PikaCycling

Raleigh CRAとDAHON routeを買ったばかりのサイクリング初心者。ポタポタとポタリングを楽しもうと思っています。

Raleigh CRAでセタイチしてきた

さて、時代はスマートトレーナーを買う少し前に遡る。
基本的にこのブログは時系列がアトランダムなのであまり気にしないでほしい。
特に実走の記録は北海道が雪で覆われている3月末くらいまでの間ずっと小出しで公開していくつもりなので、スマートトレーナーの記録や、そのときに思いついた雑記などとは時期がブレブレとなる予定になっている。

というわけで9月下旬にブルベを完走した頃の話。
正直なところ、ロードバイクに乗り始めて以来の目標だったブルベをひょんなことからエントリーして完走してしまって、少々燃え尽き気味になっていた。
それと、これまで見たこともない青森での景色にやられてしまったというのもある。

北海道内、特に道南は長年住んでいることもあってほとんどの道を一度は通ったことがあって、自動車と自転車での視点の差を新鮮に思っていた。
ところがやはり一度も走ったことも見たこともない、そして多少なりとも文化の違う国を走ってみると、やはりその衝撃は大きかった。

これ以上、地元を走る意味とはなんだろうか。
そんなことを思いながら雨の土曜日をダラダラと過ごしていたら、人生を無駄に浪費しているような気がもやもやと湧いてきたので、あまり気にせず翌日曜日は走りに行くことにした。
案ずるより産むが易し、というやつである(違うか

せたな町にはまだ行ったことがない

運が良かったのは、Jouneymapという神サイトに出会ったこと。
ctyo.github.io
GPXファイルをドラッグ・アンド・ドロップすると、それが地図上にすべて表示されるという機能があって、これまで走った道のりを思い出しながらしみじみとしていた。
そうやって改めて見直してみると、道南の道はあらかた制覇しているものの、せたな町のあたりにポッカリと空隙があることがあからさまになった。
たぶんここは車でも通ったことはなさそうだ。

そこで、八雲町をスタートしていつもの雲石峠を登り、そこから北上して北檜山大成線を突っ走り、せたな町市街地を経由して八雲に戻ってくるというコースを思いついた。

せたな町一周略してセタイチは、Ride with GPSで引いてみると距離130km獲得標高2,000mとのこと。
日曜日の気軽なサイクリングにはちょうどいい距離感ではなかろうか。
中間地点のせたな町で温泉&昼食をとれるというのも良さそうだ。

八雲町へ

というわけでいつもの八雲町へ。
温泉ライドの場合は、200kmを走るブルベよりも重装備になる。
サドルバッグは着替えのジャージでいっぱいだし、予備のペットボトルやら途中で出るゴミを持ち帰るためにバックパックを背負う必要もある。
普段からバックパックを背負って150kmくらい走っているおかげでブルベでも頑張れたのかな。
亀仙人の修行みたいなものかもしれない(古い
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走り出してみると思った以上に寒さが身にしみる。
9月も下旬となると秋冬装備でなければ厳しいかもしれない。
ふくらはぎは露出していても運動している分あまり寒さを感じなけれど、ほとんど動かない腹や腕はガードしておく必要がありそうだ。
幸い、日焼け止め用に長袖のインナーを着込んでいたのでそれほどのダメージはなかった。

あと、この時期になるとつま先の寒さが染みる。
筋肉が動かないのに激しく空気を切り裂いているから、冷えが半端ない。
長袖のジャージを買うとともに、暖かい靴下も準備しておいたほうが良さそうだ。

まず向かうのは雲石峠。
八雲と熊石で雲・石なんだけど、なんで八熊峠にしなかったのかね。
ファイナルファンタジーをナルジーと略するような違和感がある。
ヒグマも出るんだし、八熊峠のほうがたくさん熊がいそうで良いのではないか(提案
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涼しいおかげで雲石峠はやすやすと登って前回よりもタイムアップ。
11月くらいまでは自転車に乗り続けたいものだ。


雲石峠の下りは毎回楽しい。
橋が多くて眺めがいいんだけど、橋と道路の継ぎ目は怖いのでスピードを抑えめにして風景を楽しみながらまったりと下った。

そしてこーゆー最高の景色の場所では走るのが楽しいので、風景を写真に残す暇がない。
写真に残したところで感動は1/100にも薄まってしまうし、足を止めるよりもその一瞬を最大限に楽しみたい。
結局のところ、体験する以上に感動できることなんて存在しないのだった。

道の両サイドに広がる田んぼは黄色く色づいて稲刈りが始まっており、刈り取られた稲の匂いが郷愁を誘う。
ロードバイクの速度感は、自然を味わうのにちょうどいい。
自動車では一瞬に過ぎてしまうし、オートバイクでは騒音と排気ガスの匂いと振動で、自然を味わうどころの騒ぎじゃない。
自分の足で踏みつつも、飽きさせないぐらいの適度なスピード感があるところがロードバイクの良さだと実感した。


峠を終えたらどんどん北上して、せたな町大成区を目指す。
瀬棚町・北檜山町・大成町の3町が合併してせたな町となり、旧町はそれぞれ行政区として名を残している。
大成区はその南端にあって、海岸線にぽつらぽつらと集落が散在する漁村なので商店などはほとんどなく、わずかにセイコーマートが一軒あるのみ。
ここを逃すと35km先までコンビニがないので注意したいところだ。

セコマでは氷とおにぎり、ゼリーを購入。
水と氷を買っても余すので、氷だけボトルに補充して溶けるのを待つスタイルが定番だったんだけど、この時期になると溶けが悪くなるので、そろそろ水に切り替えてもいいかも。

国道229号を離れて道道740号北檜山大成線に入ると、一気に車通りが少なくなる。
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道は狭くうねっているので自動車では走りにくいけれど、舗装の状態はいいのでロードバイクで走るには充分だ。
海岸線にへばりつくような道なので見晴らしもよく、普通に最高の道だった。
特に、奥尻島がものすごく近く見えたのは感動。
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フェリーは江差からしか出ていないけど、距離的には大成が一番近いんだね。
フロート付き自転車で渡れそうな距離感だった。


帆越山トンネルを抜けた先で、日本一険しい神社として名高い太田山神社を発見。
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階段というより「段差のついた壁」みたいなやつが視界の果てまで続いている。

ちょっと登ってみたかったけど、これさえもまだ序盤だというので断念。
階段を登ったあとでむき出しの岩盤を登ったりハシゴをよじ登ったり、挙句の果てに7メートルの断崖絶壁を鎖を使ってよじ登る必要があったりと、とてもSPDシューズで気軽に入られる余地がない。
www.visit-hokkaido.jp
登る準備をしている人もガチクライマー(自転車ではない方の)な人ばかりなので、早々に退散することにした。


自転車的な難所はこの先にある太田トンネルの方だろう。
全長3.3キロメートルもあるので、普通なら必死の思いで激漕ぎして急いで抜ける必要がある。
ところがここは車通りがとにかく少ないので、トンネルの中は最初から最後まで自分一人。
照明も明るく道もきれいで、まるでタイムトライアルの専用コースを走っている気分で激漕ぎしてしまった(どちらにしてもやることは同じ)。

そんな感じで北檜山大成線は走りやすくて風景もきれいでとても良かった。
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ときどき地元の老人が幅員の狭い道路を逆走気味に走ってくることを除けば比較的安全なので、ここは来年もまた走ってみたい。

きたひやま温泉

北檜山区はせたな町の中でも最も栄えている地域なので合併したらむしろ「きたひやま町」になりそうなものだけど、調べてみたらもともと「瀬棚村」だったものが分村して「東瀬棚村」となり、近くの「太櫓村」と合併して北檜山町になったという経緯があるので元鞘なのかもしれない。
昔の名前で出ています、みたいなものか(違うか

北檜山区の中心には「北檜山温泉 ホテル きたひやま」がそびえ立っている。
施設も比較的新しいし、レストランも併設されているというので立ち寄ってみることにした。
www.hotel-kitahiyama.com
料金は410円と格安なのに、シャンプー&ボディソープが完備。
温泉は源泉かけ流しだし、低温高温露天風呂の三種の神器が揃っているところも高ポイント。

ただのお湯を使っているジャクジーとは全然違う黄色みかかったお湯は、期待以上に湯圧が強くて体の中にぐいぐいと浸透してくるようだった。
水風呂も広々としていて気持ちよく、温冷交互に楽しむことができた。

あと、とても良かったのはロッカーの広さ!
横幅が広く、ヘルメットとバックパックを入れても全然余裕があったのは優秀。
ロードバイクで立ち寄りたい道南の温泉トップ10にランクインした。


施設内のレストランはメニューの種類が豊富なんだけど、豊富すぎて何がウリなのかよくわからないところがあった。
最初は寿司&蕎麦もしくは海鮮系にしようと思っていたのだけど、メニューのだいぶ後ろにあるので「自信のなさの現れだろうか」と邪推してしまった。

推しは新メニューのつけ麺と、若松ポークマンの塩ダレ豚丼らしい。
ということは若松ポークマンの豚丼(塩ダレじゃないバージョン)を注文するのが鉄板なんじゃないかと考えた。
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濃い味付けでかなりご飯がすすむ。
野菜が多めで栄養バランスも悪くない。
ただ、豚本来の味を楽しむためにはカツか何かのほうが良かったかも。

若松ポークマンはせたな町の若松地区にある高橋畜産のブランド豚らしい。
しかしポーク+マン、とは。豚人間?


この後はローソンで氷とゼリーを補給して帰路についた。
国道229号から道道42号は太櫓川と並行している平坦区間
登りの手前には駐車場(チェーン脱着場)があるものなので、そこで残ったポカリを飲み干して重量を軽くするとともに電解質を補給した。

朝は寒かった山の中も、午後になるとだいぶ暑くなってきて疲労がたまる。
昼飯を食べてしまうと消化のために血が胃に回ってしまうからかな。
そうなると昼食→温泉のほうが良さそうだけど、食堂に汗臭いまま入るのは少し気が引ける。

あとやっぱり、残り60kmくらいになると消化試合的になってやる気がでないというのもある。
だいたいいつも、走り出して1時間くらいは調子が上がらない。
ひと峠越えて体が温まると平均30km/hで快調に飛ばせるようになる。
で、最後2時間は帰るためだけに惰性で漕ぐだけの人になる。

それなら楽しさのスイートスポットだけを味わうために100kmくらいにしておけよ、ということになりがちなんだけど、それだと達成感が薄いんだよね。
あと、家に帰った頃には大変さも忘れてしまうし(笑


帰りにうっかりミスルートしてしまい、行きとは違うヒグマ出没注意の看板を発見して二度見してしまった。
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この看板の傷、ヒグマの爪跡だったら笑えんな……。


そんな感じで140kmの旅は終了。
日暮れが早くなってきたので、これからの季節はもっとショートライドにするべきかも。

というわけで今回のRelive。

今日はじめて知ったんだけど、Reliveは「使用したルートを見る」から詳細な道の情報を見るのがやたらと楽しい。
www.relive.cc
これでさらに”じこまん”が捗りそうだ。

じこまん 1

じこまん 1


最後は山岡家の鬼煮干しラーメンで〆。
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個人的には弘前の某高橋より好き。
山岡家は無化調じゃないけど、素の豚骨スープを活かすために化学調味料がまろやかなんだよね。
さらに、札幌方面で展開している極煮干し本舗もあるので煮干しラーメンが美味しくないわけがない。

変に中毒性があって毎週のように食べ続けていた時は体重が増えてやばかったけど、ロードバイク後なら心置きなく食べられて最高だ。
これから冬になって自転車に乗らなくなった時に太らないように気をつけなければ……。