PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

NOBRM911八雲200km

新型コロナウイルスの猛威はブルベ界にも着実に魔の手を伸ばしてきており、9月に予定されていたブルベは軒並み中止または延期という事態に陥ってしまった。
個人的にはライブなんかに比べたらブルベの感染危険度なんてゼロに等しいレベルだと思うんだけど、集団で参加して密で走ったり終了後に打ち上げするような人もいるというので、延期の判断もやむを得ないと思われる。

撮り鉄にしてもラブライバーにしても9割の人たちはマナーよく参加していても一部のはねっかえりのせいで全体が悪く見られてしまう。
ただでさえ他のサイクリストからランドヌールは「常識では考えられない距離を無闇に走りたがるおかしな連中」と思われている*1ので、延期の判断は英断だろう。

しかし心残りはBRM100周年を祝う記念ブルベが延期になってしまったことだ。
www.audax-japan.org

100周年と言ってもブルベ自体の歴史はもう少し長いんだけど、今のルールによるブルベが始まったのが1921年9月11日らしい。
(いろいろ内紛とか分裂とかがあったらしい)

オリンピックでさえ1年延期したのだから仕方ないことではあるけれど、100周年という節目のイベントを祝えないのは残念だ。
するとAJ広島のスタッフさんが、こんな粋なことを言い出した。


こうして日本中のランドヌールたちが、911記念ジャージを着て思い思いに走り出すという、ブルベの枠組みを大きく超えた一大ムーブメントが巻き起こったのだった!

これはもはや、スタンドアローンコンプレックスそのものじゃないか。

スタンドアローンコンプレックスとは
電脳技術という新たな情報ネットワークにより、独立した個人が、結果的に集団的総意に基づく行動を見せる社会現象を指し、孤立した個人(スタンドアローン)でありながらも全体として集団的な行動(コンプレックス)を取ることを意味する。

自主ブルベのコースを作ってみた

自分も駆け出しのランドヌールとして何かイベントを盛り上げるすべは無いだろうとか考えた結果、いつも走っている八雲のあたりで200kmのブルベを設定できないか、と思いついた。
普段は150kmくらいのゆるポタディスタンスでしか走っていないのだけど、それらをうまく組み合わせた結果、なんとか200kmのコースが出来上がった。
ridewithgps.com

まず遊楽部公園をスタートして、そこから雲石峠へ。
その後は海岸線を北上して奇岩景勝を眺めながら太田山神社の脇を通り、北檜山町をかすめて再び山の中に。
そこから「全サイクリスト道道793行け」でおなじみの旭台今金線を通って今金町に入り、美利河ダムへ。
最後は白樺並木で有名な噴火湾パノラマパーク沿いを通って、ミルクロードを抜けて戻ってくるというコース。

これはなかなか楽しそうだぞ、というわけで早速走ってみることにした。

運命の9月11日

当日は幸いなことに晴れ時々くもりのサイクリング日和で、秋口なだけあって気温もそこそこ低く、長袖の911ジャージにはピッタリの日だった。
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とりあえず雲石峠を超えて最初のローソンをPC1としたけれど、スタート地点から30kmと距離が近すぎるので、これは大成町のセイコーマートあたりまで離したほうがいいかもしれない。
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奇岩親子熊石を通り過ぎたあたりにあるマンモス岩は、いつもはキャンパーがいるのでスルーしていたけれど今日は無人だったので海岸まで降りてみた。


その後も海岸線を快調に飛ばしていつもの太田山神社へ。
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自主ブルベの最中でさえなければ本堂まで登ったのになあ(登る気はない

続いて到着したローソン北檜山店をPC2としていたけれど、
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ここもPC1を大成町に設定するなら近すぎるなあ、などと考えながら走っていると飽きることがない。

絶品ジェラートとの偶然の出会い

ここからは国道229号に入って再び山の中へ。
そのまま真っすぐ進んでしまうとまた大成町に戻ってしまうので、途中で道道42号八雲北檜山線に分岐する。
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延々と続く山道を心を無にしながら登っていると、ふと、真新しい看板が目についた。
牧場の山カフェ、第2第4土日のみ営業……?
dfw-setana.com

指折り数えるとたしかに今日は第2土曜日だし、看板だけでなくのぼりも揺れているということは今日が営業日である可能性は高い。
(これだけ営業日が少なければ、消耗が激しいのぼりは営業日以外には撤去するものだろう)

山カフェと言うからにはかなりの獲得標高を稼ぐことになりそうだったので無駄足が怖かったけれど、意を決して登ってみることにした。
気合で山を登りきると、大規模な農場の向かい側にはオーナー家族のものと思しき家があり、その敷地の一角に真新しい建物があった。

建物はこじんまりしていて内部はジェラートを作るキッチンとレジしかなくてイートインできるスペースは無し。
その代わり店の外にはベンチやらタープやらテントやらといったキャンプグッズがたくさん並べられていて、この日のような気持ちの良い日は外の風を感じながらジェラートを味わうことができた。
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注文はややややこしくて、左1列が「ノーマル」、中央列が「スペシャル」となっており、ダブルの場合はその組み合わせで料金が決まるというシステム。
せめてスペシャルは縁を金色にするなどすれば見やすくて良いのだが、黒丸の中に小さく「スペシャル」と書いてあるだけなのでわかりにくかった。
というわけでストロベリーとチョコチップのダブルを注文。
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これがめちゃくちゃに美味い。
下手したら今年食べたどのアイスクリームをも凌駕しかねないレベル。
特にストロベリーは果肉の存在感と、それに負けないミルクの風味が抜群に絡まって最高だった。

惜しむらくは「エクストリーム」なるピスタチオだけダブルの設定がなかったこと。
ダブルだと0.75杯×2で1.5人前の量だから選ばせないのかな、などと予想。
金に糸目をつけず、黙ってシングルを2つ頼んでおけばよかったなあ。
ここは標高も稼げるし、回り道を防げるので通過チェックポイントにしても良いかもしれない。

ジェラートを堪能した後は道道793号へ。
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晴れていればWindowsの壁紙みたいな写真が撮れたのになあ。

食の駅/レストランばろん/GRILL BARON/ホテルいまかね

次の今金町でランチと洒落込もうと思っていたんだけど、鈍脚のせいで予想より到着が遅れてしまった。
意外と飲食店はたくさんあるけれどどこも昼休みの時間をすぎると締めてしまい、完全な昼食難民に。

清く正しいブルベ民ならコンビニ食で済ませるのが礼儀なんだけど自分は薄汚れたグルメライド族なので「どこかで名産物を食べないと死ぬ」呪いに取り憑かれている。
とりあえず「1ランチ・1スイーツ」は地元のものを食べることを自らへの義務としているのだ。

空いている店を求めて町内をゾンビのように彷徨い続けるうちにもう諦めて、いつも今金町を通るたびに見かける「食の駅」なる謎の看板の指示に従ってみることにした。
というか、そもそも「食の駅」という響きだけでもう胡散臭いじゃないですか。
あからさまに道の駅のパクリだし、ということは道の駅以下な施設であることは確定じゃないですか。
というか、Googleマップで検索してもそんな店、出てこないしね。

それでも最悪は野菜の直売所だとしても、運が良ければ今金町特産のじゃがいもを使ったコロッケくらい食べられるだろう、と半ば諦めつつも看板通りに進んでいくと、そこにあったのはホテルいまかね。
www.hotel-imakane.com

ホテルが食の駅なのか? と思いながら建物を見ると、1階にあるレストランばろん(もしくはGRILL BARON)という店名の横に「食の駅」というステッカーが貼ってあった。
なんという分かりづらさ……。
普通に「レストランばろん」の案内だけでレストランだということはわかるし、なんでわざわざ謎の名称で誘導しようとしているのか謎だ。
しかしホテル付属のレストランだし、ハズレはないだろうと見込んで突入。

メニューは豊富で目移りしたので、とりあえず鉄板だろうと思われた生姜焼き定食を注文。
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これが期待以上のスマッシュヒット。
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肉は黒胡椒たっぷりでスパイシーだし、こんもり盛られたキャベツにかけられたドレッシングも美味しくてモリモリ食べられた。
接客も丁寧で好感度が高い。
次は名物のコロッケ定食でも狙ってみようかしらん。

その後に最後のPCにする予定だったセコマに寄ってみると、9月30日で閉店とのこと。
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ここは近くのローソンに変更しておくか。

それからは美利河ダムへ向かってヒルクライム
今回はだいたい3回くらい峠があって、そこそこ歯ごたえがあるコースだと思うのだが、自分で走っていてもなかなかに疲れた。
本当は美利河ダムの外周をぐるっと一周する予定だったんだけど、妥協して下の魚道で一休みした。

セコマ期間限定のごま大福が美味い。
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が、魚道は日が傾いているせいでほとんど見えず。

今回は5時30分スタートになってしまったのが悔やまれるなあ。
5時なら今金の飲食店が空いている時間に着けただろうし、それになによりこの時期は日が傾くのが早くてすでに夕方だった。

そんなわけでダウンヒル後は国道5号を脇目もふらずにひた走って、遊楽部公園まで戻ってきた。
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本来はもっと先まで進んでパノラマパークの白樺並木を楽しんでからミルクロードを通る予定だったのだけど、この前通ったばかりだし、自主ブルベなのでオミットしても問題ないのだった。

というわけで今回のRelive。

Relive 'NOBRM911八雲200km'


ゴール前でショートカットしたけれど194kmだったので、うまいことどこかで回り道させれば200kmオーバーにはできそうな気がする。
今後も都度都度改良して、いい感じのコースに仕上げていきたい。

せっかくの100周年が延期になってしまったのは寂しいけれど、その分普段一緒に走ることのない日本中のランドヌールが#BRM911のタグの元、一体感を持ってイベントを祝っているのを見るのは楽しかった。
次週の函館400kmも延期になってしまったけれど、コロナに負けずにコロナを避けつつ楽しもうと思っている。

*1:なおヒルクライマーは「無闇に坂を登りたがるおかしな連中」、MTBerは「無闇に崖から落ちたがるおかしな連中」などなど、互いにおかしな連中と認識しあっている模様