PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

BRM722北海道400kmトカプチ朝駆【後編】

100周年記念ブルベ、トカプチ朝駆400kmの参戦記は後編です。
午前3時にスタートし、100km先にある標高1,139mの三国峠ヒルクライム、そしてまた100km走ってスタート地点まで戻ってきた。

時刻はだいたい11時半なので、200kmを8時間半と好調な出だし。
まあ、三国峠も含めてほとんど足を止めてない(せいぜいタウシュベツくらい)ので妥当な時間ではある。
普通の200kmブルベならコンビニ3箇所に停まって30分ずつ使えば普通に10時間になっちゃうしね。
速く走るより休憩時間を短くしたほうが早いと言われる所以だ。

有人PCでは補給がなさすぎてハンガーノックになっちゃった人が出たなどとバタバタした雰囲気だったけど、自分にできることはないのでそそくさとイートインスペースに向かった。

音更の道の駅の中にはいろんな食べ物屋さんがあったので、わざわざ帯広市内とかで食べる必要がない感じだった。
予定ではここで豚丼のノルマをクリアする予定だったんだけど、昼になってとにかく暑くなってきたので、納豆ぶっかけそばの大盛りに涼を求めた。

疲れた体に麺つゆの旨味がしみる~(全部飲み干した)
ここでは冷たい水も飲み放題でとても良かった。

トカプチ400は本来的には一般の方が自転車で走ることも想定されているので、電動アシスト付き自転車の貸出も行われていた。

でもまあ、電アシでもここを走ろうなんて思う人は逸般人であろう。

暑さが厳しくなってきたので、予備ボトルには二の腕に掛ける用の水を詰めることにした。
熱中症対策には手のひらや腕を冷やすといいらしい。

PC1~PC2

昼ごはんも食べて、暑さ対策もしっかりしてからリスタート。
しかし平坦モードで楽勝なはずが、今度は向かい風がやばい。
DHバーがあるからそんなに気になるレベルではないにせよ、日中は南風、夜からは北風と一日中向かい風だった気がする。
追い風だったのは最序盤に北上したときくらいだったかなあ。

チェックポイントDに到着したときには暑さが極まっていたので、さらにアイス&冷凍ボトルを用意した。

アイスの実をモリモリ食べていると後続車に追いつかれた。
丸いメガネを掛けた優しそうな方だったけれど、聞けば去年のトカプチどころかオホーツク1300も走っている猛者中の猛者だった。

しばらくこの方と追いつき追い越ししていたんだけど、マジで本当に自分の登坂力のなさを痛感させられた。
平坦ではDHバーがあるのでこちらに分があるのだけど、ラーメン寳龍を越えて、浦幌から静内に抜ける坂に入った途端に後ろからちりーん、ちりーん、と熊鈴の音がどんどん近づいてきて、追いつかれたと思ったらあっという間にちぎられてしまう。

昆布刈石分岐で追いついて(追いつかせてもらって?)、国道336に入って十勝川河口までの平坦区間で引き離したはず、が、ナウマン国道のアップダウン区間に入った途端にちりーん、ちりーん、と熊鈴の音が聞こえてくる。
ほとんど怪談のような世界だった。

そして気がついたら海が見えてきた。

朝8時には大雪山系にいて、そしていま、こうやって太平洋を眺めている。
ロードバイクのいいところはこんな常軌を逸脱した距離を平気で走られてしまうところだと思っている。


にしても今回のコースは、300km走った先のアップダウンが一番きつかったかもしれない。
まさかこんな断面図で、後半のほうが登りが厳しいとは誰が思おうか。

あまりに登りが厳しく、まるで後ろから引っ張られているような感覚がしてさすがにおかしいと思って自転車を降りると、リアのブレーキが傾いてうすーくリムに接触していることが判明してその場で修理をしたりもした(そのせいか?

大樹町はなんだか知らなけれどバス停と公衆便所がセットで設置されてあり、そういった集落には自販機もあるので無理せずにコーラ休憩を取るなどした。

思えば300kmを14時間で走ってきているので、疲れるのも当然である。


日が落ちた途端に寒くなってきたので、用意していたレッグウォーマーを履いた。

20℃未満ならだいたいこれで大丈夫。
上を着込むかどうか迷ったけれど、ギリギリ15℃くらいの気温でゴールできたのでミレーの網網&長袖ジャージでも耐えられた。
これを下回るときはインナーを着替えたほうが良さげ。
オーバーナイトなブルベでは着替えるタイミングが重要になってくるので、サイコンにはケイデンスや心拍数よりも気温を表示させておいたほうがいいかもしれない。

あと、ミレーの網インナーは長袖とスリーブレスの2種類を持っていて、ジャージが長袖だったのでインナーも長袖にしたら、DHバーを握るときに二の腕の皮膚に網が食い込んでかなり微妙だった。
長袖ミレーは持っていかないほうがいいかもしれない。

しばらく走っていると、前の方で手を振っている二人組が。
近づいていくと運営の方たちで、
「もうすぐ大樹町だよ!」
と声掛けをしてくれた。
(写真撮影は無し)


やがてPC2に到着。
ホットコーヒー、ブリトー、肉まんで簡単に夕食を取る。
当初の予定では浦幌のラーメン寳龍で食べる予定だったんだけど、だいぶ早く着いてしまってまだおなかが減っておらず、スルーしてしまっていた。
だけどよくよく考えたら大樹町でラーメンを食べても良かったし、やはりだいぶ疲れが溜まって判断力が落ち気味だったかもしれない。

今年ブルベを走った感じからすると、笑って楽しく走られるのは300kmまでのようだ。
350kmまでは疲れてるけど余裕があり(宗谷600の稚内までがこのくらいの距離)、400kmはどこかで仮眠を取りたくなる(様似400はマジ眠かった)。
今回も400kmではあるけれど、3時スタートで0時を回らない分眠くはならずに済んているけど、疲れていることには変わりなかった。


あたりが闇に包まれてきたので、ここからミュージックタイムだなとiPhoneをモバイルバッテリーに接続すると、なぜか充電が始まらない。
いつの間にか使い切ってしまったのか?
残りバッテリーは30%で余裕がないので、仕方なく無音で走ることになった。

家に帰ってモバイルバッテリーを見てみると残量は3/4ほど残っていて、単に接触が悪かったか、インジケーターがコンビニの明かりのせいで見えなかっただけのようだった。
やはり思考能力がだいぶ落ちている。


真っ暗だしヒグマもエゾシカも怖いので、夜道ではひとりで歌いながら走った。
ひとしきりレパートリーが尽きると、「はーるばるー来たぜ帯広~♪」など、不毛な替え歌を歌うなどして眠気を誤魔化し続ける。

後ろから人が来たら恥ずかしすぎるけど、先に熊鈴の音が聞こえてくるはずだから大丈夫なはず。


360km地点にある中札内の道の駅でトイレ休憩を挟んで、最後の通過チェックへ。
ここでは標識に書かれた数字が問題になっているんだけど、370kmも走ってくると見える看板すべてが答えなんじゃないかと思って「もしかして、さっき通り過ぎた看板か!?」などと引き返したりしたせいでだいぶタイムロスになった。
(正確な位置はちゃんと出題用紙に書いてあった)

そんな感じで、だいぶアホになりながら音更の道の駅に到着。

燦然と輝くOTOFUKEサインがゴール走者を出迎える!!!
そして100周年メダルを無事にゲッツ!!!

これで200,300,400の3種類をコンプリートして、残すは600km。
来年かなと思ったらそうではなく、家に帰ってフランス語版のWikipediaを調べてみたら最初の600kmブルベが行われた1928年7月1日なので、いまから5年後の2028年7月初旬になりそう。
参加できるかどうか微妙に怪しいな……。


ともあれ、今回のブルベは学ぶことが多くて良かった。
長距離無補給ライドもそうだし、延々と続くダルい登りで死なずに登りきれることも分かった。
気温的にもパリ・ブレスト・パリに相当近い(最高気温30℃・最低気温10℃)し、いい予行練習になったんじゃないかな。
まあ、本番はこれを3回繰り返すと思うと相当しんどいんだけど、大雨やら大熱波やら異常気象に襲われない限り大丈夫なんでないかな。


ゴールのあとは山岡家で締め!

ブルベの後の特製味噌ラーメンが一番うまい!
ここは2時閉店だから、スタートが6時だったらジャストで閉店してたんだよなあ。
3時スタートで本当に良かった。


翌日はチェックアウトの時間近くになるまで部屋でゴロゴロしたあと、フクハラの中に入っているインデアンへ。
ここは10時オープンなので狙ってみたんだけど、開店前から数組の行列ができていてびっくり。

注文したのはカツカレー。

ルーが濃厚で美味い。
が、メニューをよく見ると看板メニューの「インデアンカレー」だけがインデアンルーで、野菜カレーは野菜ルー、その他のカレーはベーシックルーになっている。
これはもしかして、インデアンカレーを頼んでトッピングを追加するのが正攻法だったか?

だけど15年くらい前に帯広に来た時にも食べていて、その時は「普通にカレーだな」という印象だった思い出がある。
むしろビーフのみで濃厚に仕上げたベーシックルーの方が美味しく感じられた可能性はあるので、次回また挑戦してみようと思った。


帰る途中には虎杖浜にあるアヨロ温泉へ。

温泉も良かったし、セットで食べられるたらこパスタも絶品だった。

何はともあれ、トカプチ400朝駆はコースもいいし、天気も良かったし、想像以上に歯ごたえがあり、楽しいブルベになって良かった。
PBP前のブルベはこれで終了となり、次はニセコ花園ヒルクライムに出場する予定。
下手に遠出しても事故とかが怖い時期だし、本番までなるべく大人しくして過ごす予定です。