初日はのんびりめに起きて宿をチェックアウトし、まずは松山にある環島のスタート地点を目指します。
市内の大通りを走ることになるんですが、基本的に車道が片道3車線あり、さらに外側にバイク・自転車専用レーンがあるので思った以上に走りやすいです。
バイクが群れでやってくるときは緊張感がありますが、あくまで「遅い二輪車」くらいの気持ちでいれば向こうが勝手に追い越してくれるので楽です。
急な進路変更や急停止しないように、のんびりまったり走る感じですね。
台湾の交通ルールで感心したのは、交差点では二輪車は車をすり抜けて列の一番前に出ていいこと。
日本だと「あとから来て横から追い抜くとはけしからん!」となると思うのですが、交通弱者であるバイクが前にいれば巻き込み事故も避けられるし、右直事故も減ります。
モラルや良心といった言葉で曖昧にせず、理にかなっている方法をルール化できるのが素晴らしいと感じました。
その他には、信号にカウントダウンの数字が出ているのが良かったです。
日本だったらこれも「レースのスタートのようでけしからん」とか「フライングするやつが出てくる」みたいに非難されるところですが、特にそういうこともなく、台湾ではみんなきちんと数字が0になってから普通に発信していました。
松山駅に到着して、記念撮影。
ここからいよいよ環島がはじまるわけなんですが、方向感覚がわからなくて適当に走っているうちに、饒河街夜市のあたりに紛れ込んでしまいました。
自転車を止めて行き先を確認していると謎の儀式が始まり、爆竹を鳴らしたり矛を持ったおじさんが舞い踊っていたり、異国に飛び込んできた感じが増しました。
しばらく見ていたんですが、すぐ近くに飯糰の屋台を見つけたので、ここで朝食を仕入れることにしました。
飯糰(ファントン)はポータルZで見て気になっていました。
dailyportalz.jp
何を注文するかしばらく迷って、とりあえず字面からわかりやすい「猪排飯糰」にしました。
鶏排が鶏の唐揚げなので、たぶん猪排はトンカツ的なものだろうと予想。
するとおばちゃんは後ろにあった発泡スチロールの保冷箱から豚肉を2枚取り出し、鉄板で焼き始めました。
白米と黒米をミックスしたものを広げ、そこに高菜のような漬物、肉髭という肉のパリパリしたそぼろをかけ、焼いた肉の上にさらに油条の砕いたのをばらまき、一気に包んで完成です。
リュックサックに入れてサイクリングロードまで走ってから食べたんですが、まずボリュームがおにぎり2~3個分くらいあって食べごたえがある上に、具だくさんなので最後まで美味しく食べられました。
炭水化物主体でロードバイクにはうってつけの昼食かも。
これで55元 = 275円というのはお買い得です。
さて、松山からずっと西に進んで淡水側沿いのサイクリングロードまで出てきました。
市内と比べてさすがにこのあたりにはローディが多く、それぞれ仲間同士の待ち合わせ場所として賑わっていました。
台湾のサイクリストの特徴は、日本と比べて女性比率が多いところ。
日本だと体感で5%未満かなあ、という感じですが、台湾は3割から5割近くは女性なんじゃないかな、という印象です。
ここで見かけた面白いものが、自転車ごと入ることができるトイレです。
要は多目的トイレなんですが、そこに自転車と一緒に入っていいと明記されているところが台湾的合理性だなあ、と感心しました。
しかし自転車先進国の台湾とは言え、サイクリングロードは日本と同様にカオスでした(汗
5,6人で道路を塞ぐように歩いているおばちゃん軍団もいるし(ニーハオニーハオと声かけて譲ってもらう)、見通しの悪いカーブを猛スピードで逆走してくるチャリンコはいるし、無駄に曲がりくねっていてスピードも出しにくいし、なかなか厳しかったです。
でもまあ都心部は信号の切り替わりが早く、自転車のスピードだと信号で毎回捕まったりして効率が悪いので、どちらがいいかは難しいところです。
この日は台湾の道に慣れるという目的もあって100kmしか走らない予定だったので、あまり急がずのんびりと、風景を眺めながら進んでいきます。
そうしているうちにサイクリングロードを離れ、三峡老街に到着しました。
www.taipeinavi.com
老街とは、昔ながらのレンガ作りの町並みが残っている通りのことで、台湾各地にあって昼間から出店が出ていたりと賑わっています。
さっそく中に入ってみると、けんたさんの動画で紹介されていたクロワッサン屋さんがあったので買ってみることにしました。
味はまあ、日本で食べるクロワッサンと変わらないかなw
ついでに喉も乾いたので、パパイヤミルクをゲット。
このあとは軽いヒルクライムがあって、時刻はお昼近くになり、徐々にお腹が空いてきました。
そういやここらへんでけんたさんが魚料理を食べていたな、と思い出したのですが、そういう系のお店は家族など大人数でやってきて取り分けて食べる系らしい雰囲気を出しており、なかなか一人では入れそうにありません。
山を下って空腹も限界に近づいた頃、「農民市場」と書かれた看板を発見!
maps.app.goo.gl
ここなら何かしらのものが食べられるだろう、と立ち寄ってみることにしました。
ここは客家料理が名物とのことで、客家湯麺と客家小炒を注文しました。
湯麺は豚骨スープのように濃厚で、うどんのように太くモチモチした麺との相性が抜群。
小炒は豆腐やイカ、葱、豚肉などを炒め合わせたものなんですが、「どうやったらこの味が出せるんだ」と愕然とするほど美味くて震えました。
いきなり飛び込んだ店でここまで感動するとは、台湾料理、おそるべしです。
2日目の宿に到着
お腹もいっぱいになったので走行を再開し、しばらくして新竹市に到着しました。
今回の宿は巷仔内 The Lane Backpackersというところだったんですが、ここは微妙にイマイチでした。
maps.app.goo.gl
良かったところ
- 値段が安い(2,600円)
だめなところ
- 場所が致命的にわかりにくい
- 窓から虫が入ってくる(何箇所か刺された)
- タオルがない
- ベッドにコンセントがない
ものすごい住宅地のど真ん中の路地をぐるぐる進んだ先にあって、たどりつくまで相当迷いました。
なんとか到着すると元気なおばちゃんが「あんた自転車で一周してるの? すごいね! わたしは苗里まで行ったことあるわよ! 自転車は家の中に入れていいわ」とゴリゴリと話しかけてくるんですが、食堂まで自転車を運びいれるとすでに1台置いてあるためスペースが少なく、壁に立てかけようとすると「そこにビールが置いてあるからダメ! あんたは外に置きなさい!」と怒り出すと、今度はその人の母親らしきおばあちゃんから「そのビールをどかせばいいじゃない」と怒られるなど、いきなりいろいろ大変な感じでした。
とりあえずベッドに案内され、シャワーを浴びたり着替えたり、洗濯バッグを使ってその日着ていたジャージの洗濯を試みるなどしてみました。
ですが、洗濯袋はただでさえ脱水がちゃんとできない(絞るだけでは足りない)うえに、寝室にはエアコンがなく、網戸から夜の熱気と湿気が入り込んでくるため翌朝までまったく乾かず、濡れて重くなったジャージを次の街まで運ぶ結果となってしまいました。
台湾で手洗いはやめておいたほうが無難かもしれません。
自分の向かいのベッドでは女性もののパンツとタンクトップが干されていたので、下着ぐらいなら大丈夫なのかな。
とりあえず一息ついたので、夕食を食べにGoogleマップで評判が良かったパイコーメンのお店に行きました。
太字のメニューが人気だろうと見込んで注文したんですが、今回は失敗。
スープは牛の出汁が薄く香るさっぱり系なんですが、麺の上にパクチーが山盛りのため、全部がパクチー味になっていてこれは辛かった……。
さらには麺の形も独特で、
手でこねて丸くしているんですが、そもそもスープが薄味なのでまったく味が絡まず、無味の白玉を食べているような感じ。
餃子は美味しかったけど、ここは合わなかったなあ。
あまり食べられなかったし、お酒も飲めなかった(台湾はお酒が飲める店が少ない)ので、ファミマで食べ物を仕入れることにしました。
肉まんは日本のとそんなに差がない感じです。
台湾の全ファミマで売られているほどに人気の茶葉蛋は、本当にただの「お茶の風味の煮玉子」で、しょっぱい味がついているわけでもなく、なぜこれほど人気なのか謎でした。
本日の走行距離
というわけで、この日は慣らし運転で100kmだけの走行で終了。
台湾の道は予想以上に走りやすく、交通量は多いけれど東京や大阪のカオスっぷりに比べたら全然マシですね。
二輪車専用道のさらに外側に路上駐車用のスペースがあったりするので、日本に比べてだいぶ環境がいいです。
ご飯屋さんにフラッと入ってテキトーに注文することも覚えたし、もう台湾旅行者初段と言ってもいいでしょう。
台湾の風にも慣れてきたので、翌日はこの旅で最長となる200kmを走って一気に嘉義市を目指します。