PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

【Road to PBP2023】PC8からPC11 VILLAINES-LA-JUHELまで(1,017km)

復路のルデアックには結局、クローズ時間の4時10分を過ぎて4時半くらいまで滞在していたんだけど、この時間でもレストランには人が多かったので朝食を断念。
最終組のクローズになったら前の組の人なんてほとんどいないだろうと思っていたんだけど、完全に誤算だった。

よくよく考えてみれば、制限時間がゆるくなってるからPCクローズ時間を気にしないで90時間以内でのゴールを目指す人もいるわけだし、そもそも時間外完走する人も全体の5%くらいいるし、DNFを決め込んで朝までルデアックで過ごそうと考える人もいるだろうという計算が抜けていたのだった。
最終組の罠だ。
往路ではルデアックのひとつ前で休むことに固執してしまったけれど、そうするべきはむしろ復路だったなあ。

レストランが混んで水を買えなかったせいで、ルデアックを過ぎてしばらくしてからボトルが空になってしまった。
まだ夜明け前だし気温が低いからなんとかなるだろうとチビチビ水を飲みながら、渇きを塩熱飴で癒しながら漕ぎ続ける。
乾きに我慢できなくなり、人のバイクからボトルを奪って飲んでやろうか、それともあの牛に混ざって水を飲んでやろうか。

などと考え始めたところでようやくTABACを発見!!!

クロワッサンを一口で食べきってコーラで流し込み、二本のボトルに水も補給してようやく人として大丈夫なくらいに気持ちが回復した。
足下を掘れ、そこに泉あり、とはよく言ったものだ。

続いて私設エイドがあったのでチョコパンと温かいスープで癒される。

もうこのぐらいの限界態勢になると、飲み残しのカップがどれだけ放置されていようとも、ハエがぶんぶん飛んでいようとも、缶ジュースを冷やしているタライの水がどれほど汚かろうとも全然気にならなくなる。

パンにむさぼりついていると二人の日本人が隣に並んで、
「うわっ、汚い」
とかなんとか言っているので、
「補給させてもらえるだけありがたいですよ」
と余計なことを言ったら
「まあ、カンボジアの時よりましかな」
みたいな謎のマウントを取って来たのは面白かったw

WP5 Quédillac(8/23 08:17 842km)

ケデヤックは往路でいい思い出が無いので、秒でスルー。

速やかにタンテニアックを目指した。

出発した頃から日が出てきて徐々に走りやすくなってきた。

夜明けからお昼までが一番走りやすい時間で、もうひとつは日没から丑三つ時まで。
夜明け前の時間帯は寒すぎるので眠くなっても野外で寝にくいため、その時間はなるべくPC内でやり過ごす必要があった。
逆に昼から日没の時間帯は、暑さでバテるけれども寝落ちするようなことは無いので、疲労を覚悟で走らざるを得ない。
PBPの1日の流れは大体そんな感じだった。

PC9 TINTENIAC(8/23 09:23 867km)


涼しくて走りやすい時間帯だったおかげでタンテニアックに着くころにはだいぶおなかが空いており、途中で飲んだスープのおかげもあって胃の動きも活発になっていたのでガッツリ系で攻めてみた。

タルタルステーキにご飯、ジャガイモに、バナナが売り切れだったのでオレンジと、いつもの野菜スープ。
もちろんコーラは欠かせない。

タルタルステーキは中が赤いのが気になったけど、目をつぶってえいやっと食べた(大丈夫だった)。
本物のフランス料理のタルタルステーキは全部生だし、これはいわば”焼き”タルタルステーキなのでまあ安心、かもしれない(日本だったら絶対食べないが)。

ここまで平均18.55km/hで来ることができたおかげで、ルデアックを出たときには30分の借金があったものを、タンテニアックを出る時までに30分の貯金にまで取り戻すことができて調子が良かった。
一見ぎりぎりだけど、復路の制限時間は12km/hで計算されているから、前に進みさえすれば完走が約束されている。

リスタートしてからしばらくして、ショッピングモール的なところを見つけたので、そこのパン屋で補給を試みた。

いろとりどりのケーキが並んでいて美味しそう、なんだけど、選んだのはフルーツサラダ。

フルーツの缶詰でも食っておけよ感はある。

たしかここでちょうど900kmくらいだったので残りはたったの300km。
しかも残り時間まであと27時間もあったのでだいぶ余裕な感じだった。
普段なら300kmなんて15時間あれば走っちゃうし、90時間どころか80時間でも楽勝だったんじゃないの? ぐらいの気分である。

しかし気温がどんどん上がるので、木陰に入ってサンドイッチを食べながら一休みしたり、

フジェールの街に入ると城やら城塞都市が見事すぎて見とれているうちにどんどん時間は過ぎていくのだった。


というか、普通に考えて900km走ってきた体が「普段と同じ」わけがない。
結果的に残り300kmを25時間かけて走ることになるのだから、人生とは分からないものだ。

PC10 FOUGERES(9/23 14:24 928km)

フジェールのレストランは往路で美味しかったイメージがあるので期待していたんだけど、ここも最終組の呪いが続いていて激混み。
こーゆーときは秒速で諦めて、すぐ近くにあるバーキンに向かった。

BBQバーガーなる謎のものを食べたけど、肉は焼きすぎ感があってイマイチ。
やっぱ普通のワッパーがいいね。

もぐもぐと食べながらTwitterを見ていたら、デジタルクリエイターのる〜さんが応援イラストをあげてくださっている!!!

twitter.com
超絶うれしい~。
iPhoneの壁紙サイズにリサイズしてもらったので、これを見ながらテンション上げていくことにした。

ついでにリプライを見ていたらだいぶゲンナリする内容のものもあったので(今更そんなん言われてもしゃーないやろ、的な)、やはりブルベ中のTwitterは基本的に一方通行、投稿だけしておくに限る(が、応援イラストは本当に嬉しかったので難しい)と心に決めた。
鍛えろ、スルー力。

バーキンを出てリスタートするも、この午後3時くらいの時間帯がとにかく暑くてペースが上がらない。
3日目はカステリの袖を外せるジャージを着てきたので、完全冬装備な昨日よりもだいぶ過ごしやすかった。
だけど袖がないということは日に焼けるということでもあり、そこの塩梅は難しい。

過ごしやすいとはいえすぐにバテてしまうので、私設エイドを見るや否や足を止めることになる。

ここでは水にかき氷のシロップを混ぜたようなものを「ジュース」といって提供してくれたんだけど、いやー、これがマジでありがたかった。
当然常温だし、味も薄いし、日本だったら絶対飲まないよ。
でも1,000km近く走って限界まで疲れた体にはマジでありがたい。
水に味がついている! それだけで嬉しい。
こーゆーのでいいんだよ!!!

逆に、スポドリにしちゃった水は、味に飽きてしまって全然飲み切れなかった。
塩熱飴が良かったのは味が豊富だし食べてみるまで何味かわからないというギャンブル性があるうえ、舐めながら水を飲むとジュースっぽく感じるところだったかもしれない。

飽きる問題は飲み物だけじゃなく補給食もそうで、大量に持って行ったにもかかわらず後半戦はほとんど手を付けられなかった。
パッケージをあける前から味が想像できてしまうと結構辛い。
最大でも2個ずつくらいにして、バリエーションを豊富に持って行けばよかったなあ。
トカプチ400でもらったグラノーラは美味しかったし、ナッツバー系が必要だったかも。
あと、昼間は塩分が足らなくなるので煎餅とかオカキが食べたくなった。
米菓子は㌍高そうだし、意外といいかもしれない。
ベビースターラーメンとかもいいかもね。

みたいなことを考えているうちにPC11 ヴィレンヌ・ラ・ジュエルに到着。

PC11 VILLAINES-LA-JUHEL(8/23 20:38 1,017km)

なんかものすごく盛り上がっていて、本当にここがゴールみたいな雰囲気で感動した。
(むしろゴール地点より盛り上がってた説ある)
www.youtube.com
ついに1,000km越えを達成して大台に乗った。
残りは200kmなので、もはやゆるポタディスタンスと言ってもいい距離。
ここまで「復路の600kmは観光モード」「残り400㎞になれば必勝」と強がりを言いながら耐えてきたけども、実際のところ、ここでようやく完走が現実味を帯びてきたというのが本音だった。

身体のダメージも痛みもないし、めちゃくちゃ疲れたということもない。
問題はエネルギー残量がスカスカだからすぐに眠くなってしまうことだけど、残り200㎞に対して18時間以上余裕があるから、どれだけ仮眠をとっても間に合うだろう。

あとはとにかく大きな事故にさえ気を付けて、慎重に走りさえすれば完走は確実……!
そう思った時にこそ、事故はやってくるのだった。
次回、恐怖! ダウンヒルで居眠り運転!? の巻。こうご期待!