PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

積丹半島生うにライド

7月といえば北海道はウニのシーズンで、毎年この季節になると積丹半島まで生うにを求めて遠征している。
積丹のうには他の地方で食べるそれとは違って、朝採れたものをそのまま食べられるところが素晴らしい。
うには長期保存に向かないため、本州向けに出荷されるものは、身が溶けないようにミョウバンが添加されてしまい、その苦味によって本来の美味しさがキープできないのだった。

基本的に北海道の海産物は、地元に行ったとて良いものは本州に送られてしまうため二級品、三級品が安く食べられるだけといった風潮にある中、うにに関しては現地最強主義を貫いている。
というわけで今回の狙いは積丹半島の生うに一択。
問題はひとつあって、それは家からめちゃくちゃ遠いこと。
車でだいたい5時間くらいかかるので、開店の10時に合わせて5時前に家を出ることになるのだが、今回は自転車に乗ることになるのでもっと早く、できれば4時には家を出たい。
赤ウニことエゾバフンウニは開店直後に売り切れてしまうためこれは諦めることにして、昼以降でも残っているであろう白ウニ(ムラサキウニ)をいただくことにした。
ルートはこんな感じでまずは神恵内村経由で神威岬を目指し、積丹半島の適当な店で生うにをいただいて、あとは赤井川村を経由して帰ってくることとした。

天気予報によると土曜日よりも日曜日のほうが晴れ模様だというので、積丹ブルーを満喫すべくあえて土曜日をパスして日曜日に出発。

倶知安町に車をデポしてロードバイクに乗り始めてすぐに、eTrexにルートを入れるのを忘れたことに気がついた。
こーゆーとき、パソコンがないと入れられないeTrexは不便である。
Android使いならRideWithGPSからダウンロードしてmicroSDカード経由で入れられうのかな?
とはいえルートは事前に作って頭に入っているし、このあたりは車で何度か来ているため土地勘がないわけではないので大丈夫だろう。

倶知安町から北上して国道5号を共和町に向かって進む。
しばらく走っていると旧駅舎らしき建物にレトロな列車が展示してあったので立ち寄ってみた。

ここは岩内軽便鉄道幌似駅の跡地で、ロードバイクに乗らない冬の時期はHOナローゲージ鉄道模型を作っていたりするのでちょっと感動してしまった。
いままで模型や写真でしか見たことがなかったので、実際のこじんまりとしたサイズ感に再び魅了されてしまった。
思いもかけない絶景を目にして、今日は良いライドになりそうな予感がした。

海が見えてきたのでまずは泊原発を偵察。
とまりん館は当然まだ開いていなかったけど、前に見学したことがあるので特に問題なし。

だいたいにおいて「原発最高!」「未来のクリーンエネルギー!」と礼賛してあるイメージで間違いない。
門のあたりは陸上自衛隊の基地並みに厳重警備体制

岬の突端を削って作ってあるため、泊村からはその姿はほとんど見えず、全然関係ないはずの岩内町の住民は、その恐ろしく白い巨体を毎朝外に出るたびに拝まなければならないというのも皮肉なものだと思う。
この後はぐんぐん北上して神恵内村へ。

事前にEpicrideweatherで調べていたとおり、軽い追い風だったためスピードは出やすいし風も受けるしで、ちょうどいい具合。
気温もどんどん上昇してくるので、熱中症に気をつけながら走ろうと思った。

途中で道の駅オスコイ!神恵内があったのでトイレ休憩。

ここは食堂こそないけれど、土日限定でホッケフライバーガーやホタテ飯といった軽食が300円というお得な値段で販売されていた。
(生牡蠣はさすがに買って帰られないのでスルー)
せっかくなのでバーガーを買ってみると意外にも結構美味い。
バンズの炭水化物、レタスの食物繊維、ホッケフライの蛋白質と脂質がベストバランスで完全栄養食と言ってもいいだろう。

そういえば、先週のよってけ!島牧にもヒラメバーガーなるものがあったけど510円とかなり強気な値段で手が出なかった。
山の上のジュースが高いみたいな感覚で僻地だと強気な値段になりがちかもしれないけれど、オスコイ!の僻地っぷりも似ているわけだし、このくらいの庶民的な価格のほうが嬉しい。
この後も気持ちの良い海岸線をぐんぐんと北上し、神威岬へ向かう。

急勾配のヒルクライムに気合を入れて登り始めると、eTrexがBattery Lowの警告を表示してしまった。
仕方がないので途中で電池交換するなどしてタイムロスしたため、結果は残念なことに。
とはいえもう一度登り直す元気もないので次回また挑戦したい。
神威岬の突端までは往復40分くらい徒歩で行かなければならず、昼食の時間が迫っていたこともあってスルー。
ここは積丹ブルーのミントソフトクリームでお茶を濁した。

ここまで北上すると札幌からの観光客が多く、どこもかしこも密集していてちょっと微妙な感じだった。
絶景の割にロードバイクがほとんど走っていないのは、田舎の割に車通りが多いからかもしれない。

神威岬のかわりに向かったのが島武意海岸。
例のごとくここも激坂を登りきった先に絶景が待っており、息を切らせて登りきったところで体力的に結構限界だった。
本来はもっとずっと先にある「田村岩太郎商店」というところでウニ丼を食べる予定だったのだけど、もう疲れが溜まっているから休憩したいし、多分到着は13時過ぎになりそうだったので、到着してはみたものの品切れ、ということにもなりかねない。

幸いこの積丹半島の突端部分にはウニ丼屋さんが軒を連ねているし、近場で済ますのも悪くないような気がしてきた。
だけど途中で通りがかったお店はちょうどお昼時だったせいでどこも大行列。
休憩とはいえ1時間も待たされたりするのは時間的コスパが悪い。
じゃあもう島武意岬を登ったところにある、いかにも観光地的なお食事処でええやん! と入店してしまうことにした。
rinkou.net

待ち客リストには5組くらいあったけれど、カウンターもあるし一人ならすぐに入れるだろうと名前を記入して、その間に島武意岬を見てくることにした。

山頂の短いトンネルを抜けると積丹ブルーだった。

お昼が近づくにつれて雲が出てきたのでまあまあの青さだったがこのくらいで十分満足。
店に戻ると自分まであと2組だったので、ちょうどいいお散歩だった。

時間的にエゾバフンウニは売り切れだったけれど、取り立てのムラサキウニでも十分美味しいので特に問題なし。
丼に関しては100%ウニでも良かったんだけど飽きが来ると嫌だなと思い、表の看板にあった生うにマグロ丼(2,800円)を注文。
これはメニューには書かれていない裏メニューなので参考にしていただきたい。
生うにいくら丼3,300円に比べてめちゃくちゃ安いし、イクラはシーズンになると自宅で漬ける派なのでマグロのほうが嬉しい(マグロは家では釣れない)。

今日一番の絶景キタキタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
いや、これはいいっすわ。
ウニの甘みと香りが最高にいい。本物は嫌味がないね。
ご飯が酢飯じゃないのもウニの味を邪魔しないし、醤油もわさびも全然いらない。
口の中がウニでこってりしすぎたらマグロの爽やかな旨味で洗い流すという贅沢の極み。
いやー、観光地ドまん前の食堂だからって甘く見てたわ。
そりゃ漁師直営のウニ丼屋に比べたら多少は落ちるかもしれないけれど、普通4,000円くらいするウニ丼に比べてここのが3割落ちるかと言われたらそんなことはないと思われ。
自分は当分、ウニ丼の違いが分かる男にはなれそうもない。
少なくとも函館で食べるウニ丼よりは3割美味かったなあ。

ここから余市に向かってリスタートするわけなんだけど、これがなかなか大変だった。
というのもこの島武意海岸は海抜0地点にあるのだけど、ここから積丹町の中心部までかなりのアップダウンを越えていかなければならない。
以前自動車で来たときも大変だと思ったくらいなので、いわんやロードバイクをや、といったところだ。
ちなみに、最初行こうと思っていた田村岩太郎商店もまだ2、3人お客さんが並んでいたので、13時ころでもギリなにかしら食べられたかもしれない。
ここで体力の残りゲージがギリギリだったので、魔剤でチャージ。

このために朝からコーヒーを控えてきただけあって効果は抜群。
1ライドに1回だけ飲用するようにしていきたい。
さらに、ここで氷を1kg購入して水筒に補充。
100km走ってVAAMは残量ゼロ、真水が残り半分くらい。

VAAMはぬるくなっても飲みやすいので捗る。
氷が半分くらい余ったので、最近定番の、腹に仕込んで体温を冷やす作戦。
腹が大黒天みたいな感じにはなるけれど、乗車中は前傾姿勢なのでほぼ気にならないだろう。

ここからさらに大変だったのが古平町から余市町までの国道229号。
海岸線にあるため例のごとく長大なトンネルが続くのだけど、檜山地方あたりのそれとは違って交通量がめちゃくちゃ多い。
幸いにして歩道が広いので失礼してそっちを走ったんだけど、道路と違って清掃が入らないので砂やら排気ガスのススやらがたまっていてエラい感じだった。
積丹から余市に向かう側にしか歩道がないというのも、この地域にロードバイクが走っていない所以なのかもしれない。
(まともなロードバイク乗りはこの日行われた宗谷岬600kmブルベに参加していたのかもしれない)

ほこりまみれになりながらも余市の道の駅に到着。

なんで3/4サイズにしたのだろう。
もうちょっと頑張ってフルサイズにしても良かったのではないか。

そんなことを思いながら本日の山場である赤井川ヒルクライム
だったのだが、暑さと疲労に耐えかねて、道道753との分岐で足をついて小休止。
体温で溶けた氷が丁度いい温度の氷水になっており、それを一気に飲み干すとだいぶ元気が出てきた。
もしかしたら普通に脱水気味だったのかもしれない。

そのカラ元気のせいで頂上にある冷水トンネルを迂回して、さらなる山の頂上を目指すという馬鹿な行動をとってしまった。
しかし頂上から見下ろす「日本一美しい村」赤井川の様子は絶景だった。
だがしかし、帰るポイントは遠くにわずかに見える羊蹄山の麓なのであった。

遠い……。
とりあえずスポーツカニカマを食べて栄養補給。

うん、普通にカニカマ味。

1本238円はちょっと高いが、数少ないしょっぱい補給食としてはアリか。
冷やして食べるのがオススメとのことだけど、ぬるくても全然食べられる。
しかし賞味期限が8月までと、結構短いのは困りどころ。

赤井川の道の駅にてトイレ休憩をするとともに、帽子とネックゲイターを水で洗って多少のリフレッシュを図って再スタート。
しかし、ここからさらにヒルクライムとは……!
赤井川村カルデラなので、入るにも出るにもひとやま越えて行かなければならない
ここまでくるよりもさらにキツい上りが待っていて往生した。
死ぬ気で漕ぎ続けて、ついに限界が来て除雪車の展開場で一休みしたのだが、もうちょっとだけ進んでいれば樺立トンネルがあって下りだったので、ちょっと惜しいことをした。

130kmくらい走ってきてこの仕打ちは厳しかったけれど、かといって稲穂峠を抜けるのは悪路&交通量&結局ヒルクライムの三重苦なので、多少の迂回はやむを得ない。

というか今回は「快走できたら途中で温泉に入ってもいいかな」と、わざわざU字ロックを持ってきたのが主な敗因。
普段よりも約1kg重いせいで、坂の下に引きずり込まれるような錯覚を感じていた。
ロングライドのときは重装備になるので、普段からこのくらいの重みで走っていたほうがいいかもしれないけれど……。

そんなこんなで無事にゴール。
175kmに対して移動時間7時間55分、経過時間10時間22分だったので、今回は比較的休みすぎた傾向にある。
ウニ丼に1時間かかったのも大きいし、もうひと踏ん張りが効かず下りで休むべきところで足をついてしまったのが敗因か。
のどが渇いているのにおなかがタプタプで水が飲めない感じになっていたので、どこか途中でポカリスウェット一気飲みを挟むべきだったか。

とりあえず全身汗まみれだったので、くっちゃっん温泉ホテルようていの日帰り温泉へ。
https://hotel-youtei.co.jp/hotel-youtei.co.jp

ここはいつもエコーラインからの下りで横目に見ていただけだったんだけど、8月末で閉館になるとのことでちょうどいいタイミングだった。
日帰り入浴800円は値段が高すぎる気がするけれど、シャンプー完備なので自分のような旅人は手ぶらで来れて良い。
温泉の方は無色透明のごくごく普通のお湯で、五色温泉とか雪秩父とかと比べるとインパクトには欠ける。
老朽化もしているし、そろそろ潮時なのかもしれないね。

夕飯は地元民に人気だというラーメン店なかま。


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梅塩ラーメンという謎のメニューがあったので注文してみたところ、これが激ウマ。

やたらにいい匂いがすると思ったら油で炒めたニラがどっさり乗ったガテン系塩ラーメン。
透き通った見た目に反してパワーのあるスープに感心しつつ、謎の梅ボールをスープに溶いてみると一気に梅風味が広がって、こってり×酸味のマリアージュ
思わずスープをめちゃくちゃ飲んでしまった。
チャーシューは今流行のとは違って肉質がかっちり感じられるものだったけれど、味がしみしみで肉の旨味もあって、チャーシュー麺でガシガシ食べたい感じ。
いま思い出してもまた食べたくなる名店だった。
次回は岩のりラーメンを注文して見る予定。

というわけで今回のRelive。

Relive '積丹半島生うにライド'


いろいろ大変ではあったけど概ね最高のライド体験だった。
しかし問題は家から倶知安まで3時間かかること。
自転車で10時間走るより、車で往復6時間走るほうが疲れた気がする。
個人的には蘭越までの片道2時間半が日帰りライドの限界。
片道1時間半で行ける八雲くらいが、時間と距離と楽しさのベストバランスかもしれない。
イベントでもない限り、積丹半島を走るのは年に1回で十分だなあ、とは思った。
来年もまた、ウニを食べに来よう。