北海道はマラソン大会を優先したばっかりに感染対策が疎かになって特に札幌方面の感染者がヤバいことになっていた。
本来なら5月中旬からブルベがどしどし始まる予定だったんだけど、札幌発着のものは軒並み延期の憂き目に。
ともあれ、北海道のガイドラインにも外出自粛といえども「屋外での運動や散歩など、生活や健康の維持のために必要なものを除き、外出を控えてください。」と書いてあるので、一人で走るサイクリングに関してはあまり関係がないようだ。
まあ、もっとやばくなってきたら最近流行っている無補給ライドにも挑戦してみようとは思うけれど、この時はまだ発出前だったからそこまでしなくても大丈夫っぽい。
というわけで向かったのが黒松内町。
ここから寿都を目指してこの時期だけしか食べられない幻の生しらす丼を食べ、最後にニセコパノラマラインを通って帰ってこようというのが今回の趣旨である。
車を降りると、さすがに5月も中旬となると曇りでも暖かい。
下半身は冬用のアウターはやめてパールイズミの7分丈のを履いてきてちょうどよかった。
上半身はまだ長袖+インナーでも充分かな。
黒松内から道道9号を通ってまっすぐ寿都を目指しても良かったんだけど、それだと走る距離が短いので道道523号美川黒松内線を選んだ。
ここは車通りも少ない適度な峠道で、去年の秋に通って楽しかったので再訪。
pikacycling.hateblo.jp
しかしこの日は思った以上に車の通行量が多い。
前回はせいぜい5、6台としかすれ違わなかったのになんでだろうといぶかしがっていると、どうやら笹竹のシーズンらしい。
「竹の子採りで死亡6人」としか書かれていないと死因が気になる。
滑落したのか遭難したのかヒグマに頭からバリバリやられたのか、それとも野生化したササダケに体中串刺しにされてしまったのだろうか。
やはりこのスノーシェルターは何度通っても楽しい。
トンネルに比べて自然光が差し込んでいて明るいし、なんだかちょっとSF感があるのもいい。
そしてこの峠はここから先の下りが至高。
斜面は適度になだらかでカーブの少なく、見通しはいいし風景も楽しめるでとても楽しい。
このあとは日本海追分ソーランラインをなんなんと北上して弁慶岬へ。
源頼朝に破れた義経と弁慶は北海道まで逃れ来て、義経はここからモンゴルに渡ってチンギス・ハーンになったんだっけ。
それきっかけで北海道名物がジンギスカンになったとかならないとか。
ここで灯台カードをゲット!
恵山岬灯台以降とんと見ていなかったので存在自体忘れるところだったけど、扉に貼られた青い貼り紙を見て思い出した。
ここで最近発売された文明堂のV!カステラを食す。
www.bunmeido.co.jp
味は普通にカステラで、砂糖分多めでしっとりと固めてあってボロボロこぼれない工夫がしてある。
その分包装の内側がベタベタしていて手にくっつきやすいのと、中に入っている乾燥剤が邪魔。
賞味期限も短いから保存食にもならないし、1本200円と結構高いので気軽に食べるわけにもいかない。
ライド中に食べるならやはりスポーツようかんに一日の長があるね。
さらにみゃくみゃくと漕ぎ続けて寿都市街に到着。
ここにも浜直市場があるんだけどこの先で食べるからスルー、のつもりが、謎の看板を見つけて足を止めてみた。
わかさいも、ならぬ、わかさ屋いもだと……?
hokkaidofan.com
思わず店に入って買ってみた。
写真を撮る前に食べてしまったのは残念だけど、味は完全にわかさいものそれ。
店名が「わかさ屋」だから完全に合法なのだろう。
個人的にはセット販売されていた「いも天」の方が好み。
ここには映像には乗せることができないヤバいぶつも置いてあるとのことなので、近くを通る機会があったら是非立ち寄ってほしい。
そんな感じで走り出したのだが、この日も海岸線は風が強く、しらす会館までの15kmがやたらと遠く感じた。
風力発電が調子よく回っている日は向かい風が厳しい。
途中にあった牡蠣小屋の誘惑にも負けず(ここは夏に行く)、どうにかしらす会館に到着。
しらすが水揚げになった日は黄色いのぼりが立っているそうだけど、ここまで来てアウトだったら辛いのでフェイスブックを見てくるといいと思う。
というわけで生しらす丼がドーン!
いやこれはマジでうまいね。
実は以前寿都の道の駅で食べたことがあるんだけど、卵の白身みたいな感触と魚の生臭さが交わったような何とも不思議な食べ物だな、という印象があった。
ところが今日の朝に水揚げされたばかりのシラスは鮮度が違うだけあって全然別物。
何味と表現すればいいかはよくわからないけれど、生姜醤油をかけたり卵の黄身と和えたりごま油を混ぜたりするとやたらと美味い。
それら調味料の旨さを爆発的に引き上げる、というのかな。
とにかく、あっという間にぺろりと平らげてしまった。
これはジャンボ丼があるというのも納得。
誤算だったのは、生しらす丼だけじゃなくて全ての丼ものがセットになるのを知らなかったこと。
テーブルの上に雑誌の切り抜きみたいなのがパウチされていて、「生しらす丼セットは蒸し牡蠣と岩のりの味噌汁がついてくる!」と書かれていたのでてっきり生しらす丼だけがセット対象だと思い込んでしまった。
何丼でも良かったのならハーフ&ハーフ丼にして釜揚げしらすを味わってみるというのがベストだったんだけど、これはまた来年の楽しみにしよう。
ご飯を食べた後は岩内町まで淡々と北上。
ここではコンビニ休憩とし、スポーツドリンクと氷を購入。
どうせでかいサドルバッグをつけているんだからと、今回はツールボトルをサドルバッグに突っ込んで、水とスポドリのWボトル体制とした。
レースならともかく、ロングライドのときは(特にこれからの季節は)このほうがいいかもしれない。
もともとクロモリロードだし、多少の重量増は気にならないのだった。
と、言っていられるのも平坦区間だけで、上りに入ると前言撤回したくなる。
それというのもここからが本日の山場、ニセコパノラマラインが始まるからだ。
ウェイトがある分遅いのは仕方がないので、とにかく着実に登らざることだけを念頭にペダルを回すしか無い。
膝を傷めないように尻と太股の筋肉に意識を集中してペダルを回す動きに専念。
疲れてきたらギアを2段上げて「休む立ちこぎ」を加えることで、遅いは遅いけれど確実に登れるようになった。
大事なのは、途中で自分より3倍くらい早いローディに追い越されても闘志を燃やさないことw
幸いなことにニセコからの眺望は抜群で、登っている最中に飽きることがなかった。
標高が上がるにつれて山肌は雪に覆われて、あたかも冬山のごとく。
北海道に渋峠はないけれど、ニセコしか勝たん、という感じだった。
とにかくカーブを曲がるごとに絶景で、「ここで写真を撮ろうか、いや、次はもっといいポイントかも」と悩んでいるうちに登りきってしまった。
まだこの時期は新見温泉へ抜ける道は未開通。
5月中旬でまだ雪が残っているわけがないだろうと甘く見ていたんだけど、ゲートの向こうは完全に冷凍していた。
そーゆー状況なので神仙沼レストハウスはまだ冬季閉鎖中で、売店どころかトイレも使えない状態だった。
冬山ハイカーの人の車はたくさんあったけど、そーゆー人はやっぱり野糞するのかな。
とりあえず山頂まで来たから一休みということで、くるみ餅を食べた。
ベストオブ補給食は天狗堂のくるみ餅じゃないかな、と常日頃から思っている。
携帯しやすい形状だし、オブラートに包まれているから手もベタベタせず、くるみの風味で甘すぎない。
V!カステラも悪くないけど、乾燥剤が邪魔だし、包装の内側が砂糖でベトベトしているのでゴミをジャージのポケットに入れておいたら中のものが軒並みベトベトに汚染されてしまったし。
一休みしてから待望の下り。
風が強いし寒いかと思っていたんだけど、下界からのぬるい空気が吹き上がってくるのでむしろ全然快適だった。
この時期のニセコはやばいね。
来年もまた来よう。
しかし旅はまだ終わらない。
楽しさの後には苦しさも待っているということで、のこり60km走り続けなければならないのだった。
コースの終盤にニセコを持ってきたのは完全にミスなのだけど、生しらす丼を優先させるためだから仕方がない。
腹も減ってきてできたら途中でラーメンか何か食べたかったんだけど、ちょうどランチタイムが終わる15時過ぎだったためスポーツようかんで我慢。
ウマ娘じゃないけれど、スタミナは完全に尽きた状態で根性だけで走り続けてようやくゴール。
帰りの道のりは思った以上にアップダウンがあってなかなか厳しかった。
〆は黒松内町のブナの森温泉。
ここの食堂では黒松内町産のそば粉を使った蕎麦を出していたのでちょっと気になったんだけど、ラーメン食べたい欲が高まっていたので帰る途中にある八雲町の「麺屋むすび」まで足を伸ばした。
鳥白湯ラーメンはスープが濃厚で美味い。
冷めてくると鳥の脂が表面で固まりだすので、ちゃんと真面目に作っているんだと思う。
チャーハンも旨味多めでしっとり系でこれまた満足。
もう山岡家には行かなくていいかな。
次回は魚介ラーメンを食べてみたい。
というわけで今回のRelive。
Relive '寿都しらす丼ライド'
緊急事態宣言が出る一歩手前でニセコライドに行くことができてよかった。
来週も晴れていたら、いまはやりの無立ち寄りライドに挑戦してみるかもしれない。