ここまで2日で300km程度しか走っていないのでまだまだ元気。
朝5時にすっきりと目覚め、干してあった洗濯物を取り込んでリスタートします。
ここの洗濯機は冷風乾燥だったので多少まだ湿っている感はありましたが、着ればすぐ乾く感じだったのでどうにかなりました。
ただ、湿ったまま梱包することになる予備ジャージは雑菌が繁殖しそうなので、高雄のホテルについたらまた洗濯しなければならなさそうです。
この日はセブンイレブンの肉そぼろおにぎりで手早く朝食を取りました。
中心市街地を出て暫く走ると、北回帰線を示すモニュメントの下を通過しました。
ここから先は太陽が南中するときに完全に鉛直方向になる熱帯地域です。
とはいえ、初日からずっと花曇りくらいの天気なので気温もそれほど上がらず、快適そのものでした。
その後は一旦東に進んで、海岸線を目指します。
8時前ころに布袋という名の港町に到着。
ここでちゃんとした朝ご飯を食べようかとも思ったんですが、田舎に入ってどこもかなりローカル度が強そうで二の足を踏みました。
ある程度観光客が来そうな地域だったり、大通りに面していていろんなお客さんが来そうな店なら一見さんの外国人が来ても大丈夫そうですが、あからさまに地元民しか使わなそう(しかも壁にメニューが出ていない)な店に入るのは度胸がいります。
それでも、商店街をずっと端のほうまで来ると、ちょっと小洒落た感じのチェーン店っぽい店構えの朝食屋さんを発見したので入ってみることにしました。
案の定、店主は比較的若い男性だったのでコミュニケーションを取りやすく、メニューもきれいに印刷されたものだったの助かりました。
品数が多くて目移りしてから、まだ食べていなかった蛋餅と豆乳を注文することにしました。
蛋餅は薄焼きクレープと卵焼きで具材を巻いたもので、台湾の定番の朝食メニューで、もちもちとした食感が癖になります。
お腹が一杯になったところで台湾の最西端を目指してリスタート。
徐々に人家が少なくなり、道の両サイドが人口の池で挟まれるようになります。
田んぼのようだけど作物は生えておらず、水面に浮かんだ水車が水をかき混ぜているのが見えます。
これはもしや、台南名物のサバヒーの養殖池かも。
サバヒー(虱目魚)は台湾の国民魚と呼ばれるほど広く食べられている、というのはポータルZで読んで知っていましたが、
dailyportalz.jp
地平線までずっと養殖池が広がるほどの規模だとは思いも寄りませんでした。
人も車もまったくおらず、ただ養殖池だけが延々と並んでいる風景は、ブレードランナー2049の世界観を彷彿とさせます。
そんな荒涼とした世界をひたすらに漕ぎ続けて、ようやく最西端に到着しました。
入口の前にはコンクリートブロックで自動車が入れないようにとうせんぼがされており、向こう側には巨大な砂山がそびえ立っています。
ブロックの隙間を越えて中に入ろうとすると、砂山を越えてくる2人の人影が見えました。
ひとりは映像クリエイターを名乗る背の高い白人男性、もうひとりはその恋人とおぼしき黒いビキニのアジア系美少女でした。
「ここは台湾で一番好きな場所なんだよ」
とのことで、確かにまず誰も立ち寄らないであろうマル秘スポットだもんなあ、と思いました。
台湾一周について聞かれたので、「普段は日本の北海道で走っている」とか「去年はフランスのPBPを走ったよ」など答えると、ホッカイドウもPBPもよく知られているようでなんとか伝わりました。
昨日会ったアメリカ系台湾人の彼もPBPを知っていたし、やっぱり日本人よりは欧米人のほうが認知度が高いイベントなのかな。
これはその時にベニントン氏に撮影してもらった動画。
砂丘が続く風景をひとしきり眺めた後で彼らに別れを告げてリスタートしました。
そろそろ腹が減ってきており、せっかくだからサバヒーでも食べていきたいな、と思い始めていた頃に偶然サバヒー専門店を発見したので、さっそく寄ってみることにしました。
店名に虱目魚とある割にサバヒーを使ったメニューは少なく、とりあえずサバヒーのお粥と、肉操飯を注文しました。
サバヒーは別名ミルクフィッシュと呼ばれるほどに脂分が多い魚で、特に腹身の部分は濃厚すぎてかなり破壊力があります。
生姜の千切りも入っているけど中和するには程遠く、これは焼いたりして多少油を落としたほうが良いんじゃないかなあ、という感想でした。
このあとはサイクリングロードに合流し、休憩を挟みながらまったりと走ります。
花の咲き具合が日本とはまったく違いますね。
そんな感じで15時ころに高雄市に到着。
そろそろ台湾スイーツが食べたいぞ、と検索して、マンゴーかき氷で有名なお店に行ってみることにしました。
さすがにシーズン外のためマンゴーはありませんでしたが、冬の果物としてイチゴが激推されていたのでイチゴの雪花氷を注文しました。
これがもう、うなるぐらいに美味しい。
そもそもイチゴが別格に甘いうえに大きくてみずみずしいのに驚きました。
日本のイチゴ、お家芸みたいに騒いでるけど、関税に守られているだけなんだなあ、と思ってしまいます。
これだけ量があって160元 = 800円というのも最高です。
Single Inn Station 単人房高雄站前館
今回の宿は高雄の中心街にあるドミトリーだったんですが、あらゆる意味でドミトリーとはレベルが違うすごい宿でした。
まず、1階には夜はバーにもなるフロントがあり、バックヤードに自転車を置かせてもらうことができます。
2階には広大な食堂スペースと、洗濯機と乾燥機、さらに男女別の大浴場が完備!
部屋は完全個室で窓もあり、アメニティも充実。
部屋着もあるので洗濯をしている間にこれをきてコンビニに行けたので助かりました。
夜市やコンビニまでもすぐ近く、高雄に泊まるなら絶対またここに来たいと確信するほどのレベルです。
ジャージを洗濯機にかけている間に、さて大浴場でのんびりするか、と風呂に入ったところでショッキングな出来事がありました。
というのも、熱帯を走ってきたせいで太ももからスネにかけて真っ黒に日焼けしており、それがヒリヒリするため浴槽に浸かることができないのです。
ずっと気温が30℃くらいでたいした暑さでもなかったため甘く見ていたんですが、熱帯の太陽光線の破壊力は想像を絶するものがありました。
仕方ないのでシャワーを浴びて、着替えて夜市に出かけることにしました。
さすが大都市高雄というだけのことはあり、夜市ではよそでは見ないタイプのお店があって面白かったです。
まずは大腸包小腸。
これはもち米のソーセージ(大腸)でソーセージ(小腸)を挟んだ台湾式ホットドッグという雰囲気の食べ物。
さらにヒゲの料理人の勢いがいいチャーハンと、
独国香腸(本場ドイツ式ソーセージ・ザワークラフト付き)も買って、宿の食堂でいただきました。
夜市ではビールを売っていないので持ち帰ることになるんですけど、そうなると熱々感がなくてちょっと残念ですね。
やはり冷たいビールと熱々の料理、この組み合わせでいただきたいなあ。
という感じで台湾3日目は終了。
サバヒーも雪花氷も食べられたし、最西端の世界の果てみたいな風景も見られて良かったです。
それとこの日は最西端を離れて寄り道したので、国道1号線から離れられたのが良かったです。
というのも、連日交通量が多い道を走らされて、排気ガスで喉がやられ気味になっていたから。
日焼け止め以外にも、排気ガスを吸わない工夫(ネックゲーターをつけるなど)が台湾サイクリングの必需品かもしれません。