PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

【AR日本橋】フレッシュ日本橋2024 後編

さて、日本橋Fleche参戦記も後半です。

ここまで5人で100kmほど走ってきましたが、やはりチーム戦は一人で走るのと結構違うな、と感じさせられました。
まず、ペースが違うのは当然で、軽量級のなかさん、石原さんはヒルクライムに入ると水を得た魚のようにひょいひょいと登ってしまって、自分などはツールドフランスの山岳コースで、ポガチャル選手の背中を眺めるペーター・サガンのような気持ちになれます。
一方で向かい風が強い時でも自分やMOTOさんみたいな重量級選手は、弱虫ペダルの田所先輩のようにガシガシと引っ張っていけるんですが、それはそれで後続を引き離してしまったりするのでペースを合わせるのが大変という問題がありました。
登りが得意な人も、平坦が得意な人も、それぞれの利点を殺して走らなくてはならない、ということですね。
人数がいるからと言ってドラフティングするほど近くを走れるわけではなく、あくまで先頭はペーサーとしての役割しかない、というのが厳しいでした。

そしてチーム戦だと休憩時間が長くなりがち、というのもありました。
まあ、単純にしゃべっているのが楽しくて長引きがちなだけなんですがw
ここの昼食スポットでも1時間ほど滞在したところで再スタートを切りました。

16:22 休憩 セブンイレブン勝浦興津店

昼食後、休憩スポットのセブンイレブンに入りました。
石原さんに痛みが出たとのことで、リーダーのMOTOさんがストレッチをしたりロードバイクのポジションを調整したりと縦横無尽の活躍を見せます。

ロードバイクのポジション、自分はあんまり気にしたことがないんですよ。
飛行機輪行をするたびにハンドルもサドルも外しちゃうから、年初にショップで調整してもらった意味も失われているはず。
テキトーに地面に並行にして、サドルは足が付きやすいよう少し低めにして、そのくらいの感じでポジションに体を合わせて走っています。

17:54 休憩 道の駅 鴨川オーシャンパーク

さらに20kmほど走って、日が落ちてきたタイミングで休憩に入りました。
www.kamogawaocean-park.com
前回の休憩ポイントのあたりで日が傾いてきたけれどまだまだ暑いかなと思っていたんですが、最低気温10℃の予報はさすがに正確で、ここでインナーをジオライン厚手に交換し、ジャージの袖も取り付けました。
さらに手袋は冬用のStingerに変更。

2月の冬ライドの経験を活かし、手袋の下にニトリル手袋を履くという二重構えが完璧で、指が冷えることなく走れました。
ただし長時間の着用だと手汗がびしゃびしゃにたまり、PCについて手袋を外すと汗がじゃばっとこぼれるほどになります。
そのせいで手の皮がふやけてしまうんですが、一晩くらいなら特に問題はありませんでした。
前に2月の追い風400を走った時はバーミッツを装着しましたが、あれはさすがにかさばるし、今後はニトリル重ね履き作戦を使うと思います。

ここでそろそろ走行距離が200kmになったので、ついでに後輪のエアも補充しておくことにしました。
台湾では最終日に後輪をパンクをしてしまったので、特にチーム戦では足を引っ張らないよう注意が必要だぞ、と思っていました。
はたして、後輪をもんでみると前輪に比べてあきらかに柔らかく、空気の抜けが早いことがわかりました。
重量物を積んでいるとエアの消費が激しくなるのでしょう。

今回はCYCPLUSを持ってきているので、補充もすぐ終わるので捗ります。

200kmに1回は補充してパンクを防いだほうが、結果的にタイムロスを少なくできて良さそうです。

19:35 PC3 セブンイレブン白浜滝口店(218.7km)

ここからはナイトライドになるので写真も動画も少なめです。
逆方向から反射ベストを着たサイクリストが何人も走ってきたので、逆回りで千葉県を走っているチームもあるのかなあ、などと思っていました。
しばらく走っていて信号待ちに引っかかって分断されたので、前にいた人に
「次、左だよね?」
と話しかけると
「いや、自分は宇都宮なので」
と返されたのでびっくり。
てっきりチームのメンバーだと思っていたので赤っ恥をかきました。

すっかり日が落ちた頃、ようやくPCにたどり着くとこの日は宇都宮で600kmブルベがあったとのことで、ランドヌールがたくさん休んでいます。
関東はブルベの参加者が多いので、こうやって交差することも日常茶飯事なのでしょう。

夕飯スポットには間に合いそうになかったので、ここではカレーヌードルを食べて体を温めました。
気温はそれほど低くないとは言え、ここまでずっと南風が吹き荒れており、向かい風で体が冷えていました。
だけどジャケットを羽織ると風が収まった時に暑そうだし、微妙な気温でだいぶ悩まされました。

ただ、ここまで約220kmを11時間で来ているので、想定内のいいペースです。
ここから北に向かえば今度は追い風に助けられるのでだいぶ楽になるはず、とこの時は思っていました。

21:13 PC4 フォトチェック ホテル洲の崎風の抄(234.3km))

PCを出て、房総半島の南西部を目指して進みます。
ここからは東西方向に進むので、横風にあおられて走るのがなかなか大変でした。
特に自分はどでかいサドルバッグを積んでいるので、平気で0.5車線くらい横に飛ばされるのでかなり注意が必要でした。
20時を過ぎて、車通りがほとんど無かったのは不幸中の幸いです。

海岸沿いのなにもない道をひたすら走っていくと、片側だけのバリゲートがあって「迂回路あり→」と書いてあります。
通行止めではないのでそのまま房総フラワーラインを走っていくと、目の前の道が半分砂で埋もれているー!!!
海岸の砂が強風であおられて道をふさいでしまうため、注意のための看板だったとあとから気が付きました。
しかし今はこの砂だらけの道を突っ切るしかありません。
ライトを強にして砂が少なそうな道を選んで突破しましたが、完全に砂嵐の中を走ったせいで口の中も髪の毛も砂だらけになってしまいました。

ほうほうの体でフォトチェックに到着し、ここではメンバー全員が入った写真を撮る必要があります。
が、あたりは暗く、ホテルの看板は煌々と輝いていて、なかなかうまく撮影できません。
とりあえず全員と(光って文字が読めない)看板を写したり、そのあとで看板と自転車を一緒に撮影したりと苦労しました。

今回、日本橋のフレッシュで良かったと感じたところは、フォトチェックにおける時間の証明が、スマホの撮影時刻で大丈夫だったことです。
時間が分かるように時計塔をバックに入れて撮影しなければならなかったり、通過ポイントの建物の人から証明書をもらったりしなければならないと聞いていたので、ここが相当に簡略化されていたのは助かりました。
(北海道はそうなるとは限らないので、自分のコースはすべてコンビニチェックにしましたが)

このあとはセブンイレブンでトイレ休憩をはさみ、さらに先にあるPC5を目指して走り続けます。

0:15 PC5 セブンイレブン富津岬店(292.2km)

22時に寄ったセブンイレブンまでは風が安定せず寒いし疲れるしでへとへとだったんですが、そのあとは安定して追い風になり、いいペースでPC5に到着することができました。

残りの距離が100kmを切ったので勝ち確ですわ、ということでレッドブルに翼を授けてもらいます。

1:57 休憩 ミニストップ袖ヶ浦福王台3丁目店

内房は外房に比べてだいぶ栄えており、信号も多いし大通りは陸橋もあって、コースは徐々に厳しさを増していきました。
これぞ関東ブルベだぞ、という雰囲気が増してきます。
そんな折、坂を上っている最中に段差をガンっと乗り越えた際、急にリアディレイラーが動かなくなってしまいました。
一番重いギアで固定されてしまい、急遽メンバーに助けを求めて、ちょうど坂の上にあったミニストップに入ることになりました。
(Di2のトラブル? もしかしてバッテリーが無くなった?)
いろんなことが脳裏をよぎってかなり焦りました。

そういえばワールドサイクルで「輪行時に勝手に変速を防ぐアイテムが紹介されていたしなあ」と思い出し、買っておけば良かったかなあ,と後悔したり。
ところがサイコンでバッテリー残量を表示させてみると普通に90%もあるうえ、停車しているうちに変速も直ってしまいました。
なかさんによると、Di2は強い衝撃があるとフリーズしてしまうこともあるようで。
もしかしたら輪行の際にRDをつけ外ししたときに、配線の差し込みが中途半端で衝撃で外れてしまったのかもしれません。

横着しないで、ちゃんと使おう専用工具。

ここでMOTOさんからカフェインの錠剤をいただいて飲んだところ、効果はてきめんでガリっと睡魔が吹き飛びました。

午前2時だというのに空が明るく見えてきて、もう夜明けが近いのかと錯覚したくらいでした。
多分瞳孔が開いて辺りが明るく見えたのでしょう。
オールナイトのブルベでは便利そうなので、帰宅してから早速ひと箱購入しました。

4:04 休憩 松屋幕張インター店(350kmくらい)

本格的に工業地帯に入ると、やたらと信号が多くなり、ストップアンドゴーで体力をかなり削られました。


ずーっと走っているならともかく、ゼロからの発進だとかなり筋力を使わされます。
ここらへんで「右足だけ足首が痛い」という人も出てきたんですが、発進時に右足に体重をかけちゃうとなりがちなんですよね。
自分もウナギ600の時に同じ症状になって、以来は左足で地面をキックしてから右足でペダルを回すようにしたら、だいぶ負担が減りました。

ここらで全員体力が限界に近いということもあり、22時間地点まで10kmを残して松屋で休憩することになりました。
pkg.navitime.co.jp
ここの松屋はまつのやもマイカレー工房もセットになった最強店舗!
しかし、牛丼もカツ丼もカレーも、350km走ってきた胃には重い(泣
ラーメンかうどんだったら食べられそうだけど、ご飯ものは厳しいなあ、と思いつつ、豚汁をメインにする作戦を選びました。
PBPの時も疲れ果てたら野菜スープでしのいでいたので、日本国内では豚汁がその代わりになるだろうとの読みです。

果たして牛めしは「牛脂の味がする米だ……」と感じながらちびちびとしか食べられませんでした。
だけど、豚汁でだいぶ休まったのでこの表情ですわw

22時間地点 PC6 ローソン・スリーエフ 市川田尻四丁目店(363.2km)

そんな感じで、後半は信号峠にやられて疲労困憊でしたが、なんとか22時間地点のローソンに到着。

あとはここで6時きっかりにレシートを取得し、残り25kmを2時間で突っ走れば完了となります。

ここから先はパンクしたらおいて行かれるので、再びエアーを補充。
やはり後輪は空気が減っていたので、ここで補充できて正解でした。
体重や装備が重い人はこまめに空気を入れるのがいいですね。

ダブルエスプレッソラテに砂糖をたっぷり入れてカフェインを補給しつつ(ウチカフェがあるからローソン推し)、キットカットとゼリーでゴールまでのエネルギーを蓄えます。

そしていよいよ運命の2時間が始まりました。

24時間地点 ゴール オリンピック記念青少年総合センター(387km)

フレッシュは22時間地点までが序章、ここから24時間地点までが本番と言っても過言ではありません。
なぜなら、この2時間で25㎞走らなければならないので、ひとつのミスもトラブルも許されない状況が始まるからです。
しかもここから先は大都会東京の中心部。
信号ごとにほぼ確実に止められてしまうので、ダッシュしてはその勢いをゼロにさせられ、まるでインターバル走を延々と続けているかのように消耗します。
黄色信号ギリギリで突っ込んでは後ろの人と分断されるため焦ることもできず、交通ルールを守りつつ必死で走るしかない時間帯が続きます。
車通りも多いし路上駐車も多いし逆走自転車もいるし平気な顔で追い越していく電動アシスト自転車もいるし、まさにカオスの極み。
台北の走りやすさが懐かしくなるほどでした。


よくよく考えれば、なにもこの最終盤の重要な部分を都心部にもってこなくても良かった気もします(汗
よそのチームのツイートを見ると、都心から数十km離れたあたりをゴールに設定し、スーパー銭湯でのんびりしてから改めてゴール地点に集合というパターンもあったようです。
そーゆー意味ではどこかで25km迂回して、22時間地点の市川あたりをゴールにするのが賢いのかなあ。
北海道フレッシュのコースは22~24時間区間は富良野市街地になるのでこんな目にはあわなさそうですが、とにもくにもコース設定において試されるのがフレッシュなのだなあ、と思いました。

苦しいながらもどうにか制限時間に間に合い、全員でオリンピックセンターの看板前に集まって記念撮影できました。

ゴール受付

8時スタートなのでゴールも8時。
ですが受付は10時スタートなのでわりかしのんびりです。
(そーゆー意味でも市川ゴールの方が理にかなっているかも)

ちょっと早めにリーダーのMOTOさん、予備で集合写真を撮っていたウエノさん、そしてInsta360で動画を取っていた自分の3人で受付に向かい、残りの二人には自転車の番をしてもらいました。

会場は10時少し前くらいに開場し、全員のブルベカードとレシートを提出して審判の時を待ちます。
ほかのチームが何度か修正のために呼び出されているのを聞きながらドキドキしていると、うちのチームのチェックが終了した旨のアナウンスがあり、ようやくここで完走となりました。

リムジンバスで羽田へGO

まだ午前中だし自走で帰るメンバーもいたので打ち上げという雰囲気でもなく、ここで三々五々解散となりました。
自分はというと、飛行機自体は夕方5時なので時間的には余裕があるものの、丸一日着ていたジャージのままで東京を観光するのにもはばかられたので、早々に羽田空港へと戻ることにしました。

しかし、日本橋から羽田まで、自走で行けないことはないけれど、日曜日の東京のあの混雑っぷりを見てしまうとちょっと微妙。
電車で輪行も考えましたが、渋谷のあたりから乗るのも混みすぎていて厳しそうでした。

だけどいまの自分には強い味方がありました。
それは、リムジンバス!
往路で自転車の運搬が確実にできることが分かっていたので、バスタ新宿から羽田まで行くことに決めました。

当然、輪行準備はハイパー人込みしている新宿駅前ですることになるのですが、都会の人は多少頭がおかしい人がいてもスルー力が高いのでお構いなしです。
リムジンバスで羽田に着いて、自転車を預けたらあとは自由行動。

羽田空港第3ターミナルの近くに新しく開業した羽田エアポートガーデンに行くことにしました。

飲食店はたくさんあったけどどこもインバウンド向けで微妙に高いので、庶民的にお好み焼き屋に入って一人打ち上げ。

続いては最上階にある天然温泉、泉天空の湯へ向かいます。
www.shopping-sumitomo-rd.com
羽田空港隣接なだけあって、利用料が4,800円とむちゃくちゃ高い(泣
しかも残念なのは眺めがリバービューで、飛行場が見えるわけではないこと、さらには屋上露天風呂も、風が強すぎてお湯のしぶきが常に舞い上がって目を開けていられないのはマイナス点。
あと、普通に全身入れ墨のヤクザの親分みたいな人と全身入れ墨の若頭みたいな人とワンポイント入れ墨の若い衆みたいなのがガッハッハしていて、龍が如くのごとくだな、と変な感心をしてしまいました。

逆にめちゃくちゃ良かったのは岩盤浴。
今回初めて利用してみたんですが、熱がじわーっと床から全身に伝わってきて癒されます。
内蔵が温まると体が一気に回復しますね。
サウナよりもずっと健康的で良さそう。

泉質はそんなに悪くないし、設備もきれいでゴージャス感はあります。
なんだかんだで3~4時間は滞在できて体も休まったので結果オーライでした。

というわけで羽田空港での〆はアカシアで決まり。

ビールと米に合うロールキャベツがたまらんわ~。
次はハヤシかカレーかメンチカツを食べようと思っててもたまにしか来ないから毎回ロールキャベツ2貫ににしてしまう悲しみ。

という感じで、無事に帰宅できました。

フレッシュまとめ

今回フレッシュに参加してみてまず思ったのは、
リーダーは大変!
ということでした。
準備段階ではコースの設定からリテイクへの修正、本番ではつまらないミスから失格にならないよう、ルールをしっかり読み込んでメンバーへ的確な指示を出す。
さらにはポジションがおかしな人がいれば修正し、腰が痛くなればマッサージをし、こーゆーことができるのはMotoさんだけだとは思いますが(笑)、まさに縦横無尽の働きで頭の下がる思いです。
特に最終盤、残り2時間の地獄の区間ではずっと先頭に立ってみんなを引っ張って見事全員完走という結果に導いていて、リーダーあってのチームたらふくだったなあ、と思いました。

はたして自分のチームがそこまでできるのか?
不安は尽きないけれどとりあえず頑張ってみるしかない!
北海道フレッシュも全員で完走できるよう、頑張っていこうと決意を新たにしました。