PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

【しまなみ海道】Day2-1 しまなみ海道感動ライド(前編)

オレンジフェリーに乗り込んで、起床は朝5時。
自転車旅では超早起きになるので、振動で起こしてくれるスマートウォッチは必需品だったりする。

浴衣からサイクルジャージに着替え、昨日着てきたワークスーツはサドルバッグに詰め込んで、到着のアナウンスを待ってロビーに移動した。
ロードバイクをそのまま持ち込んでいる人は自分のほかにもう1人、あとは輪行袋に入れている人と、サイクリング用のヘルメットをかぶっているけど手ぶらなので甲板に積んでいる人が数人。
平日とはいえしまなみ海道をフェリーで狙ってくる人はそこそこいるようだ。

それにしてもDXシングルは、下船・即・出発できるところがいい。

手軽さを金で買っているというと聞こえが悪いがw

朝6時のまだ冷たい空気の中を、全く見たこともない知らない道を突き進んでいくとテンションが上がる。
そのままの勢いで走り続けて、空腹に耐えかねてミニストップで小休止。

ミニストップは初めてだったんだけど、手作り系のおにぎりが多くてセコマみたいな雰囲気で良かった。

朝食を抜いてきたけれどしまなみ海道に入ったら名物を餓狼のように喰らう予定だったので、おにぎり1個で済ませて再スタート。

東予港から今治までのなんでもない海道はほんと何にもないんだけど、交通量もそれほど多くないし、快適に走れて良かった。


そうこうしているうちに今治城に到着。

博物館の展示時間はまだだったけど、すぐ足元まで入場できてよかった。
松前城とか弘前城は、寄るだけでも入場料を取られるので厳しい。


ここから街中を抜けて最初の目的地であるサンライズ糸山を目指したんだけど、意外と結構な高台の上にあって面食らってしまった。
道の駅の駐車場に入って例の「SHIMANAMIモニュメント」を探してウロウロし、レストラン/宿泊棟とレンタサイクル棟の間の道を抜けていってようやく発見。
せっかくなので、近くの夫婦に珍しく自分も入っている写真を撮ってもらった。

は~るばる、来たぜし~まなみ~

来島海峡大橋を眺めていると、ついにここまでやってきたんだぞ、という感動がひしひしと押し寄せてきた。

多少強引でも年度明けにいきなり休みを取って来た甲斐があるなあ。
というかむしろ、来るべき時に来た、という感慨しかない。
天気は超弩級の青空、風は穏やかで海はべた凪、走るなら今しかないというタイミングだ。

「いまやらなければ、やるチャンスさえ巡ってこないかもしれない」

こういう時にいつも頭をよぎるのが台湾のことわざ。
ずっと元気でいられるとも限らないわけだし、明日いきなり死ぬかもしれない。
今日が人生で一番若くて元気な日なんだから、楽しめるときに遊んでおかないと損だ。
ロードバイクに乗り初めてというもの、そんな人生観に支配されるようになってしまった自分だ。


春風に吹かれながらしばししまなみ海道にたどり着いたことへの余韻にふけっていたけれど、朝早すぎて店も開いていないし、やることもないのでいよいよ走り出すことにした。
しまなみ海道にかかる橋は下を大型船舶が通るためものすごい高さにあるんだけど、自転車で渡る人のためにゆるやかな斜度でぐるぐると迂回して登る道がつけられているので非常に安心。

橋を渡っていくと、途中で馬島に降りていくエレベータを発見。

前を走っていた人がこの中に吸い込まれていったのでちょっと寄り道してみようかどうか迷ったけれど、とりあえず今回は尾道までどのくらいでゴールできるか読めなかったので、離島めぐりは次回へのお楽しみにとっておくことにした。


来島海峡大橋を越えて、よしうみいきいき館に到着。
ここもまだ開店前だったのでちょっと一休みだけ。

それにしても、まだ日が昇って少ししかたっていないのにやたらと暑い。
乾燥しているからボトルに入れてきたポカリの減りはわずかだけれど、気温は北海道の7月並みだと感じた。
これからの季節は気温も上がるけれどなにより湿度が大変なことになるらしいので、暑さに弱い北海道民なら3月か4月の頭ころに来るのがベストっぽい。


再び走り出してしばらくすると、脇に亀老山という山が見えてきた。
たしかこれはなななちゃんがへばりながら登っていた山だな、というのを思い出し、ここまで平坦続きで足も余っていたのでちょっくらヒルクライムに励んでみることにした。

しかしこの坂、結構きつい。
さらにはギアをインナーローに入れると二番目のギアに落ちてしまうという不具合のせいで、一番軽いギアを使えないというハンデまで抱えてしまった。
涙目になりながら上っていると、後ろから一人のローディに追いつかれた。
なんとその人は偶然にも、同じくオレンジフェリーに乗ってしまなみ海道を目指した人で、ロードバイクを生のまま乗せてた自分のことを見ていたという。
正直息も絶え絶えだったんだけど、話が盛り上がると自然に気分も軽くなってきて、どうにかこうにか足つきせずに24分でクリアー。

頑張って登ってきただけあって、ここからの景色はほんと素晴らしかった。
麓の方ではほとんど散りかけの桜もこのあたりではまだまだ満開だったのも最高だった。

あまりに暑かったので物陰に入り、明け方は冷えていたので着ていたインナーを脱ぎ去って、ミレーと長袖ジャージだけになった。
網網のミレーは特にこの時期、山に登って汗をかいた後、ダウンヒルで冷えてしまうのを防いでくれるので大変捗る。

しかし残念ながら、頂上で食べられるという藻塩のアイスもまだ閉店中。
とりあえず展望台をぐるっと回って降りようとすると、さきほどのローディに呼び止められた。
坂の途中で来島海峡大橋を見下ろせる絶景スポットがあったので、そこで一緒に撮ろうとのことで快諾。

聞けばこの方は和歌山から来たそうで、そちらは山が多くてこのぐらいの坂道がたくさんあるんだそうだ。
北海道だとだいたいの峠はトラックが通りやすいように斜度が緩くてまっすぐなので、環境がだいぶ違う。
彼も自分と同じ2日後のオレンジフェリーで帰るというので、またどこかで会えるといいねと言ってその場を別れた。


当初の計画ではこの大島で昼食をとる予定だったんだけど、思っていたより2時間近く早く着いてしまったのでとりあえず次の伯方島を目指す。

大島大橋を渡っていると、今度は見近島への下り坂を発見。
ここは無人島でいまはキャンプ場になっているらしいけど、寄るのはまたの機会にしておいた。
次に来るときはヒルクライムを控えめにして、その分たくさん寄り道して距離を稼ぐのがいいかな。


伯方SCパークはようやく開店していたので、名物の塩ソフトクリームをゲット。

ヒルクライムで疲れた体に甘みが染みわたって最高じゃ~。
だけど、伯方だろうが塩は塩だし、レモンソフトにしておいた方がレアだったかもしれない。

さきほど出会った和歌山のKさんは伯方の塩ラーメンを食べに行くといっていたけどまだ時間は早いし、今日の夕飯は尾道ラーメンと決めていたのでラーメン続きもどうかなあ、と思い、スルーして逆方向の、大三島橋へと足を向けた。
橋への入り口のあたりに案内板があり、まっすぐ進むと開山公園があるという。
たしかここは桜の名所だったというのを思い出し、ちょっと寄ってみるのも悪くないな、と思ってチャレンジしてみることにした。

しかしこの開山公園もなかなかのヒルクライムで、亀老山に比べたら標高も距離も半分だけなんだけど、道が狭隘で厳しい斜度も多くてなかなか厳しかった。
だけど登り終わって目の前に現れた満開の桜を見たら、疲れも全部吹き飛んじゃったね。

すぐに降りるつもりだったのに展望台まで徒歩で歩いて行ったりして、思う存分に桜を楽しんだ。


続いて大三島へ渡って、大山祇神社を目指して、島の南側を時計回りにゆるゆると走る。
しかしヒルクライムで疲れたからと海岸沿いを選んだのに、思った以上にアップダウンがあって足を使わされた。
しまなみ海道ブルーラインから外れると一気に難易度が上がるらしい。

こうして辿り着いた大三島大山祇神社は全国にある大山祇神社(うちの近所にもある)の総本山ということで、格式の高いお社があり、駐輪場も立派な木造の屋根付きで自販機もあって休憩スペースを兼ねていて素晴らしかった。
しかし自転車神社として有名な大山神社(名前が似ている)とは違ってそこまで自転車寄りではなく、自転車お守りがいくつかある程度だった。


それにしてもいい加減に空腹と疲れで倒れそうだったのでこのあたりに良さげな店はないものか調べてみると、前もって目星をつけておいたジビエ料理のDAISHINは臨時休業。
神社のすぐ向かいにある大漁というお店はすでに長蛇の行列が出ていたので保留。
しかしGoogleマップで見てみると、すぐ近くに鯛の釜めしを出すという貴船というお店があったので行ってみることにした。
www.oomisima.com

店内は広く余裕があり、一人客はカウンターに座れるので助かる。
メニューはたくさんあったんだけど、鯛の釜めしをベースに、刺身とのセット、天ぷらとのセット、そして刺身も天ぷらも一緒の令和御膳なるものから選ぶことにし、迷った結果刺身とのセットにした。

釜めしは出来上がるまで時間がかかるけれど、その間休めるからむしろいいだろうと思っていたら、火がついてぐつぐつの釜めしがやってきて、おかずを食べている間にちょうど良く炊き上がるという寸法だった。

というわけでまずはブリのお刺身に手を付けてみると、あまりの美味さに飛びあがりそうになった。
食感はパリッと角が立っていて、噛みしめると旨味がじゅわーっととろけ出て、魚としての格が高い。
刺身のランクの中ではマグロという王者に一歩譲って、将棋でいうなら金か銀くらいのポジションにいるのがブリだと思うんだけど、本場のブリはどちらがキングでクイーンで、というくらい主役を張れる実力の持ち主だった。

最近は地元でもブリが獲れるようになって、でも脂の乗りが全然悪いからカツにしたりしてどうにか食べているような現状なんだけど、瀬戸内海まで流れていくうちにこんなに育つんだったら北海道で食べてしまうなんて犯罪行為だとまで思った。

あと、刺身の鯛ももちろん美味しいんだけど、個人的には熱を通したもののほうが味も香りも強くて好きなので、釜めしはスマッシュヒットだった。
小鉢料理もおいしいし、全般的に隙がなく、飛び込みで入った割に大成功だった。


店を出るとレモネードののぼりを掲げたこじんまりとしたお店があったので、覗いてみると障害者の授産施設らしい。
retty.me
250円という利益の入っていなさそうな価格にひかれて注文してみたら、これもめちゃくちゃ美味しい。
こんなに値段が安いんだったら、もうひとつの無糖レモン炭酸水の方も頼んでみるべきだった。

レモネードを飲みながら次なる目的地を探していると、すぐ近くに大三島ブリュワリーというビール工房があるのを発見。

当然その場では飲めないけれど、ボトルに詰めたものをテイクアウトできるのが良かった。
しかもサイクリストが頻繁に買いに来るらしく、バックパックに背負って行っても冷蔵庫に入れて泡を落ち着かせてから飲めば大丈夫だとのお墨付きもいただいた。

あとでホテルに戻ってから飲んでみたけど、できたてを詰めただけのことはあって香りが華やかでとても美味しかった。

そんな感じで大三島大山祇神社のあたりは、面白いお店も多くてブルーラインからは外れるけれど絶対立ち寄った方がいいスポットだと思った。
個人的にはイノシシで出汁をとっているという猪骨ラーメンを食べてみたかったなあ。

といったところでさすがはしまなみ海道、お昼ご飯までで相当長くなりすぎたの今回はここまで。
次回は生口島から因島向島を経て尾道までの旅について書く予定。
お楽しみにノシ