7月の連休はマツイチ・カメイチと渡島半島の左と右をそれぞれ走ってきたので、今回は地元を離れて遠征しようと考えた。
ひとつ考えていたのは、二海郡横断ライド。
平成17年に八雲町が熊石町と合併し、内浦湾と日本海の2つの海に面することになったので二海郡という新しい郡ができた。
それを記念して雲石峠を越えて八雲町を縦断してみようかな、と思っていた。
ついでにせたな町まで北上して八雲北檜山線を通って戻ってくれば、距離130km獲得標高1,000mでサイクリングにちょうどいいコースになりそうだ。
ところが自転車を車に積み込んで家を出ると、北上するに従って雲のどんより度が増していき、八雲に着く頃には小雨まで降り出す始末。
さすが「一週間のうち八日が曇り」と言われる八雲町だけのことはある。
さて、行くか戻るかの選択肢を迫られた。
戻って城岱スカイラインときじひき高原を攻めるのも悪くないし、さらに進んでニセコパノラマラインを狙うのも良さそう。
ただ、先週に城岱スカイラインを登っているので2週連続は面白みにかける。
前回ニセコに行った時は北上すればするほど天気が良くなったので、それを信じて自分の信じた道を突き進むこととした。
蘭越町の尻別川ランラン公園に車をデポ。
相変わらずのドン曇だけど路面は乾いているのでなんとかなりそう。
ここから道道268号線岩内蘭越線を通ってニセコを越えようというのが今回のルートだ。
昔は岩内蘭越線の途中に新見本館という温泉旅館があったのだけどだいぶ前に積雪で倒壊して以来閉業している。
ここからニセコパノラマラインに途中から合流するので、新見本館にちなんでシン・ニセコパノラマラインと(勝手に)名付けた。
シン・ニセコパノラマライン
新見峠を越えるべく漕ぎ始めたのだけど、このルート、実は非常に登りやすい。
旅館が閉鎖された後はここを通るメリットが無いので、交通量が極端に少ない。
交通量が少ないために道路状況もよく、かなり快適にヒルクライムを楽しめた。
新見本館跡地を過ぎてからの道は一気に勾配がキツくなるけれど、裏城岱ほどではないので全然余裕だ。
新見峠を越えて共和町に入ると一気に青空が開けた。
峠の向こうでは、夏が待っていた。
いやほんと、北海道の夏は最高すぎるね。
猛烈にテンションが上って笑いながら坂道を駆け下りた。
振り返り見ると山が雲を押し留めている。
いやー、峠を超えてきた甲斐があった。
今日は最高の1日になりそうだ。
せっかくなので麓まで降りる前に、前回も訪れた神仙レストハウスまで登り直した。
この前はアフォガードにしたので、今回は完熟メロンフラペチーノを注文。
4、5分かかると言われてベンチに座って待っていると、そこまで持ってきてくれた。
ソフトクリームの甘みと、メロンの甘み、甘みの二重奏が疲れた体に激しく襲いかかる!
さらには熱く火照った体を、フラペチーノの凍てつく冷気が厳しく攻め上げた!
峠を登りきったあとに食べるソフトクリームは究極だよね。
ロードバイクに乗ってきた自分が、完熟メロンフラペチーノを一番美味しく味わっている自信がある。
その後の岩内町までの下りはマジで楽しさしか無い。
道は広いし快適だし、あと、南側に比べて木々が少なく見晴らしがいい。ここから先が本当の「パノラマ」ラインという気がする。
昼食の罠
岩内町では「北緯43度のお食事処」というお店が人気だ。
お土産屋さんに併設された食堂なんだけど、焼き魚や刺身が美味しくて有名なので、寄ってみたいと思っていた。
10時半の開店前から並ぶようでなければ厳しそうだ。
次回はそれを狙って行ってみよう。
近くには寿司屋もあったんだけど、お得なランチセットは土日祝日やっていないと書かれていて「観光客は高いものを食っていけ」と言われているようで腹がたったのでやめた。
仕方がないので適当にブラブラしていると、日本海という店の前にバイクが3台置いてあったので、それなら美味しいんじゃないかと思って入ってみたのが運の尽きだった。

まず蕎麦がマズい。
腰もへったくれもなくふにゃっとしていて、食べると藁みたいな匂いがする。
茹で置きされてかなり時間がたっているんじゃないかなあ。
蕎麦なんて不味くなりそうにない食材を、まあよくここまで……。
寿司も100円回転寿司以下のクオリティで残念すぎた。
先週南茅部で食べたガゴメ海鮮丼が恋しい。
実際のところ、田舎の港町では美味しい海産物は食べられないパターンが多いんだよね。
良いものから都会に持っていかれるし、よっぽど流行っているところや、漁協直営みたいなところじゃないと無理。
どうしても道の駅併設のレストランに頼ってしまうのはそのせいもある。
次に来る時は北緯43度か、また入れないようだったら全然関係ない喫茶店にでも入ろう。
敗因は、もっこりレーパン
今回の敗因は下調べしてきた店が混んでいたときに、よく探さないで手近なところに飛び込んでしまったことに原因がある。
その元凶はLIXADAのサイクリングジャージだ。
下半身が本格的なレーパンで、ということは股間のもっこりが目立ってしまう。
そのまま街をぶらつくのには抵抗があったので、昼食で店を入る時のためにナイロンのトレーニングパンツを持ってきて道の駅のトイレで履きかえることにしていた。
しかしこれが汗で濡れた足に張り付いて不快だし、ガサガサしていて走りにくいし、早く座りたくてじっくりと選ぶ余裕ができなかった。
それだったら最初からパールイズミで来るか、もしくはハーフパンツを履いてくるのだったと後悔した。
スタートからゴールまで一切停車しないようなシチュエーション以外では、乗り出すときからもっこり対応をしっかりしておかなければならないと痛感した。
ここから先は消化試合みたいなもので、岩内から海岸線沿いを南下するだけ。
起伏もないし楽勝ペースだろうと思ったら、強烈な向かい風で下ハンを握って身を低くしても15km/hも出ない有様。
さらに、トンネルがやたらと長くて往生した。
ニセコ連峰の裾野を抜ける必要があるため、10kmの区間に渡ってトンネルが続いているうえひとつひとつの距離がやたらと長い。
幸いトンネルの中は向かい風が吹かないので、30km/hをキープしてひた走った。
あとは尻別川を溯って蘭越市街地までたどり着けばゴールなのだけど、今回は距離が短いのでちょっと寄り道をしてみた。
北尻別蘭越線から見えた橋。
ここから川沿いにずーっとサイクリングロード(?)が続いていた。
ここを進んで行けば蛇行するから距離は伸びるけれど、車も人通りもないから楽勝かもしれない。
そう思って土手の上をへろへろと走ってみた。
左手には青々とした田んぼ、右手には雄大な尻別川を見ながら快適に走った。
ところがいきなり舗装が終わって砂利道に!
Raleigh CRAは25Cの太めのタイヤだったので事なきを得たけど、ちょっとヤバかった。
こーゆーシチュに備えて28Cに履き替えるというのはアリだな。
Googleマップを見るに、橋を渡って向かい岸の磯谷蘭越線に移ったほうが正解だったようだ。
今度逆周りで走る時は、磯谷蘭越線を通って海まで出て、そこから北上して北緯43度を目指し、然る後に峠を攻めてみるのも一興かもしれない。
車に戻ったらあとは温泉に行くだけなんだけど、どうせならこの前横を通っただけの雪秩父に行こうと考えた。
岩内蘭越線を車で登ると結構な急坂で、よくもまあこんな坂を自転車で登ったものだと、我ながら感心してしまう。
onsen.nifty.com
雪秩父は硫黄泉が特徴で、源泉かけ流しで成分が濃くて大変良い、
のだけど、たくさん湯船があってもどれも硫黄泉なのはちょっと飽きちゃうかな。
サウナがないのは仕方ないにしても、運動した後は水風呂が欲しい。
入浴料が700円と割高だけど、シャンプーとボディソープが備え付けなので引き分けとしたい。
そんな感じで、ニセコは2回訪れて2回とも大当たりだった(昼食はノーカン)。
距離は80kmと短かったけど、獲得標高が1,200mあったので許してもらいたいところ(誰に?)。
ニセコは峠も登りやすいし、下りは最高に楽しいし、良さみが深い。
まだまだ走っていないルートも多いし逆周りもしてみたいので、冬になる前に何度も走っておきたいと思った。