PikaCycling

Raleigh CR-Aでブルベに出たり、GIANT XTC SLRで雪山を走ったり。「ゆるポタで行こう」はすべて詐欺です!

自転車王国 台湾一周(環島)のススメ

この記事はロードバイクアドベントカレンダーに参加しています。
adventar.org

昨日は ばるさんの「携帯可能な電動ポンプの歴史と現在」
cannonball24.com
明日は K_LL9さんの「ヘルニアとうつ病を乗り越えてワンシーズンレースを走った結果」です。

というわけで今回は、2024年3月に行ってきた台湾一周旅行の振り返りについて書いていこうと思います。

台湾はいいぞ

10日ほどの行程で台湾を一周してきたんですが、とにかくめちゃくちゃ楽しかったです。
pikacycling.hateblo.jp
こんな日本の近くにサイクリング天国な島があるの!? と毎日が充実していました。
もっとみんなにも気軽に台湾旅行に行ってもらいたいので、まず「台湾のここが良い」というポイントを3つほど紹介していきます。

3月の台湾はサイクリングシーズン

北海道の3月はまだ雪が降ったりしてロングライドには向いてないし、かといって本州に遠征してもまだ微妙に寒いですよね。
ところが台湾はこの時期が自転車にうってつけの季節。
https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/P/PikaCycling/20240408/20240408222603.png
乾季なので雨も少ないし(10日とも雨に降られず)、気温も最高で35℃くらい。
沖縄よりも南にあるので下手な時期に行くと自転車に乗るどころのレベルじゃない猛暑になっちゃうんですが、この季節の台湾は雨も少ないし、気温も最高で35℃くらい。
一週間まるごと自転車旅行をするには最高のシーズンでした。

まだ寒さが厳しい北海道から行くと暑熱順化ができていなくてちょっと大変でしたが、8月のフランスに比べても全然過ごしやすかったです。
ただ、3月とはいえ日差しはめちゃくちゃ強烈なので日焼け止めは忘れずに。

自転車で走りやすい

実際に台湾を走ってみて一番感動したのは、道路の端に広大な「二輪車専用レーン」があったことでした。

ちょっと見にくいんですが、この写真の一番手前、実線で区切られたレーンが二輪車専用なのです。
環島は基本的に国道1号線を走るので交通量はかなり多いんですが、普通に1車線くらいの幅があるし、あまつさえ路上駐車の車はそのさらに外に停めているので路駐の車をかわすのに膨らむ必要もなく、めちゃくちゃ快適でした。

最初は「さすがジャイアント、メリダを有する自転車大国だけのことはあるな」と思っていたんですがそれはちょっと事情が違っていて、このレーンを走っているのはほとんどバイクでした。
沖縄と似ていてバイクの台数がかなり多いので、その恩恵を自転車も受けている、というところです。
バイクと一緒に走る点についてはあんまり問題はないんですが、排ガスをめちゃくちゃ吸うことになるのは要注意。
自分はそれで喉をやられてしまったので、日除を兼ねてネックゲーターをつけるとか、高雄のような大都会の近くでは1号線を避けるなどした方がいいと思います。

食べ物が安くて美味い

円が安くなっているこのご時世では、なかなか海外旅行も行きにくいですよね。
自分が初めて台湾に(普通の旅行で)行ったときは1台湾ドルが3.5円だったのが、いまは4.5円以上と、およそ3割増になっています。
とはいえ元々物価が安い台湾なので、このぐらいでもまだ安さを感じることの方が多かったです。
台北市内や、コンビニだと日本と同じくらい。
こういうラーメンが$150=675円で、

ちいかわのドリンクが$49=220円。

ですが、地方に行くと食べ物の値段はまだまだ安くて、ルーローハンが$30=135円だったり、小籠包が10個で270円だったりします。

外食文化が盛んなので食べ物屋さんには事欠かず、朝昼晩と通り沿いのお店に寄って地元のご飯を楽しんできました。

台湾スイーツも美味しかったなあ(これは750円)。
食べ物は普通に本格中華なので、日本人になじみが深いというのも長期滞在しやすいポイント。
 
(PBPでフランスに滞在したときは結構厳しかった……)

安い宿が取りやすい

物価が安いというのとも繋がるんですが、どの町に行っても安いドミトリーがあったのは、長期旅行をするうえでとても便利でした。
なにせ台湾は1周1000kmほどしかない島に2,300万人も住んでいるので人口密度は高く、50kmくらいおきに都市部があるので泊まるところにも補給にも事欠かないという至れり尽くせりぶり。
しかもどんな小さな家族経営の民泊でも、Booking.comからネット経由で予約できるのが素晴らしい!
日本の民宿だとまず楽天とかでは予約できないので、電話をかけて、空いていなければ次のを探し、と結構しんどい。
アプリ経由なら中国語もすぐに翻訳できるし、都会だと完全無人で宿の人と一切話をせずに泊まれたりもするので本当に楽でした。

部屋の暗証番号もアプリから送られてきて、お会計は貯金箱に現金を入れる前に写真を撮ってアプリに送るだけ、とか。

これなら日本を旅行するよりも簡単なのでは? と思うことが多かったです。

台湾一周に必要なもの

だんだん台湾に行きたくなってきましたか?
というわけで次は、実際に台湾一周旅行に必要なものについて紹介していきます。

自転車

なにはなくともまずは自転車が無ければ始まりません。
自分はロードバイクを輪行箱に詰めて持っていきました。

組み立て/分解に1時間以上かかるので結構しんどいんですが、さすがに海外だと輪行袋では心配だな、と(国内なら袋で行きます)。

空になった箱は旅行中に(有料で)預かってくれる宿が多いので、Booking.comなどで予約をしてからメッセージで聞いてみるといいですね。
自分が泊まったドミトリーは1日250円で預かってくれました。


ちなみに自分のロードバイクはDi2化してるんですが、特にトラブルはなく飛行機に搭載できました。
これまで飛行機輪行してて、いままで問題になったことがないんですよね。
飛行場の担当者によっては「ケーブルを外してギアが動かない」状態であれば電源オフとみなされてお咎めなしで預けられるし、最悪シートポストからバッテリーだけ抜いて荷物に混ぜてしまえばいいだけなのでそんなに手間ではありません。

もっと手軽に行きたい場合は、レンタルバイクを使うという手もあります。
サイクリング仲間のKAZチャリさんは、MTBを15日間レンタルして30,000円だったとのこと。
kazcharietc.com
台湾一周している人は結構MTB率が高かったんですが、道路状況はそんなに悪くないし、ロードバイクで問題ないかな、と。
特に自分は休みの日数が限られていて1日に150km~200kmほど走りたかったので、そーゆー場合はロードバイクが楽だと思います。

車体以外の荷物

特に台湾を一周するからといって特別な装備はなく、400km~600kmブルベを走るのと変わらない感じで大丈夫でした。

アピデュラの17リットルのサドルバッグに着替えを詰めて、このほかに財布やパスポートなど、絶対になくせないものを携帯するためリュックサックを背負っています。

ドミトリーにはだいたい洗濯機がある予定だったので、着替えはジャージをもう1セットと、洗濯中に着る短パンTシャツだけ。
ですが洗濯機がある宿でも乾燥機がないと翌日まで乾かないため、無難にコインランドリーを探した方が良さげでした。
PBPと違って補給に事欠くことはないのでボトルは1本体制でしたが、暑さにやられるのでやはり塩熱飴は大量に持って行って正解でした。

それと、リュックを背負うと肩が凝るという人は背負い方が間違っていて、胸と腹の中間でベルトを締めて、背中全体で重みを負担すれば1000km走っても大丈夫。
そして重要なのはリュックサック自体の重量です。
ロードバイクを買った当初は専用品を、ということでドイターのRace Xを買ったんですが、重量が900g近くあるので結構しんどいうえ、背中とのあいだに隙間を作るためのフレームが硬くて、意外とものが入らない問題がありました。
そこでサロモンのトレイルブレイザーを買ったところ、本体重量が500g以上軽いし、体からずれないしで優れものでした。単なる袋なのでなんでも入れ放題だし、水がなくなりそうなときはペットボトルも差しておけるし、自転車旅では必需品になっています。

そのほかは海外だからと言って特に持っていったものはないかな……。
コンセントも日本のと同じなので、電圧を気にしなくていいのは楽でしたね。

通信手段

現代人にとって絶対必需品のスマホですが、自分のはiPhoneなのでeSIMが使えるため、事前にAmazonで購入してありました。

飛行機を降りてすぐにアクティベートできるので手間いらず。
むかしはこのためだけにandroidを買って、空港でSIMカードを買ってテザリングしたりしていたのに、隔世の感がありますね……。

そして予備にはPOVOを入れておきました。
povo.jp
月額基本使用料無料で、必要な時だけオプションを買い足す仕組みなのでもしもの時の予備にはうってつけです。

あったほうがよかったもの

SPDシューズだし乗ってる時も降りた後もこれ一足でいいでしょ! と思っていたんですが、ずーっと同じ靴というのはこれはこれでしんどいもので、宿に入ってから街歩きに使うサンダルは持った方がいいですね。
台北にもどってから「台湾サンダル」なる、マラソンさえもこれで走れちゃうというサンダルをゲットしたんですが、これが非常に歩きやすくて良かったです。

(日本国内でも愛用中)
暑い台湾だし、最初からSPDサンダルで行くというのもアリかも。

持ち物以外で準備したほうがよいこと/もの

ということで「台湾の魅力」「台湾一周に必要な装備」まで紹介したので、あとは「いく前に準備しておいた方がいいこと(特にやらなくてもいいこと」についてです。

やっぱり中国語

実は自分は2017年にも台湾旅行に行ったことがあって、それを機会に中国語の勉強をしていたので中国語検定の準4級を持ってたりします。

このくらいできると店での買い物だったりは一通りできるので完全イージーモードですが、やはり込み入った話になると厳しい。
それでもいまはスマホに翻訳機能もあるし、台湾の人は外国人の扱いに慣れている(アジアからの旅行客が多い)ので話せないからといって特に不便は感じないはず。
ただ、話せないからといって食事を全部コンビニで済ましたりだとせっかくの台湾の美食を味わえなかったりするので、少しくらい予習して行った方が楽しみが深まると思います。

台湾にいく前に聞いていたのが、ノースウェーブという北海道ローカルのFM局で放送している「台湾で使える簡単中国語」です。

台湾で使える簡単中国語

台湾で使える簡単中国語

  • FM NORTH WAVE
  • 言語学習
  • ¥0
番組の中でちょっとした台湾豆知識なんかも紹介されていて良かったです。

あとはNHKの語学講座アプリを入れて通勤時間に聞いたりですかね。

NHKゴガク 語学講座

NHKゴガク 語学講座

  • NHK (Japan Broadcasting Corporation)
  • 教育
  • 無料

事前に読んでいた本など

一青窈のお姉さん、一青妙さんが書いた環島の本はKindle unlimitedで読みました。

自転車に乗った経験が少ないながら、FORMOSA900に参加して環島を達成したとのこと。
www.giant.co.jp
このツアーは9泊10日で宿の手配から何から至れり尽くせりで楽しそうなんですが、お値段が50万円くらいするのでなかなかハード。
一人で行けば飛行機代含めて20万円を切るくらいだし……、でもあと30万円出せば何の手間もいらない、と考えると結構お得なのかもw
自分は定年退職後にでも参加したいなあ、と思っています。

あと台湾一周するならこれは必読。
台湾一周サイクリング証明書申請ガイド
自分は強風で自転車に乗れない日があったのと、喉をやられて体調が微妙で鉄道を多く使ってしまって認定できずでした。
近いうちにリベンジしたいなあ。
2027年はPBPがあるから、2026年か28年あたりにでも。

一番参考になったのはけんたさんの旅行記ですね。
discover-ride.com
台湾観光局とガッチリタッグを組んでいるのでクオリティも充実。
go-taiwan.net
Youtubeと併せて読むとかなりイメージが掴めるんじゃないかと思います。

あとはこのブログの台湾一周旅行記も忘れずに読んでいただけると幸いですw
pikacycling.hateblo.jp

こうやって思い出しながら書いていると、台湾の良い思い出がどんどん蘇ってきます。
はー、また行きたいなあ。
来年はどこへ自転車旅行に行こうかしらん。