初参加のパリブレストパリ1,200kmを無事に完走し、ゴール地点をあとにしてランブイエ駅に戻ると予想通りにサイクリストで大混雑していた。
ホームまで入れないぐらいに並んでいたけれど、疲れてるから次に乗れなくても1時間待つわい、の気持ちで切符を購入。
そしたらすぐ近くに、ものすごく目立つピンク色のロードバイクを押している女性を発見。
これはもしや、サメハルさんでは?
ということは、その隣にいる男性はバルさんか!?
夫婦揃ってPBP2023を完走しました!88:18:29でした。
— ばる (@barubaru24) 2023年8月24日
応援頂いた皆様、ありがとうございました。四年越しのリベンジ達成です。 pic.twitter.com/OgrfFEJWr2
という流れで「もしかして、バルさんでしょうか?」と確認し、無事本人だと分かったのでPBPの資料が大変役に立ったことと、そのおかげで完走できたことのお礼を伝えることができて良かった。
奥さんがいなければスルーしていたぜ……。
バルさん作成の資料はどれも重要なんだけど、特にエクセルのPBP計画シートは手放せないくらい便利だったのでオススメです。
cannonball24.com
切符を買ったりしているうちになんだかんだで駅構内に入ることができて、隣を歩いていた日本人の参加者と話をしていたら、なんと自分と同じラレーCR-Aの色違いモデルに乗っているという偶然が!!!
6,500人参加者がいてラレーCR-Aに乗ってるのなんて(たぶん日本専売モデルだし)絶対この2人だけでしょ。
それがほとんど同じタイミングでゴールして、そして駅で一緒になるなんてなんという確率!!!
それは18年前、マラソン大会では万年ドベだった自分が、本当に何となく入部したサイクリング部が“自転車”との出逢いでした。
— GUTTI@PBP2023認定完走 (@on_gutti) 2023年8月24日
そこでの楽しかった仲間たちとの旅の日々がいつまでも忘れられず、気が付けばこんな遠くまで来ていました。
ここが私の夏の旅の到達点。
87時間40分、PBP2023認定完走です。 pic.twitter.com/yyaV97cYaU
しかもその方はTwitterをやっているGuttiさんで、PBP参加者だからアイコンにはお馴染みだったけど、まさかラレーで参加しているとは思いもよらなかった。
そのあとは駅のホームの自販機でジュースが買えずに悶絶したり、電車内で寝落ちしそうになりながら二人で起こしあってラ・ヴェリエール駅で降りるという楽しい時間を過ごすことになった。
ホテルに戻ってドロップバッグを回収し、まずはがっつり風呂に入って88時間分の汚れを落とした。
メルキュールは風呂場にちゃんと浴槽があるのも素敵だ。
それから休む間もなく自転車の分解&梱包タイム。
明日は12時にチェックアウトするので、いまのうちに作業を進めておかないと帰れなくなってしまう。
だけどフレームをバラシて詰めたあたりで気力が尽きたのと腹が減ってきたので、北海道から来ているKuさんに「もし部屋にいるなら夕飯食べましょう」と連絡した。
ところが、部屋に行ってみると同室のはずのKiさんがいない。
聞けばすでにタイムオーバーだけど、時間外完走を目指していまも走り続けていて、ゴール予定は23時ころになるという。
マジか!
72歳にして、どれだけの気力の持ち主なんだろう。
自分だったらDNFしてるかな、いや、日没までに戻ってこれそうだったら頑張るかな。
Kuさんはぎっくり腰もあるし調子が出なかったらしく、ルデアックでDNFし、そのあとは他の参加者と一緒にブレストを楽しく観光して帰ってきたんだそうだ。
PBPのイラストに描かれているブレストの灯台を見たり、フランス観光をエンジョイしていてそれはそれで楽しそうだった。
外に出るのも面倒なので、Uber Eatsで日本食を注文。
しばらくするとホテルの入り口に黒塗りタクシーがやってきて注文した品を届けてくれた(Uberと兼業しているらしい)
焼きそばは完全にタイ風味、米もタイ米っぽい謎和食だけど、アサヒビールが飲めるのはポイント高いw
サーモンとアボカドの巻き寿司は結構ちゃんと美味しかった。
部屋に戻って寝ているといしさんも帰ってきたので、このためにハイパーマーケットで買ってきたビールを開けて2人の完走を称えあった。
久しぶりにちゃんとしたベッドで熟睡して、それでもやっぱり7時には目覚めて速やかに朝食会場へ。
そうそう、こーゆーのが文明人の食べる朝ご飯ですよ。
部屋に戻って残りのパッキング作業を終えて、ベッドでゴロゴロしている間に12時になったのでバスに乗り込む。
ありがとうメルキュール、またフランス領に旅行することがあったら筆頭候補にするよ。
バスでも寝ている間にいつの間にかパリ市街に入り、セーヌ川越しにエッフェル塔を眺めたり、
コンコルド(実物)を見ているうちに到着。
14時ころに到着するも、受付が開くまで2時間以上もあるというので往生した。
とりあえず、荷物を置いてフロアを下ってスタバをキメた。
スタバのアプリは日本以外で使えない模様。
小腹が空いてきたのでPAULというブーランジェリーで〆フランス飯としゃれこむことにした。
PBPの道中で食べたどこのパン屋よりも美味い気がする。
というかこのポール、羽田空港にもあって毎回東京に行くたびにカヌレを買ったりサンドイッチを食べてる店だった。
本店がパリにあるとは、道理でうまいわけだ。
ちなみに地元函館には、札幌パリ函館湯川店というどこにあるんだか分からない名前のパン屋があるんだけど、ここはあんまり美味しくないw
さて、16時になってANAのカウンターが開いたんだけど、当然めちゃくちゃ自転車が多いので大混雑の大混乱だった。
再び「飛行機に全部乗せきれないのでは問題」が勃発したりしていてなかなかカオスw
保安検査場をくぐったあとは、お待ちかねの免税店タイム。
職場や親戚に配るようのバラマキ土産はすでにハイパーマーケットでゲットしているので、自宅用に紅茶を購入。
そのほかにいいものかないか物色していたら、同室だったいしさんを見かけたのでチーズやサラミのおすすめ情報を聞いてどんどん買った。
フランスに入るときに300ユーロ両替して、期間中には10ユーロ7枚くらいしか使わなかった(あとはカード払い)ため、残りの現金は全部お土産へと変換されることになった。
なんだかんだであっという間に登場予定時刻が近づいて、搭乗ゲート付近で座って待っていたらいしさんが、
「ちょっとトイレに行きたいから荷物見ていてください」
と言って、おみやげがたんまり詰まった大袋を置いてダッシュでトイレへと向かった。
序盤からおなかを壊してずっとトイレに行きっぱなしだったというので大変だ。
(自分は生水のせいなんじゃないかとにらんでいる)
まあまだ時間があるし、と思っていたらなかなか帰ってこない。
そのうちに搭乗手続きが開始され、優先搭乗が終わり、エコノミーの登場が始まったのでこれはヤバいと思い、いしさんの荷物を手に持って並んでいたら、ぎりぎりセーフで戻ってきてほっと一安心。
ゲートをくぐってふと、なんだか自分が身軽なことに気が付いた。
いしさんの荷物を持ってたから、自分のトランクを忘れてきた!!!
すぐ近くにあったからANAの職員に伝えて取ってきてもらえたけど、マジで間一髪だった(汗
帰りの便の座席は、非常口前の3列中央にした。
非常口前は墜落時にお手伝いをしなければならない代わりに、目の前に座席が無いので足を延ばしてゆったりと座れるメリットがある。
海外の航空会社などでは英語が喋れない人は断られたりするらしいけど、ANAなのでそれも安心。
トイレに行きやすいし、座っているのに疲れたらさっと立ち上がって体をほぐしたりできるのでとても良かった。
機内食はビーフカレーから。
ぐわー、本物の日本の米じゃ(歓喜
行きの便では使うか迷ったWi-Fiだったけど、帰りはほぼ寝ているだろうから迷わず使わないことにして、引き続きAudibleで読書タイム。
PBPの最中もだいたいずっとAudibleでプロジェクト・ヘイル・メアリーを聴いていた。
火星の人の作者なんだけど、今回は相方がいる分だいぶ面白くなっている。
走行中に聞いているから当然ものすごく聞き逃しがあるんだけど、それでも面白かったので結果オーライだ。
主にOpenFitを使い、充電が切れたらケースに入れて、その間はOpenmoveを使って、交替しながら使っていた。
あとはサイコンのRider750SEとDi2、Insta360 X3を1回ずつ充電したかな。
20,000mAhのモバイルバッテリーを3本持って行って、それで十分足りたので良かった。
機内食の朝ご飯はシーフードドリア。
フルーツサラダを食べるたびにPBPのことを思い出しそうだ。
(道中で5回くらい食べたと思う)
そんな感じで飛行機はようやく羽田に到着。
さてここからがちょいとしたタイムトライアル。
なぜかというと、函館行きの便が出るまで1時間半しかないのだ。
単純に第1ターミナルまで行くだけなら理論上間に合うんだけど、今回はロードバイクを受け取るというミッションがあるのからヤバい。
自転車は3、4台ずつエレベータで運ばれてくる。
そのたびに「また外れか」と肩を落とし、さながらロードバイクガチャをやっているような気分になった。
ようやく自分のが出てきたら、秒速でキャスターを取り付けて、ダッシュで京急を目指す。
ANAの職員から「バスより早いから」と京急のただ乗りチケットをもらっていたのだ。
ロードバイクとトランクと、おみやげが満載のドロップバッグを担いで構内を駆ける!
ホームからは空港のキャリアも使えないので、マジでキャリアを買っておいてよかった。
第1ターミナルにたどり着いてまず最難関はロードバイクの預け入れ。
大型手荷物のカウンターはいちばん端っこにあるので走るしかない。
ギリギリで間に合って手続きを始めるも、今度は検査員がなかなか来ないうえに、輪行解除するかってぐらいに厳しい中身チェックがあるので往生した(羽田空港あるある)。
それでもなんとか搭乗手続きが始まる前にたどり着くことができて、どっと疲れた。
PBP中だってこんなに焦らなかったぜ。
帰宅後のあれやこれや
無事に帰って荷物を開梱していたら、預け入れていたドロップバッグの方はかなりラフに扱われていたらしく、ハイパーマーケットで買ったゲラントの塩がひと瓶、中で割れて荷物を塩まみれにしていた。
このくらいの被害で済んで良かったけれど、ロードバイクを布輪行袋で運んでいて同じような目にあったら、と思うとぞっとした。
完走後しばらくしたら、道中に撮った写真が出来上がってるから注文しなよ、というメールが。
1枚13.9ユーロ(フィニッシュ時間つき)という超強気なお値段だったけど迷わず注文。
セブンイレブンで印刷して、ブルベカードやメダルと一緒に飾ってみた。
100円ショップの額とスタンドで、ちょうどいい感じにディスプレイできた。
ジャージと一緒に飾っている人もいてなるほどと思ったけど、PBPジャージは普段使いしていきたいw
そんな感じではじめてのPBPは無事に完走して、何事もなく帰宅することができた。
自転車も壊れることなく(多少傷は増えたけど)戻ってきたので良かった。
とはいえ、まだ肋骨がちょっと痛いのでしばらくはロードバイクはお休み中。
次回からはPBPのまとめをお送りする予定で、役に立った装備編、事前の準備編、PBP豆知識編の3部作になろうかと思います。
それでは更新をお楽しみに~