PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

【Road to PBP2023】完走への道のり(装備編)

前回まででPBP走行記は終了したので、今回からはパリブレストパリ1,200kmを走破するための準備について書いていこうと思う。
とはいえ、いつものブルベと違う新兵器を導入したというのは特になく、ほぼほぼいつもと変わらない装備ではあった。
それはつまり、そもそも今年のブルベはPBP完走を目標に据えていたからということの裏返しということなんだけど。
というわけで、PBP仕様の装備の紹介をしてみる。

ロードバイク ラレーCR-A

自転車はもちろんエントリークロモリロードのラレーCR-A。

やっぱロングを走るならクロモリはいいですよ。
飛行機輪行でフレームが割れたカーボンバイクを見ちゃうと、鉄の丈夫さが頼もしいし。

PBPはほとんど平坦だから重さも気にならないし、逆に車重を活かして下りでフル加速して、その勢いだけで次の坂を乗り越えられるのでめちゃくちゃ捗った。
自重が重いと終端速度が速くなるので、ペダルを漕がない状態で軽いバイクと一緒に下ると、こちらの方が断然スピードが速くなる。
重力を自在に操り高速の異名を持つ高貴なロードバイク、それがクロモリなのだ。

カーボンフォーク&カーボンハンドル

ウナギ600を走って手のしびれが大変なことになったので、振動を吸収するためフロントの各種パーツをカーボン化した。
フォークはラレーCR-Fの純正品。

購入してすぐメッキクロモリフォークに換装した人がメルカリに出品していて、格安で手に入れることができた。

ハンドルはPrimavera エアロカーボンハンドルバー。
https://www.wiggle.com/jp/p/prime-primavera-%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%83%9C%E3%83%B3%E3%83%8F%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%BC
バーテープはスパカズで、その下にはエルゴンのオルトセルパッドを巻いている。

フランスの道は北海道と同じくらい荒れているので、振動対策は結構重要。
完走後の感想を見ても手のしびれに悩まされていたり病院通いしている人も多かったので、やりすぎるということは無いと思う。

ジェル入りグローブ

振動吸収のためにいつも使っているのが、ランドヌール御用達のStinger Intro6。

そしてドロップバッグ用に用意していたのが両方右手用だったため(頭が悪い)急遽導入したカステリのジェル入りグローブ。これはほんと良かった。
サソリのマークも好きだし、Introよりも脱ぎ履きがしやすくて好印象。

タイヤ

振動吸収のためにはジェル入りグローブやふかふかなバーテープなども大事だけど、なるべく振動の発生源に近い方で吸収させた方が効果が大きいそうだ。
そーゆー意味ではタイヤを太くすれば一番いいんだけど、ドロヨケとの兼ね合いがあったのでいつも使っている安心安定のGP5000、25Cを使用。

最初は替えのタイヤもドロップバッグに詰めていこうかとも思ったんだけど、タイヤはPCの売店で買えるからいつも通りタイヤブートだけ準備していた。

チューブは前輪がTPUチューブで、後輪がブチルチューブ。
TPUチューブは軽くてダイレクトな乗り心地が好きなんだけど、後輪は今年4回もパンクしたので諦めることにした(前輪はパンク無し)。
荷重は後輪側の方が重いし、駆動輪だし、前の方は見ているから段差を避けられるけど後ろはよけ切れていないのがパンクの原因かもしれない。
とりあえず今回のPBP中には一度もパンクに見舞われなかったので良かった。
ちなみにエアーは折り返しのブレストで1回だけ入れなおしたかな。
ポンプはメカニックで無料で借りられるので、もしパンクをしたとしてもPC間だけ凌げればいいため、Co2ボンベだけ持って行けば事足りるだろう。

Di2

PBP完走のための3つのD、その筆頭がDi2。

スイッチ一つでポチポチと変速できるから指への負担も少ないし、それになにより「変速がめんどくさい」と思わなくなるのが一番の効果。
PBPはアップダウンがひたすらに多いから操作回数もすごく増える。
アウタートップからインナーローまでアウター12+インナー4速の往復を無限に繰り返すことになるので、機械式だったら腱鞘炎になってたと思う。
特に長押しで連続切り替えができるのも便利すぎた。

バッテリーはシートポストに刺さっているだけだから外して手荷物にするだけでいいし、満充電で1,000km走れるので、だいたい400kmくらいのところで一度充電してしまえば最後まで使える。あと、意外なメリットとして、リアディレイラーを丸ごと取り外せるというのも良かったな。ワイヤーがないから電源ケーブルを外すだけでフレームから外して別に梱包できちゃうし、組み立て後の調整も不要なのでむしろ輪行に向いているともいえる。
これはほんと、Di2にあらずんば人にあらずレベルの革命だった。

DHバー

PBP完走のための3つのD、その2つめはがDHバー。

https://www.wiggle.com/jp/p/token-tk9741-2-%E3%82%A8%E3%82%A2%E3%83%AD%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%83%E3%83%97%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC-%E3%83%91%E3%83%83%E3%83%89
今回から解禁されたと聞いて北海道のブルベでも使い始めたんだけど、これがめちゃくちゃ便利。
オールロードバイクレボリューションによると、空気抵抗はトレインを組むとだいたい40%くらい、DHバーで身を低くすると30%くらい軽減されるらしい。

PBPでは90%くらいひとりで走っていたし、そもそも足に合うトレインを探すのも難しいし、他人に期待するくらいならソロの方が気楽でいいやと思う自分だ。
肘で体重を支えられるから手のひらへの負担も減るし、ルール的に許されているのに使わない理由がないアイテムだった。

特にPBPのコースは北海道よりも車通りの少ない超安全な農道しか走らないから、DHバーを本当の意味でダウンヒルで使えたのが大きい。
3%くらいの勾配を無限にアップダウンするからこそ真価を発揮できていた。

ライト

フロントライトはジェントスの18650ライトを2灯。

夜中はだいたいMidモードで2本点灯させていて、よっぽど暗い時だけ1本をHiモードにする感じ。
フランスの日没は21時、日の出は7時で夜が10時間なのにたいし、180ルーメンなら24時間なので2晩分、替えの電池も2本あるので夜を4回越えられる計算だ。
400ルーメンのHiでも12時間もつので、なんなら1本はモババで充電させておいても戦える。
結局交換したのは1本を1回のみ、ときどきHiモードに切り替えたほうだけだった。
www.gentos.jp
1本9,000円と、キャットアイのVolt800neoの半額で倍の時間使えるので手放せない。

テールライトはいつものTIGHTとOMNI5の2灯。

(この組み合わせの人は日本人以外でも結構いた)
テールライトはテキトーに使っていて、真夜中だから2灯光らせるか、とか、昼間は点滅させたりさせなかったりだとか、詳しいことはあんまりよく覚えていない。
たしかブレストで電池を両方とも入れ替えたはず。
このほかにヘッドライトを1本予備に持っていて、これは前も後ろも両方光るので何かが壊れたら予備だと言って切り抜けるつもりだった。

バッグ類

小物入れはトップとフレームの2箇所。

トップチューブには塩熱飴をメインに補給食を入れていた。
あんまり大きいものは入らないけど、そもそも補給食をあまり食べないので(すぐに食べ飽きたので)、アミノバイタルの顆粒やアミノサウルス(ジェル)しか入らないからこれで十分だったりする。
あとはチェーンロックを入れていたかな。

フレームバッグは電化製品入れで、Insta360とAftershokz、それとモバイルバッテリーのほかは、いつも使っている携帯用のトルクレンチを入れていた。
アピデュラのフレームバッグは左側が薄い小物入れになっていて、そこにパスポートを入れておけたのが良かった。
(普段はブルベカード入れにしているんだけど、PBPのは大きすぎて入らなかった)

サドルバッグはトピークのバックローダー6リットル。

奥の方に予備チューブと替えの電池を詰めて、付属の防水バックに雨具や防寒着を入れて押し込み、最後にブルベカードなどが入ったPBPナップザックを詰め込んでいた。
上部にゴムひもがあるので、昼間には反射ベストやレインウェアを脱いで畳んで縛っておけるのも便利。
ドロップバッグもあるのでこのくらい容量があれば間に合った。

サドルバッグ横揺れ防止フレーム

最近導入しているのがこれ。

きのこの山300で誰かが着けているのを見て真似してみたんだけど、サドルバッグの揺れを防止するだけじゃなく、後ろにボトルを追加できるのが便利そうだったので使っている。
PBPではPC間距離が100kmあったり、あまつさえ夜中では開いている店もないのでボトルが2本無いと大変なのだ(2本あっても補給を忘れて大変だったんだけど)。
後ろにあっても右手側は見ないでボトルを抜き差しできるので結構便利。
一本を真水、一本をスポドリにできるので夏場以外でも使っていける。

左右にドリンクホルダーを追加できるので、PBPでは左手側には防寒着を詰めた防水袋を取り付ける予定だったんだけど、袋ごと家に忘れてくるという大失敗があった。
でもまあ、そんなに寒くなかったし、2kgくらい重くなってしまうからやらなくて正解だったかもしれない。

ペダルとシューズ

ペダルは最軽量クラスの片面SPD。

北海道でもフランスでも自転車を降りる回数が極端に少ないからいいんだけど、それでもやっぱりキャッチミスがあると気になるので、いずれはクランクブラザーズに変えようと思っている。
(クリートだけ変えればシマノのSPDシューズで使えたはず)

シューズはSHIMANOのMX1。
bike.shimano.com
軽くて通気性もいいのでこれ一択。
そういや、夜は結構寒かったけど、足が寒いとは思わなかったなあ。
ちなみにシューズに不具合があった時に備えて、普通の靴もCHROMEのSPDスニーカーにしておいた。

でも空港の保安検査場で毎回引っかかるし、「これは、金属探知機に引っかかる靴なの!」と言っても脱がなくていいと言われるし(そして引っかかる)、めんどくさいのでやめといたほうがいいと思うw

にしても、PBPではPC内をめちゃくちゃ歩くことになるし、あえてSPD-SLを選ぶ意味は全くないんじゃないかな。
あーゆーのはスタートしてゴールするまで一度も自転車を下りない人向けの製品だと思うので、40時間台でゴールしたいと思う人以外はSPDで十分だと思った。

サイコン

今年からeTrexに替えてRider750SEを導入。

バッテリーは40時間持つから国内ブルベでは十分だし、PBPでも適当に充電してあげればいいだけなので全然問題なかった。
eTrexはパソコンが無いとデータに触れないので、出先で何かトラブルがあっても対応できないし、ログがいっぱいになっても取り出しようがないのが致命的。
それになによりGPXファイルを家に帰るまでエクスポートできないというのも大問題だ。

Rider750SEはいまどきのサイコンなだけあってスマホとの連携もばっちりで、コースをインポートしたりログをエクスポートしたり自由自在だったので大変に便利。
ログが途中で消えたら嫌なので、公式サイトに掲載されているPCごとに分割されたデータをそのまま使って、到着ごとにナビを終えてログを保存することにした。
都度StravaにアップロードされるからPBP一本のデータにはならないけど特に不便は無いし、その方法でもあとから合体させることもできるので、どちらでもいいんでないかな。

ウェア類

ジャージはAJジャージ(長袖)と、カステリの裏起毛、袖を外せる3シーズン対応のものの3枚。
特に前日受付と初日はAJジャージを着ていた方が、日本人だと分かりやすいのでオススメ。

ショーツはおなじくAJビブショーツと、カステリの防風タイツ&ショーツの3枚のほかに、夜用にレッグウォーマーを持って行った。
神奈川の追い風400も夜は相当冷えたけど、下半身は意外と寒さを感じないので今回もこの装備で十分だった。
ビブだと肩紐があってトイレで大変、という話もあったけど、さすがに気にしすぎな気がするw

インナーはミレーの網シャツ袖なしのほか、モンベルのジオラインを中厚手と薄手の2枚、そのほかにネックウォーマーと腹巻も。
この上からレインウェアと反射ベストを着こんでも夜明け前は死ぬほど寒くてPCで日の出を待つ羽目になったので、ユニクロのウルトラダウンでも持って行けばよかったと思った。

夜でも半そでで走っている外人さんも多かったし、寒さへの耐性は人それぞれなので、ここは自分に合ったものをチョイスするしかない。
自分は筋肉が無くて寒さに弱いので、今後は温感クリームを試してみようと思っている。

総括

そんな感じで、対PBP用決戦兵器というよりは、いつもブルベで使っている装備のご紹介になった。
基本的に200kmでも600kmでもほとんど同じ装備で走るようにしているので、それが1,200kmに伸びただけ、という感じ。
さらに今回はドロップバッグが2回も使えるので、むしろ普段より軽量だった説まであるw
(いつもは着替えも持ち運ぶので)
ハード面は考え方は人それぞれなので自分好みにすればいいと思うけど、振動対策をしっかりやっておくのと、Di2とDHバーは必須級にオススメ。

ただし、一番大事なのはウェアだと思う。
気温ヒトケタの時にどれだけ着込んでいれば走れるかを試しておかないと痛い目にあうだろう。

次回はPBP振り返り編の第二弾として、出走までの準備について振り返っていこうと思います。