最近なぜか注目記事に、eTrexのことを書いた記事があがってきてにわかに注目が集まっていることを感じていた。
この春からブルベに参加しようという人が検索して見に来ているのかもしれないけれど、さすがに3年前の話なので情報が古すぎるだろうと思い新たに記事を書くことにした。
eTrexはまあ、昔は最強と呼ばれていたこともあったけど、さすがに自分が買った当時でさえかなり時代遅れのアイテムだったので、これから始める人が買うものではないなあ、と強く思っている。
特に、価格に関してはBlytonやiGPSportからお手軽なものもたくさん出ているし、いまや優位点はなにひとつないんじゃないかなあ。
ということで、3年使って思い知ったeTrexのここがダメ、なところをあげてみたい。
PCがないとルートを入れられない/GPXファイルを取り出せない
1位は何と言ってもこれ。
そもそも、eTrexは通常のGPXファイルをそのまま入れられず、ポイント数を削る加工をしなければ使えない。
ところが、家でちまちまファイルを加工してインポートを終えて、さて現地に着いてみるとエラーで開けない、数百キロ先から使えないという事態が結構な確率で頻発する。
その時はRide with GPSの音声ナビで事なきを得たけど、そもそもルートがきちんと表示できない可能性があるというのは、サイコンとして使うには信頼性に欠けると思う。
さらに完走データも家に帰ってPCにつながないと取り出せないので、Stravaにアップロードするのも遠征していると翌々日になってしまったりするのがイマイチだった。
登山用なので自転車につけるのが大変
2位はホルダーがへぼいこと。
純正のものは取り付けにくく外れにくく、さらに振動で不意に落ちるという特性を持っており、これで1台壊している。2台めは裏ブタを加工してGarminアダプタを取り付けたのでそういった不具合からは解放されたけど、そんな苦労をするくらいなら最初からロードバイク用のアダプタがあるものを買った方が100倍良いですよ、マジで。
電池は意外と持たない
充電できるからとエネループを使うと、だいたい12時間くらいしか電池が持たないため、300km以上のブルベだとかならず電池交換の手間が発生する。
調子よく走っていると「Battery row」が表示されるので、自転車を停めて、サドルバッグを開いて、eTrexを外し、衝撃防止のカバーを取って、裏ブタを開けて、とこれが死ぬほどめんどい。
毎回新品のリチウム乾電池を使い捨てしないとならないのはサステナブルじゃないし、値段も相当張る。
動作が重い
これはもう本当に重い。
起動まで1分くらいかかるうえに、地図の読み込みエラーが出て再起動したりすることもあるから、ブルベに使うなら少なくともブリーフィング前には起こしておかなければならない。
マップの移動や拡大縮小にも一苦労だし、サイクリングのような広域で使うアイテムではないなあ、とつくづく思った。
最新のガジェットに対応していない
これは優先度低めだと思うんだけど、対応しているサイコンを使うとありがたみがひしひしと伝わる。
特にDi2との連携はめちゃくちゃ便利で、今使っているギアが分かったり、サイコンの画面をSTIレバー上部のボタンで切り替えられる機能はほんと助かっている。
パワーメーターにも対応してないし、自転車を電化している人なら不満を感じる部分は多いんじゃないかな。
少なくとも今後もロードバイクに乗る予定なら、ある程度進化に対応できるサイコンを買ったほうがいいだろう。
そんな感じで、今年の春からブルベ始めちゃうぞ! という人には、eTrexはもはや全然勧められないアイテムだと思う。
これから買うのなら、Garmin Edge 540(55,000円)、Bryton 750SE(35,000円)、IGS630(25,000円)のどれかのうち予算の都合がつくものを買うのがいいんじゃないかなあ。
並行輸入盤だと3万円切るけど、地図を自分で入れたりする必要もあるし(差額は日本の地図代)、結構めんどい。
それこそ3年前くらいは「サイコンはガーミンじゃないとダメ」な風潮があったけど、いまはいいのが出てきているのでそこまででもないと思う。
特にBrytonはレーサーも使っているし、
brytonのrider S500かな。やっぱりレーサーは小型軽量モデルを使うのか。 https://t.co/3YJMj7vnuL
— pika 𝕏 cycling@🇫🇷U組完走 (@PikaCycling) 2024年2月14日
あの三船雅彦さんもPBPで使ってたし、
funride.jp
そして何を隠そうこの自分も、PBPはBryton 750SEを使用した。
eTrexはドロップバッグに入れてあったけど、結局使う機会は訪れなかったそうな。
750SEはPCで停まるたびにログをアップロードできるのも良かったし、電池も仮眠の際にモバイルバッテリーから充電できるので隙もない。
たぶん性能的には、もはやeTrexが勝てるところはないと思われる。
(ただ老眼が進むと画面の小ささが気になってくるので、がんばってS800にすれば良かったとも思わなくはない)
そんな感じで、ロードバイクなんて好き好きなので自由に装備を選べばいいと思うんだけど、自分の過去の記事を読んで「eTrexってそんなにいいんだ!」と思ってしまわないようアップデートしました。
本来の登山用としては必要十分な性能があるので、いまは携帯電話の電波が届かないような山奥に登山するときにナビとして活用しているのでご心配なく!