踏む力を確実にスプロケットに伝えるMKSの金属製折りたたみペダルFD-7を装着し、
見違えるような速さを手にしたマイ・ダホン・ルート。
これはいよいよ、念願だった駒ケ岳一周ランに出発するときがきた。
全長約70km、獲得標高1,000mの、サイクリング初心者にとっては登竜門と言える難易度だ。
自転車で長距離を走ることを考えると、平均速度が速いか遅いかというのは結構重要なファクターとなる。
この距離を、平均15km/hで走ると4時間半かかるが、平均20km/hだと3時間半で済む。
自転車に乗っている時間が1時間少なければ、それだけ身体(特に尻)への負担が少なくなる。
そういうところが、ミニベロは長距離に向かないと言われる所以だろう。
しかし生まれ変わったダホンルートは街中でも平均22km/hを叩き出すモンスターマシンだ。
70kmの距離などものともしない活躍への期待を胸に、DAHON routeを車に積み込んだ。
大沼公園観光駐車場にデポ
折りたたみ自転車のメリットは、好きなところまで自動車で持っていけるところだ。
走りにくい市内を往復しなくていいというのは捗る。
朝はまだしも、帰りに疲れ切った状態でカオスな市内を走りたくないもんね。
ただ、車で行くということは車をどこかに停めておかなければならないという問題もつきまとってくる。
ぱっと思いつくのは道の駅だけど、基本的に休憩施設なので、無人の状態で置いておかれるのは非推奨なのだそうだ。
(公園や海水浴場を併設しているところは別だろうけど)
というわけで今回は、駐車料金400円を払ってでも大沼国定公園駐車場に停めようと思って行ってみたら、運良く無料開放中だった。
自然公園財団駐車場(大沼公園駅側)の無料開放のお知らせ | 【公式】大沼国定公園の観光情報サイト「大沼ップ」
コロナもたまにはいいことするね。
時計回りに出発
今回は駒ケ岳を左回りで進むことにした。
その方が帰りに海岸線を通る時に、海沿いを走れて気持ちがいいからね。
駐車場を出発してしばらくしてから、道道338号線大沼公園線から道道43号線大沼公園鹿部線への分岐に入る。
ここから簡易舗装になのだけど、DAHON routeの太いタイヤでは全然平気なレベルだった。
意外とオールラウンドに使えて良い自転車である。
そして未舗装路を抜けるとすぐに真新しい舗装道路に変わり、両サイドには緑の草原、そしてはるか遠くに駒ケ岳の雄大な姿が現れてかなりテンションが上った。
それにしても、自転車に乗っていると「時速20km」という言葉の意味合いがだいぶ変わる。
単なる速度ではなく、このペースで漕ぎ続ければ1時間に20km進むことができるという尺度。
さらにもう一時間漕げば40kmだ。
そう思うとペダルを踏む足にも力が入る。
あっという間に森町を通過して砂原町に到着した。
このコースだと20km地点と40km地点に道の駅があるのでたいへん捗る。
砂原の道の駅でトイレを利用して羊羹を食べての小休憩。
ここからずっと内浦湾沿いを南下するんだけど、意外なくらいに坂道が続いて多少へばった。
海沿いだから平坦とは限らないのか……。
バイパスは地形に関係なくまっすぐな道にしているので自転車には厳しい。
途中から海沿いの漁村を走ったおかげでだいぶ落ち着いた。
続いての休憩場所は鹿部の道の駅。
ここには浜の母さん食堂があって、たらこ御膳や甘海老丼など地場産の海の幸を使った料理が食べられるので期待していたんだけど。
オープンは11時からだったので今回はおあずけとなってしまった。
暑さを避けて早く出ると、美味いものには出会いにくいのが難点だ。
間欠泉を見たり足湯に浸かったりして時間を潰しても良かったんだけど、この日は天気が良すぎて昼にかけてさらに暑くなりそうだったので断念。
代わりに道の駅の中で惣菜を売っている「こいたのおかず屋」の方で適当に見繕ってみることにした。
特産のタラコが入ったおにぎりと、カキフライとホタテフライ。
おにぎりはコンビニのそれと違って米が美味い。
好物のカキフライが100円で、ホタテのフライがそれより高い200円。
なぜ牡蠣より高い? と思ったら巨大なホタテがまるまる1個使われていてびっくりした。
期待しなかった割に満足度が高く、かなりモチベーションが上がった。
最大の誤算
しかし気分がいいのもここまで。
ここまで40kmは順調だったんだけど、ここから先が山場だった。
というのも大沼公園は山の中にあるので、残りはずーっと登山になるのだった。
前半戦が楽勝だったのはこのせいだったか……!
まさに文字通りの山場……!
短い上りなら立ちこぎして勢いで越えてしまうのだけど、数kmにわたって山道は続いているし、さらには太陽は真上にあってジリジリと照りつける。
こんなことなら回る方向を逆にしておくんだった。まあ、逆でも最後に登るのはおんなじか。
自分が無理せず休んでいるところを、ロードレーサーたちは軽々と追い越していく。
タイヤの大きさの違いだけでそこまで差が出るのか。
ロードバイクもいいな……。
休み休み水分補給しつつどうにか走りきり、昼食は山川牧場モータウンファクトリーのローストビーフサンドをテイクアウト。
これを大沼の湖畔で涼みながら食べようかな、と思ったら小虫がたかっていて無理だった。
現実は甘くないね。
仕方がないから車内でイートイン。
運動の後はやっぱ肉と炭水化物だね〜。