知床旅情ライド最終日はただ地元に帰るだけの日だったのだけど、それだと寂しいので軽く午前中に網走市内をサイクリングして、それから帰ることにしていた。
東横インはコロナ対応のため朝食はお弁当対応だったのだけど、一基しかないエレベータが混んで大変だし、混雑時は非常階段を開放してると言っても7階から降りるのも嫌だし結構しんどかった。
お弁当は普通。
納豆があるのが良かった(旅先でしか納豆を食べられないので
東横インは施設自体新しくてそんなに悪くないんだけど、エレベータの台数もそうだし、洗濯機と乾燥機が2つずつしかなくて常に全部埋まっていたり(ギリギリで洗濯だけできた)するので、混雑時ベースで考えてない感じはした。
自販機に地ビールがあるのは良かったかな。
(前の晩に飲んだやつです)
6時30分に弁当を受け取って7時にはチェックアウトして網走サイクリングと洒落込んだ。
オホーツク流氷館
網走といえば流氷なので、まずはオホーツク流氷館へと向かった。
www.ryuhyokan.com
ところがGoogleマップでは気づかなかったのだけど、これが天都山という標高200mの山の頂上にあるので寝起きでいきなりヒルクライムですよ。
罰ゲームかと思いながら登り切ると、北緯44°の印があって得した気分に。
8時30分のオープンを待って入館すると「まずはこちらに」と、シアタールームに案内された。
スクリーンが凹型になっているため微妙な立体感があり、音に合わせて揺れたりする疑似4DXという感じ。
見終えると矢継ぎ早に「次はこちらに」と、ホール中央でプロジェクションマッピングを見せられた。
こちらはあまり面白くないので途中で席を立って、マイナス15℃が体感できるルームへと進んだ。
自分の前に男性が一人、壁のところにあった濡れタオルを取って扉をくぐって入っていったので「ははーん、これを回して凍らせるやつだな」と理解して後に続いた。
中に入ると薄暗い通路の中で、男性がブンブンとタオルを回している。
真似して自分もブンブンと30回ほど回すも、「濡れたタオル」が「冷たく濡れたタオル」に状態変化しただけで変わりがない。
開店直後で室内の冷えが足りないのかもしれないとさらに振り回していたら最初にいた男性が
「あっ!」
と声を上げて、さらに奥の部屋へと進んだ。
ここは冷凍室の前の隔室だったのかよ、とトホホしながら自分もあとに続くと、さすがにこちらはガン冷えであっという間にタオルが凍った。
先に入った男性は寒い寒いと悲鳴を上げて出ていったけれど、個人的には「ちょっとクーラーが効きすぎた部屋」くらいの感じ。
ヒルクライムでかいた汗が蒸発して気持ちいいくらいだった。
外に出ると係員より「展示はこのワンフロアのみでーす」と言われてびっくり。
あとはクリオネの水槽くらいしか見るものがないし、770円にしてはコンパクトすぎるだろう。
まあ、屋上からの眺めは良かった。
あと、日本人初優勝の流氷ソフトクリームは塩キャラメル風味で美味しかった。
今回は別海町のソフトクリームと、知床五湖のコケモモソフト、そして網走の流氷ソフトを食べたけれど、どれも美味しくて甲乙つけがたい。
ベーシックな別海もいいけど、フロートも好きだし塩キャラメルは食べたことがなかったし、判断が割れるところだ。
どちらにしても、津軽半島に比べると北海道はどこに行ってもソフトクリームが食べられるのは良かった(道民もよく食べるからかもしれない)。
網走監獄
30分足らずで見学し終えてしまったので、続けて9時オープンの網走監獄に向かった。
実はここは15年くらい前に来たことがあったんだけど、せっかくだからと思って寄ってみたのだが、あまり代わり映えしない感じだったのでリピートはやめたほうが良さげ。
流氷的な施設もどこかで見ている気がしたんだけど、それは紋別の流氷科学館だったっぽいのでセーフ。
網走監獄で面白かったのは、前に来たときはまだ無かったと思われる監獄歴史館(2010年完成らしい)。
片隅に現代の網走刑務所を再現したコーナーがあって、そこはリアリティがあってゾクゾクした。
開拓使時代の苦労話なんて聞かされてもほとんどファンタジーの世界だしね。
花輪和一の「刑務所の前」そのものの世界で、犯罪とは縁のない善良な市民こそ見ておいてほしい。
しかし網走監獄は地獄のように暑く、高低差があって疲れた。
しかも自販機はあるのに飲み終わったペットボトルは持ち帰れという「もの売るってレベルじゃねーぞ」対応に怒り心頭。
頭に登った血を鎮めるため、再び自転車に乗り込むのだった。
道の駅 流氷街道網走
まだ列車の時間まで微妙にあったので、せっかくだから網走の道の駅まで行ってみることにした。
来るときは国道沿いを走ってきたんだけど、帰りは網走川沿いのサイクリングロードを快走。
網走監獄を歩いているときは暑くて疲れて大変だったんだけど、ロードバイクに乗ると風を切って進める分涼しいし、体重を感じないから走っても全然疲れない。
1,100円も払った網走監獄よりかは、こっちのサイクリングロードのほうがずっと楽しかった。
道の駅に入ってみるとサイクリングロードの紹介があって、先に知っていたら早起きして走っていたのになあ、と後悔。
www.okhotsk.pref.hokkaido.lg.jp
観光スポット巡りよりも自転車にただただ乗っている方が好きだ。
ちょうど11時で2階の食堂がオープンしていたので、喉も乾いたし早めの昼食とすることにした。
どうせこれから10時間列車に乗る間はまともな食事はできないのだ。
メニューが豊富すぎて迷った挙げ句、貝柱塩ラーメンを注文。
この旅ではラーメン食べてないし、まあ安牌だろうと思いつつ大きな期待はしていなかったのだけど、地味に美味くてちょっと反省。
麺こそイマイチだけどスープが良くて、3/4ほど飲み干してしまった。
干し貝柱の力なのか、単に汗をかきすぎてミネラル分を求めていたかは謎。
網走駅
その後は網走駅に30分前に着いて、例のごとく15分で輪行準備完了。
輪行といえば自分は省スペースになる縦型輪行袋を強く推していたんだけど、こと北海道の特急列車で旅をするのであれば、幅はあっても高さが低い横型輪行袋のほうがいいかもしれないと思った。
というのも、特急列車は新幹線に比べて最後尾の座席後ろのスペースが狭く、さらに隣の席に人が座るとリクライニングで自転車が押しつぶされかねない。
そして特急列車はどれも車内に特大荷物置き場が用意されているのだが、これが微妙に高さが低くて縦型だとつっかえてしまうのだ。
横型を斜めにして入れると自然に収まるかもしれない。
仕方がないのでディレイラーを上に斜めに傾けて荷物置き場に収納したり、棚の上の段に置いたりしたけれどちょっと微妙だった。
ここらへんはいずれ横型も買って試してみたい。
それと、帰路については網走~旭川、旭川~札幌、札幌~新函館北斗のいずれも指定席だったのが良かった。
往路は釧路~根室が普通列車だったので肩身の狭い思いをしたので、鉄道輪行で今回のコースを試すのならば、網走をスタート地点にして根室ではなく釧路をゴールにすると良いと思う。
旭川駅
往路で空腹に耐えたことを教訓に網走でサンドイッチなどを買っていったんだけど、体が栄養を欲しているせいで一瞬で食べてしまった。
旭川で20分ほど待ち時間があったけれどホーム内の売店はコロナの影響で閉まっており、駅員さんに頼んで改札の外に出させてもらった。
セブンイレブンで買い物しても良かったんだけど、せっかくなのでエキナカの食堂へ。
江丹別そばという文字が目に入ったので思わずざるそばを注文してみたら、結構ちゃんと美味しくて駅そばという感じじゃなかった。
どうせなら2、3枚注文しても良かったな。
旭川だからラーメンでも、と思っていたけどそちらは評判があまり良くないらしく、網走でラーメン食べておいて良かったと思った。
札幌駅
札幌駅でも待ち時間が多少あったので、今回は駅構内にあるロッテリアへ。
ロッテリアなんて札幌にJRで行くときくらいしか食べる機会がないので、ついついエビバーガーを買ってしまう。
盲点だったのがシャカシャカポテトで、ついつい珍しい味の紅生姜天ぷら味なんぞ選んでしまったところ、電車が混んでいて隣の座席に人が座ってしまった。
紅生姜の匂いがかなりキツくて、ちょっと申し訳なかったかも。
旅の振り返り
という感じで3泊4日の旅は終了。
トータルで350kmくらい走ったけれど獲得標高があまり無かったせいか快適に走れて良かった。
7月下旬の道東は涼しかったのも功を奏したかも。
では恒例のReliveで旅を振り返ってみる。
野付半島トドワライド
Relive '野付半島トドワライド'
初日は野付半島がとにかく良すぎた。
両サイドが海に囲まれた一本道をひたすら進み、その果てに待っている荒涼とした景色には感動の一言しかない。
ロードバイク乗りなら必ず走った方がいい道だと思う。
一方で自然に満ち溢れた根室半島は、本当だったら昼間に走ってみたかった。
釧路のさらに端にある僻地という印象しかなかったけれど、その実ここは自然の宝庫で、いや、北海道全域が自然ばっかりなんだけども、その中でも手付かず感が最も強い地域なんじゃないかと思い知った。
北海道の自然はともすればクマザサに覆われがちで、そうなるともう「クマザサだなあ」以上の印象がないんだけど、湿地帯が多いと植生に多様性が生まれて見応えがある。
一方で知床五湖の辺りはエゾシカが増えすぎてクマザサだらけになってしまい、感動が薄かった印象がある。
そういう意味では、いずれ今度は例えば釧路〜根室、根室〜屈斜路湖みたいな旅で再訪してみてもいいかもしれない。
知床世界遺産ライド
Relive '知床旅情世界遺産ライド'
しかし知床峠は良かったなあ。
標高の割に上りやすいし、眺めは絶景だしでとても良かった。
本州には有名な峠がたくさんあるけれど、北海道にも知床峠あり、と胸を張れる(かもしれない)(道外の峠を知らない)
一つ心残りがあるとすれば羅臼側は朝早くて全然見学できなかったこと。
網走出発で知床峠を反対側から登って、羅臼でクジラウォッチングクルーズとかしても楽しそう。
網走〜知床峠〜釧路というルートで走るのも楽しそうだ。
実際は電車代も相当かかるし四連休なんてなかなか取れないから毎年道東まで出かけるのは厳しそうだけど、飽きるまで何回も訪れてみたいと思った。