3人で走り始めた北海道フレッシュはここまで100kmを走って三国峠に到着。
時刻は15時30分ころだったのでスタートしてから6.5時間。
普段と比べると相当にゆったりペースですが、フレッシュは15km/hで24時間走るイベントなのでこれで十分。
むしろ速すぎるとそれだけ余計に走らなければならないという罠もあるので、休憩多めに走っています。
三国峠を下る前に、撮影スポットに立ち寄ることも忘れてはいけません。
絶景を写真に収められるよう、緑のポールが新設されて歩道が区切られているので安心です。
その後はぬるぬると下ってタウシュベツ川橋梁へ。
ちょうど夕日の時間だったので、西日を浴びて美しいですね。
トカプチ400で来たときは明け方だったので、また違う風情があります。
pikacycling.hateblo.jp
そして森の中には普通に鹿が。
人を見ても全然逃げないのでこれからの道中が不安ですが、鹿がいるということはクマがいないということでもあるので安心材料でもあります。
休憩 ひがし大雪自然館 16:42 133km
さて、三国峠からは帯広方面にずーっと下っていくことになります。
登りのように緩い勾配の坂道が延々と続くので楽勝っぽく思えるんですが、ここに落とし穴がありました。
というのもこのあたりの道路は、数十mおきに道路を横断する亀裂が入っていて、そこを乗り上げるたびにロードバイクがドスンドスンと突き上げられるのです。
スピードもほとんど出せないうえに、サドルにほとんど尻をつけることができず、膝で衝撃を吸収しながら慎重に下るしかありません。
調べてみると、こういうひび割れは「温度応力ひび割れ」というそうです。
北海道における低温クラックの発生実態について-論文・刊行物検索-寒地土木研究所
大雪山のあたりはその名のとおり雪が降るのはもちろんですが、日本一の寒さを誇る陸別町が足寄郡にあることからわかる通り、冬はとにかくめちゃくちゃ寒いんですね。
氷点下30℃だというので、ひいき目に見ても人間が生きていられる環境ではないw
これほど寒いとどうなるかというと、冷やされたアスファルトは縮もうとします。
一般的な日本の気温ならアスファルトの延びる性質でカバーできるんですが、その性質が働かなくなるぐらい寒い時期に温度変化が起きてしまうと、「数十m感覚で横方向に亀裂が入る」というという現象が発生するそうです。
そんな感じで延々数十kmに渡って段差を乗り越え続けているとどうなるかというと、タイヤのトレッド面が剝がれてしまうんですね。
まだ5000kmも走っていないアジリストDUROがこのザマですわ。
DUROってエンデューロでしょ? 耐久性 is 何?
まさに、試される大地。
ひがし大雪自然館では先ほど見てきたタウシュベツへのガイドツアーもあるそうで、
近年崩落が激しくなっているのもあるし、完全になくなってしまう前に一度は近くで見てみたいなあ、と思いました。
休憩 あしょろチーズ工房 18:11 165km
破れかけのタイヤにびくびくしつつも、前に進むほかありません。
とりあえずパンクしたらタイヤブートを貼って、さらに前輪と交換してしまえば何とかなるんじゃないかな、と思いながら先を急ぎます。
むやみに山の中を通らされてみたり、
未舗装路が現れたりしてかなりヤバいw
しかもこの後森の中に入ると、重機が通るための鉄板の上を走らされたうえ謎の黒い生き物(猫?)が現れたりしてスリリングです。
熊こそ見ませんでしたが鹿は非常にフランクに顔を出してくるので相当怖かったですね。
なんか路肩にオレンジ色の塊があるなあーと思っていたら道路柵のワイヤーに引っかかった鹿が暴れていたりと、しかのこのここしたんたんもびっくりのエゾシカロードです。
このあたりにはまったくコンビニがないので、道の駅跡地のあしょろチーズ工房でトイレ休憩をしました。
幸いなことに自販機があったので、ジョージアサントスプレミアム(北海道限定)をゲット。
子どものころ、農作業をしている祖父母が好んでこういう激甘のコーヒーを飲んでいたのを思い出します。
疲れているときに効くなあ。
PC2 セイコーマート本別店 20:31 186.3km
日が落ちてきたころに本別町に到着しました。
ここでようやく180km、折り返し地点です。
本別町は夜の時間帯でも飲食店が営業している大都会なので、ここで夕飯を狙うことを計画していました。
まず第一候補は道の駅、ステラ★本別です。
hokkaido-michinoeki.jp
HPには「ディナー 17:00~20:00」とあるので期待していたんですが、まったく全然営業している気配がありません。
これは田舎あるある、HP作ったはいいけど誰も更新してないパターンか!?
カレー屋井出庵(インディアンではない)はノボリが立っていたので期待したんですが、前情報通り18時で閉店していたので残念。
さらに20時30分まで営業しているはずのろぢうら食堂も営業している気配がなく……。
さんざん迷った挙句、カウキングという焼肉屋さんに入ることにしました。
www.obnv.com
町内の飲食店はこーゆー状態なので店内はほぼ満員でしたが、運よくカウンター席が空いていたので3人並んで座り、せっかくだからと黒毛和牛定食(1,800円)を注文!
肉ヤベー!!!
美味すぎる!!!
肉汁が口の中であふれるたびに脳汁が放出される!!!
そんな感じで、前半戦までは楽しい楽しいロングライドだったんですが、これで終われるほど問屋は甘くないというね……。
ひとまずここで夜装備に着替えてリスタートします。
PC3 セブン-イレブン 新得町南店 0:46 269km
ここから先は、真夜中の十勝平野をひたすらに横断するルートになります。
人家すらまばらにしかない道路のため、ライトの光量が強いうえ性格もしっかりしているKさんを先頭にまったりと走っていきます。
しかしこの時間から小雨、というかガスが出てきて視界も悪く、ライトをつけても先がほとんど見えない、ほとんど水の中を走っているみたいな状態でした。
トラックもほとんど走らず、たまに走ってもライトの明かりは遠くからよく見えるし、ほとんど直線だったので見落とされる心配がないのは安心でした。
それでも道路自体は一本道だから迷わないだろう、と思っていると、Brytonがピロピロと交差点がある警告音を出してきたんですが曲がる先がまったくわからずミスコース。
先行するKさんに追いついて、なんとか元のコースに復帰できました。
コースはこんな道で、普通に走ったら道道134号をそのまま進めばいいところを、フレッシュの「最短距離の呪い」により謎の旧道を走らされたようです。
曲がり角に一切表示がないどころか、134号のカーブ注意の看板が目の前で煌々と輝いていたので完全に見落としていました。
こういうときは声も届きにくいので、笛で合図するのがよいのだとか。
以前にハライチのターンでもらった防災笛が家にあるから、チーム走の時は持ってこようかしらん。
その後は士幌町に向かって延々とまっすぐ進みます。
心を無にしてペダルをこいでいると、前方にヘッドライトが見えて、しかしそれにしても全然近づいて来ない、おかしいなと思っているとなんとそれは自転車の群れ!
ほかのチームのコースを見るに、炎上上等シャーマンズだったのかな。
こんな真夜中に、しかも参加13チームと数少ない中で、ほかのチームとすれ違うなんて奇跡的過ぎてめちゃくちゃテンションが上がりました。
雨の中を延々と走り続けるだけの単調な時間に、素敵なスパイスとなりました。
しばらく進んで0時前ころ、華やかな街灯が輝く大都会、鹿追町に入りました。
ここにはコースから少し離れたところにコンビニがあるし、ここまで70km近く走っているのでタイミング的にはちょうど良さそうでした。
ただ、ここまで本当にオンタイムだったのでタイムロスは避けたかったのと、もう15kmほど走れば次のPCがあるので、ここはスルーすることにしました。
ところがこれが痛恨の判断ミス。
次のPCであるセブンイレブン新得町南店にたどりつくと、営業時間は0時まで……。
完全に頭から抜け落ちていたわ(涙
とりあえず店の名前がわかる場所で集合写真を撮影してチェック完了として、懸念すべきは補給食。
ここらへんはみんな玄人なのでそれぞれしっかり食料を残しており、自分もえいようかんが残っているのであと100kmくらいは大丈夫。
しかし、仮眠前に暖かいもの食べておきたかったなあ。
ここまで269kmを走って認定まで残りは100km。
時間はまだ8時間あるので余裕はあるんですが、雨、そしてこの先には狩勝峠を残していて微妙に厳しい状況になってきました。
次回はこんな地獄に現れた天国スポット、そして衝撃の24時間目を迎え、果たして我々は無事に認定されることができたのか!? そんなフレッシュ完結編をお送りします!