいいらしい。
とりあえずインストラクターについて走ってみるが、フラットバーに慣れないのと、シフトレバーが変なところにあるのでちょっと戸惑ってしまった。
あと、意外にもふかふかな雪は苦手ですぐに横滑りしてしまうため(MTBでも良いのでは?)という気にはなった。
ただまあ、タイヤがめちゃくちゃ太いので、路面からのショックを吸収しやすいというのは利点かも。

この林道は普通にトラックも走ってくるため適度に圧雪されていて走りやすいというのがポイントで、雪道を走るのはめちゃくちゃ楽しいけれど、バチコーン!とハマるシチュエーション以外では難しそうな気がした。

ファットバイク体験は一人1万円と結構お高いんだけど、自分で買うと20万円するし、それなら日本各地で体験したほうが全然安上がりな気もする。
ocean-days.com

ややしばらく走って七条大滝付近で下車し、ここからは徒歩で移動。
七条大滝はもともと苫小牧市が観光地として整備をすべく柵などを取り付けたんだけど、その後「ここは水源地だから人がたくさん入ってくるのまずくね?」という話になってほぼほぼ放置されているのだとか。

なので滝までの階段は階段というより崖だし、手すりは頼りにならないしでかなり難易度は高い。
インストラクターから渡されたゴム製の簡易アイゼンを長靴に取り付けて、おそるおそる氷の斜面を下っていく。
インストラクターが先導してスコップで足の踏み場を作ってくれたからいいようなもので、一人で来ていたら完全に詰んでいた(か、斜面を転がり落ちて水面に浮かんでいた)だろう。

どうにかこうにか七条大滝までたどり着くと、苦労が完全に報われる光景がそこにはあった。

降りしきる滝と、滝の水滴が生み出した見事な氷柱はまさに圧巻。

支笏湖の氷濤も、言ってみればこいつのまがいものじゃん、という気になってしまう。

正月くらいにこの氷柱の大きさが最大になって、それから重みに負けて下に落ち、それから成長したのが今の段階らしい。
夏に来るとこの滝の下を通って裏側まで行けるということなので、ちょっと楽しそうである。
(さすがに今は凍え死ぬ)

あと、長靴を貸してくれたおかげで川をジャボジャボと渡って対岸まで渡れたけれど、それがない人は丸木橋の一本道をカイジみたいに渡る必要があるのでマジでやばい。
スニーカーみたいな靴で来ている人も見たけれど、どうやって歩いてこれたのか謎だ。

このあと集合写真を撮って、こんどは崖をよじ登って元の場所に戻り、謎の「ぼんぼり松」などを見せてもらう。

松の木の幹の途中に不自然な球体があるのがわかるだろうか。
葉っぱが松のものなのでヤドリギでもないし、なにかの鳥の巣でもないし、専門家が見ても正体は謎らしい。

そんな感じで、2時間半の体験は終了。

帰りは「先に行っていいですよ」と言われたのでファットバイクで爆走してきたけれど、やっぱり自転車は楽しいね。

何が面白いって、ペダルを踏む感触と路面とが、繋がっているのが面白い。

自転車は人類に残された最後のアナログ機器、と誰かが言っていたけれど、自分と世界が自転車という機械を通じて一つになっている。
ここにエンジンとか原動機というブラックボックスが追加されるたびに、そのつながりは希薄になり、手触りは曖昧になっていく。

というわけで今回のRelive。

しかし、うーん、自分でファットバイクを買うかと言われるとやっぱし微妙かなあ。
40Cとかのぶっといタイヤが履けるディスクブレーキのグラベルロードがあればまがりなりにも走れそうな雰囲気があるし、オールシーズン乗れるのならば冬専用機を買うまでもないし。
こーゆーのは体験で楽しむのがコスパかもしれない。

帰りの車の中でインストラクターが「自分の本業はSUPのインストラクターなのだ」というので、SUPとは何かと聞いたところ、サーフボードの上に立ってパドルを漕いで進む、スタンドアップパドルボードのことだった。
冬は寒くてボートに乗れないからファットバイク業をしているのか、と聞いたところ、いやいや、冬もやれるし午前中は8人も体験があったと言うから仰天。
ドライスーツを着るから冬でも寒くない(寒いけど死ぬほどではない)ということだけど、ちょっと震えてしまった。

これも一揃い装備を集めようとすると大変な金額になってしまうので、夏あたり体験で楽しむのだったらアリかな~、と思った。

このあとはホテルに戻って夕飯を食べて(水の謌に泊まれば良かったと後悔して)、氷濤まつりのプレミアム・タイムへ。


昼間に比べるとライトアップされた夜間はお客さんがものすごく多くなっていたんだけど、20時15分にそいつら一般市民を全員追い出してからプレミアムな時間の始まり。

とにかく人数が限られているので、画角に人間が一人も入らないタイミングがしょっちゅうあるところが最高。

昼間の氷濤は七条大滝のまがいもの感があったけど、こうやってライトアップされると魅力が何十倍にもアップしていて素晴らしい。

ここは夜に見に来ないと駄目だね。

あと、今回からサイバーショットを持ってきたけれど、やはりiPhoneXSとは画質が全然違っていて捗る。
今後はロードバイクで出かけるときも活用していきたい。

そんな感じで支笏湖ファットバイク体験はとても楽しかった。
ロードバイク固執せず、冬なら冬にしかできないアクティビティに励んだほうが精神衛生上良いのかもしれないね。