前回は人生の最後に思い出しそうな素晴らしい夕焼けを見たところで〆たんですが、それだけで終わらないのが自転車旅の辛いところ。
夕方まで海にいたということは、夜の街を走って帰らなければならないことでもあります。
幹線道路は二輪車専用の側道があって安全に走れるだろうというのは予想通りでしたが、問題は予想もしなかった峠を越えていく必要があったこと。
港と都心部のあいだには台中空港があるんですが、そこが山になっているだなんて予想しないじゃないですかー!

都心部は標高100mくらいあるので多少の登りはあると思ってはいたものの、予想だにしないヒルクライムにすっかり疲労コンバインでした。
たぶん高美湿地から台中市内にもどる最適ルートは、いったん北上して大甲渓から4号線を東進し、豊原まで進んでから南下するコースでしょう。
これだと市街地を随分走らされることになるので南回りにしたんですが、翌日分かる通り豊原から台中の中心部まではサイクリングコースが整備されているのでむしろ走りやすいのでした。
そんなことを知らないのでひたすらに登って登って、無数のバイクに追い越され続けます。
前回の台湾一周の教訓を受けて持っていったものが、カステリの筒。
数あるカステリ製品の中でもっとも気に入ってるのが通称カステリの筒。主に排ガス防御用だけどオールシーズン何にでも使えて便利。セールだから買い足しておいた。https://t.co/8rV3j6xdGM pic.twitter.com/WobKkqiGfb
— pikacycling@タイガーエア (@PikaCycling) 2025年12月10日
キャップにもネックゲイターにもなるアイテムなのですが、幹線道路を走る際はずっとこれで口元を覆っていたので、今回は排気ガスに喉をやられることなく走ることができました。
道中でガチョウ肉のお店を発見。

台湾で食べるものといえば鵝肉ですよね(発音難しすぎて読めない)。
当初の予定では今日の夕飯に食べようと思っていたんですが、ホテルに戻るのが遅くなりそうなので、ここでテイクアウトしていくことにします。
そんな感じで本日は170kmほど走ってさすがに疲れました。
序盤は下りペースでよかったんですが、最後のヒルクライムに手こずったせいで到着がすっかり夜になってしまいました。
ホテルに戻ってくるとフロントにまだ人がいたので、延泊を頼むことにします。
帰りの便が月曜日の朝6時のため、当初の計画では、日曜日はホテルに泊まらず、荷物を駅に預けてこようと考えていました。
しかし道中によくよく考えてみると(なんといっても考える時間はいくらでもある)、
- 台中駅の荷物預所は夜8時までの営業
- 桃園空港までの新幹線は23時の最終便なので3時間くらいヒマ
- 輪行準備を駅構内でやることへの不安
- ホテルを延泊しても4,000円で済む
- そうすれば日曜日は台中観光をしてゆっくり部屋で後片付けできる
ということになり、泊まらないけど部屋をキープするために一泊分追加したのでした。
結局のところ、4泊のうち2日しか寝てないんだけどね……。
延泊の手続きを終えて、フロントのお姉さんに
「ランドリー?」
と聞いてみますが、うまく通じません。
しかたなく
「洗衣机在哪里?」
と尋ねてみると、
「セクロアー」
と言います。
なんだその中国語は? 聞いたことないぞ? という顔をしていると、お姉さんは指を6本立てて
「リュウロウ」
だと言ったので、「六楼」つまり6階にあること、そして「セクロアー」がSix Floorの意味であることが分かりました。
香港の時もそうだったけど、むしろアジア人の英語は聞き取りにくい……。
中国語の方がなんぼかマシですね。
イギリスはめちゃくちゃ英語が聞き取りやすくて良かったなあ。
(イギリスではシックスフロアが7階かもしれないけれど)
忠孝夜市
洗濯の前に、とりあえず腹が減っていたし、徒歩圏内に夜市があることが分かったのでちょっと行ってみることにしました。
台中駅の南側は行きと帰りで通ったので、だいぶ土地勘が出てきました。
のんびり歩いてにぎやかな出店の灯が見えてきたのですが、間に通っている道路が歩行者用ではなく、普通にバイクやらトラックやらがバンバン走っているので驚き。

これは賑やかとかじゃなくて普通に危ないぞ?
ちょっとのんびりできるような雰囲気じゃなかったので早めに帰ることにしたんですが、ここで見つけたのが土瓜球でした。

さつまいもを粉末にしたものを練って揚げたスナック菓子だったんですが、以前におぎやはぎの矢作さんがこれを食べて絶賛していたのを思い出して食べてみることに。

なにこれめちゃくちゃ美味い!!!
中が空洞になっていて軽い感じのスナックなんですが、噛めばふにっと柔らかくてサツマイモの優しい甘みと風味もするし、トッピングでかけた梅粉がいいアクセントになって最高でした。
そのほかのお店は、鍋料理もたくさんで食べる雰囲気だったし、夜も遅くなってイートイン系のお店が閉まり始めていたこと、現金の手持ちが残り少ないこともあって、ホテルに戻ることにしました。
コンビニ飯でも良かったんですが、途中でテイクアウトの焼肉丼専門店を発見。

コンビニでビールを買って、ホテルでの夕飯になりました。
焼肉丼はまあまあ。
主役はガチョウ肉なんですが、骨ごとぶつ切りなので微妙に食べにくいという(味は美味い)

そして食パンが書かれた謎のビールは、原料が食パン、ということではなくて、生食パンの製法にヒントを得て熟成させた「飲む食パンビール」なんだとか。
https://taipei.keizai.biz/headline/391/
味は普通w
ご飯を食べている間に洗濯をしようと6階に行ってみたんですが、そこにあったのはなんと二槽式!

おいおい昭和かよ。
手動で水を貯めなきゃならないことを忘れてて、最初の1回目は洗濯物と洗剤だけ無為に10分間まわしちゃったもんねwww
動作させるたびにタイマーをかけて部屋に戻って、洗濯、すすぎ、脱水、全自動じゃない洗濯がこれほど大変だったとは……。
屋上階なら夕飯を食べながらのんびりと洗濯しても良かったんですが、このホテルの6階は、だだっぴろいワンフロアのなかに本当にこの洗濯機しか置かれていない殺風景な場所だったのそーゆーわけにもいかず、なかなかしんどかったです。
(利用料が無料だったのはヨシ!)
自転車旅3日目
そんな感じで台湾旅行もはやくも最終日。
帰りの便は翌日なんですが、6時の便なので観光できるのは実質この日だけなのでした。
夜には帰ってきて輪行準備をする必要があるので、無理して遠出したりせず、台中の定番観光スポットを抑える感じののんびりデーにする予定です。
朝食はホテルの目の前にあった艾初早午餐へ。
i-true.com
(アイチューと読むらしい)
ハンバーガーも美味しそうだけど、台湾まで来て洋食かと思い、店名が冠されている艾初炒麺をチョイス。

頼んだ後で青麻花椒乾拌麺にしておけばよかった! と思ったんですが、焼きそばは焼きそばで普通に美味かったです。
飲み物は阿薩姆紅茶と書いてアッサムティー。
日月潭以降、すっかり紅茶ファンになっちゃいましたね。
彩虹眷村
この日の最初の目的地は彩虹眷村、レインボー村です。
www.taipeinavi.com
もともとは中国共産党との戦いに敗れた中華民国軍の兵士が本土から引き揚げてきた際に住むこととなった住宅なんですが、そこに住んでいた老兵士が突如ポップなアートを村々の壁に描いたことが有名になったとのこと。
台中といえば彩虹眷村、台湾の10大インスタ映えスポット、台湾で最も撮影したいスポットなどとして超有名なので行ってみたんですが、

うーん、普通かな……。
別にそんなに上手いわけじゃないし、写真で見る以上の感動があるわけでもないし……。
あと、割と朝早い時間だったにも関わらず観光バスが次々とやってきて、人を見るか壁を見るかという感じなのもなかなか辛い。

それと、よく見ると古くて味があるイラストと、同じような色遣いでポップなイラストが混在しているんですね。
どうも後者は本来の作者が無くなった後で権利者が描き加えているとかで、なかなかキナ臭い感じもします。
まあ、ガッカリ名所とはいえ行ったからこそガッカリできるわけで、これはこれでよい経験でした。
東海藝術街商圈
ここから少し北上したところに東海大学(東海大学とは無関係だと思う)があり、学生街らしいおしゃれなカフェーやお土産物屋さんが立ち並んでいるとガイドブックにあったので、ちょっと立ち寄ってみることにしました。

しかしカフェーの営業時間はお昼近くということもあり、壁画を見て終了。
そして昨日のことを完全に忘れてたんですが、台中の西側は山になっていたんでした。
東海大学までは相当登らされるので、カフェライドにしても気合が必要なので要注意です。
GIANT 自行車文化探索館
しかしここまではほんの小手調べ、
今日のハイライトはGIANTの本社、そしてサイクリングカルチャーミュージアムなのだ!!!

見てよ世界的企業のこの大迫力な建物を!!!
cyclingmuseum.com.tw
いやー、ジャイアント製のMTBを買ったから堂々と立ち寄れてよかったです。
入場料は400元なので約2,000円。
展示は中国語/英語の説明しかないんですが、日本語の音声ガイドがYoutubeにアップロードされているので、自分のイヤホンで聞きながらめぐることになります。
sites.google.com
このシステムだと無料でいいし、あとでガイド機器を返しに行かなくていいので楽ちんですね。
そもそもの自転車の始まりからスタートして、

チェーンの採用でいきなり現代的なスタイルになってびっくり。

台湾が今のような自転車大国になる前は、日本向けの自転車を作る「人件費が安い工場」としての役割だったとのこと。
ところが1970年代に入ってエネルギー危機が訪れると、アメリカを中心として急激な自転車ブームが起こり、国が主導になって品質の向上を図ったとのこと。
(GIANTやMERIDAの創業もこのころ)
そして転機となったのがMTBの登場。

これまでのロードバイクの、パイプをラグで結合してダイヤモンドフレームをつくるやり方から、パイプ同士をTIG溶接して強度を高めるやりかたに切り替わった時に、設備や技術者がそろっていた台湾が一気にシェアを獲得したんだとか。
歴史について学んだらVRでバーチャルサイクリング対決だ!

左右両方のシフトを同時押しで変速するというシステムが分からなくて序盤は勝てなかったけど、仕組みを理解してからはサイクリストの意地を見せて圧勝。

脚質はDOMESTIQUEということは、新城幸也と同じアシストか!
展示物に満足したら続いてはお土産屋さん。

RaedyGOなる台湾メーカーのLUMISシリーズがちょっと面白そう。

フェンダーやサドルバッグをライトを中心にひとまとめにできるシステムらしいので、自分用のお土産に買って帰りました。
このあたりは工業地帯なので昼ごはんに困りそうだなあ、と思っていたら、ミュージアム内におしゃれなカフェーがあるじゃありませんか。

しかしメニューが洋食ばかりなのがなあ。
わざわざ台湾に来て台湾料理以外を食べるのは気が進まなかったんですが、間をとってカレーで妥協。

うん、案の定、日本のふつうのカレーじゃない味がする。
タイのレッドカレーに近いというか、スパイシーな雰囲気でした。
そんな感じで台湾旅行の目的はほぼ達成!
次回はロスタイムギリギリまで台中のサイクリングロードを楽しんで、そして朝6時の便に乗るため、深夜の桃園空港で一晩明かす謎体験についてお伝えします。