PikaCycling

Raleigh CR-Aでブルベに出たり、GIANT XTC SLRで雪山を走ったり。「ゆるポタで行こう」はすべて詐欺です!

【過酷なブルベは】BRM1012恵庭200【MTBで】

前回までは雨模様のブルベに出たくない一心で札幌観光を楽しんでいたんですが、寝て起きたら朝になりますわね。
とりあえず恵庭のすき家に移動します。
 
昨日は丸1日ツイートしてないし、「雨っぽいから家を出ませんでした」にしてもいいよなあ、とこの時点でもまだ75%くらい思っていたんですが、後部座席から相棒のXTCくんがささやきかけてきます。
(過酷な道こそ、MTBだろう……?)
確かにそれはそう。
ニセコSRをDNFしたのも、富良野1000をDNSしたのも、どちらも雨天走行が不安だったから。
しかしザ・オールロードバイシクルの代表格、MTBならどうだ?
せっかくここまで持ってきたんだし、どうせ200kmしかないんだし、いっちょやってみるか!

MTB乗りの朝も早いのだ。
 

スタート すみれ公園 7:00

今季最終戦とあってスタート地点はかなりにぎやかですが、それでも参加50人中15人がDNSとのこと。

今回は鉄夫さん、アルファさんがスタッフで、ジブぽんさん、ラナさん、ふゆんきさんなどが出走組。
MTBランドヌールの大先輩であるところの910さんが登録してなかったのはちょっぴり残念でした。
あとはO西さんたちブロンプトン軍団に混ざって、新発売のGラインの姿もありました。
jp.brompton.com
まだ発売日前だけどニセコグラベルにも出ていたし、試乗車的なやつならOKらしいです。
つまり、試乗車的じゃないやつはOUTということ……?(意味深
 

通過チェック1 ようこそ支笏湖 看板 29.5km 8:37

ブリーフィングを受けて、早めに出発します。
MTBだから遅く出てもいいんですが、平坦で巡航速度ならだいたいついていけるので問題なし。
ラナさんを筆頭に先頭グループが形成されていたのでペースを合わせていきます。
 
ここでびっくりしたのが、周囲のロードバイクの出す音でした。
路面の段差を乗り越えるたびにガン、ガツン、ガシャンと金属音が響きます。
それに比べて我がXTCくんの方はといえば、ほぼ無音。
多少の穴ぼこがあっても太いブロックタイヤはスムーズに抜けていくし、ショックがあってもエアサスが吸収してくれるので手のひらにあたる衝撃はマイルドです。
(これは、いけるんじゃないか……!?)
 
そういえば以前にTwitterで、レーサー向けでもヒルクライム向けでもないテキトーなスペックな機材に対してとりあえず「ロングライド向きだ」と評することが話題となっていました。
それを受けて「ホイールベースが長いMTBはブルベ向きだ」とネタツイートしていたんですが、意外とそーでもないぞ……?
登りに入ってあっという間に先頭グループから置いてけぼりにされるのはいつものことなので、特にMTBの欠点ではないですw
 
単独行で通過チェックに到着すると、巡回スタッフの鉄夫さん、そしてJG1200でご一緒したけど、今回は肩を痛めてDNSのHさんから迎撃を受けました。

MTBはブルベ向きなんだぜ~? などと軽口を叩いてリスタートです。

PC1 セイコーマート 大滝店 94.8km 12:19

ここから先は下って下って支笏湖に向かいます。
そういやこのルート、きのこの山300で通ったな。
ということは支笏湖畔でトイレ&軽食、きのこ王国で昼食というパターンか。
 
そんなことを考えながら支笏湖のビジターセンターに到着すると、ちょうどラナさんに出会いました。
「なんでそんなに速いんですか? eMTBじゃないですよね?」
などとあらぬ疑いをかけられるなどw
 
トイレを済ませて向かいの売店で何か食べようかと思ったら、この時間はまだ営業時間前!
ショックでへなへなしているとラナさんから、
「すぐそこで樽前シュークリーム売ってますよ」
との救いのお言葉が。
そうそう、前に鶴賀に泊まった時にここでスイーツ食べたんだった。

ぎゃー! めちゃくちゃ美味い。
シュークリーム、4つくらい食べておけばよかった……。
 
軒下で食べていると、ちょうど雨がぽつぽつと本降りになり始めたのでここで雨具を着込んでいきます。
失敗だったのはまだ小降りだからとズボンをはかなかったこと。
冬用の防水ビブなので雨はしみこまないものの、表面を伝った雨が靴の中に入り込んでしまって完全に水没してしまいました。
この状態のことを地元では「カッポ」と言ってたんだけど、通じる人はいるかな?
 
防水シューズは水が入り込んでしまうと逃げて行かないところが諸刃の剣。
あきらめて足元をガボガボ言わせながら美笛峠を登っていきます。
基本的にMTBは登りで遅いんですが(ロードバイクの1割増しのタイムになる)、ギア比が低いので登ること自体が負担にならないのと、立漕ぎがめっちゃやりやすいのでいわゆるひとつの「休むダンシング」がやりやすいので実は意外と楽なんです。
ほにゃほにゃと峠を登りきり、一気に下ってキノコ王国が見えてきました。
 
こんな雨の日に出かける酔狂なやつなんかおらんやろ、と甘く見ていたんですがこれが完全に誤算で普通に混んでます。
しかしPC1まで行っても、雨の中、地べたに座ってコンビニ飯というのもちと辛い。
多少待ってでも座って何かを食べようと決めて、乾いている雨具のズボンをここで履いてから入店しました。
 
蕎麦やてんぷらのイートインコーナーはものすごい行列で、どれだけ待っても食べられなさそう。
お土産屋さんに行けばキノコの炊き込み飯おにぎりなど売っているのではないか、と一縷の望みをかけて王国の端の方に進んでみると、お好み焼き屋の屋台が出ているではありませんか。

3パック全部食べようかな……。
そんなことを考えていると店の人から、
「ちょうどいま焼くところだから少し待ってて」
というので、お言葉に甘えて焼き立てのものをフルサイズ700円で購入しました。

これがもう熱々でトロトロでふわふわで、筆舌に尽くしがたいほどに美味い!!!
秋の雨が降れば猫の顔が三尺になる、とはよくいったものです。
 
実はほぼ同じ時間帯に到着したgejigejiさんは見事にキノコ汁と炊き込みご飯をゲットしており、テイクアウト列はイートインとは別会計なので早く食べられるとのことでした。
雨のブルベで役に立つ知識だなあ(活用したくないけど
 
ついでにお店でビニール袋を2枚もらってきたので、お好み焼きを食べている間に靴の中、靴下の上にビニール袋をかぶせておきます。
こうすることでビニール袋の中は体温で温まり、足先が冷えないというウェットスーツ的ライフハック。
すでにグローブの下にはニトリル手袋をつけているので、もはや全身VBLでした。
 
このあとはびゃんびゃんと下って、途中でラナさんとすれ違ってPC1のセコマに到着。

誤算だったのは店の軒下に立派なベンチが二つもあったこと。
これなら雨降ってても快適にご飯が食べられたのにー!
まあ、お好み焼きが美味しかったのでセーフです。
 
ここでもスタッフ鉄夫さんの迎撃があり、セコマの大きなおにぎりを緑茶で流し込んでいるとジブぽんさんがやってきました。
聞けば支笏湖の分岐のあたりでDNFする人がすでに数名出ているとのこと。
あそこからまっすぐ帰れば総距離90kmくらいで恵庭市に戻れるので、距離感的にはちょうどいいDNFスポットですね。
しかし自分はもうここまで100km走ってきてしまったので、あとはリタイヤしようが完走しようが変わりません。
あんまり長居すると出るのがつらくなるので、足早にリスタートを決めました。
 

PC2 ファミリーマート 苫小牧澄川町店 147.5km 15:02

登り返していくと今度はO西さんたちのブロンプトン2台とすれ違います。
っていうか速くない!?
電動アシストブロンプトンって日本で発売してたっけ……。
いやはや、ブロでJG1200を完走する人は違います。
 
すれ違い区間から右折して山の中に入ってくると、予言通り白老に近づくにつれてどんどんと雨の勢いは増していきます。
雨、風、峠、寒さ。
R札幌のブルベらしくなってきたぜ!
 
白老に入ると白老牛のハンバーグやら焼き肉やらおしゃれなカフェーやらが次々と姿を現すのですが、このずぶぬれの状態では入るに入られないので臍をかんでしのぐしかありません。
 
苫小牧市内に入って、次のPCはファミマだぞ~と思いながら走っていると結構な手前からファミマがあって迷わされます。
というのも、わりとまじめにキューシートを見ていたんですが、やっぱり数百メートル単位でズレが出ちゃうんですね。
(キノコ王国とか行くからよくないんだけど)
行き過ぎて戻ってくるのが一番嫌なので、ここは慎重に足を停めて、Googleマップでファミマの正しい位置を検索してから進みます。
電子機器を使ってしまったらサイコンにルートを入れるのも大して変わらない気がするんですが、サイコンにルートを入れたとて夜中や知らない道ではちょくちょく調べなおしているのでした。
 
ここらへんで前後2名ほどのローディと一緒になりましたね。
あまりおなかがすいていなかったので、ここではカロリーよりも元気を出すことに主眼を置いて罪深い感じの月見背徳バーガーをいただきます。

漢字四文字だと中国語に見えますね。ユエジエンベイドゥー?
 

通過チェック2 水明郷パーキング 案内板 178.3km 17:02

参加者さんからの情報によると、ここから樽前山の頂上までしばらくずーっと登らされて結構しんどいとのこと。
ただ、15km進んで400m登る程度のだらっとした斜度だったのでそれほど苦にならず、ちょっと傾斜がきついところではダンシングで休みながらペースを作っていきます。
ここでは先行してた二人のローディを追い越したような気が。
 
そしてここからがMTBの真骨頂で、樽前山からのつづら折りの下り坂を降りるのがもうほんとうに楽で楽で。
グリップ力は高いし、体重移動もロードバイクよりやりやすい気がします。
前から車がやってきても安全に減速できて全く慌てるところがありませんでした。
これは最高だぜェ。
 
支笏湖畔もずっと下り基調なのでスピードが出るんですが、暗くて雨の中で穴ぼこだらけの道を進むのはロードバイクだと恐怖でしかないんですが、MTBだと全然平気ですね。
頑張って避けなくても体重を抜いてやれば上を飛んでくれるので手いらずです。
 
しかしここでも困ったのは、「水明郷パーキング」なるものがどこにあるのかさっぱりと検討が付かないところでした。
175kmくらいのところまできて、真っ暗だしどこかで通り過ぎてやしないかと足を停めて確認したりしました。
 
その後、巨大な石のレリーフを発見し「ここに違いない!」と停車すると、果たして奥の方にスタッフ鉄夫さんの青い車が見えて、地獄に仏を見た気分になりました。
毎度毎度巡回お疲れ様です。

どうやらDNFは2桁に達しているらしく(最終的には13人)、当然のことながらなかなかハードなブルベです。
自分もロードバイクで参加していたら途中でやめたくなったかもしれないけど、MTBだと道が過酷でも走れてしまうところがなんとも都合が悪いのでした(汗
 

PC3 ローソン 千歳清流二丁目店 193.7km 17:57

残り20km程度となり、市街地に入ったら注意して走行しないとなあ、と思っていたんですが、事件はその前に起こりました。
支笏湖畔の道路から市街地に差し掛かるところで、歩道が左にそれて行って道幅が広くなるところがありました。
まっすぐ進んで(ん? 道路の色が違う?)と思ったときには時すでに遅し、そこは舗装がない、どころか草むらになっていたのです。
おわー! と叫んだもののMTBは別に普通の顔をして進んでいくし、何事もなかったかのように車道に復帰できて何の事件も起こらなかったんですが、ロードバイクだったら滑って落車しててもおかしくないよなあ、と肝を冷やしました。

ラストPCでは恒例行事となったレッドブルをぐいっといっときます。
 

FINISH セイコーマート 恵庭緑町店

ゴールして真っ先にスタッフが待つガレージに向かうと、「FINISHはセコマだよ」と注意を受ける一幕も(汗
ラナさんが少し前に到着していたので、一緒にラーメンを食べに行くことにしました。


関連ランキング:ラーメン | 恵庭駅

塩ラーメンが有名なお店ですが、「市制施行50周年記念担々麺」なる謎メニューを見たからには注文せざるをえない!

しかし、これはこれで美味しいけど担々麺ではないかなー!
旨辛塩ラーメンって感じでスープをほとんど飲み干すくらい美味しいけど、個人的にはもっとゴマやらナッツやらが効いていて麻だったり辣だったりしてる正統派のものが良かったです。

これはぜひとも普通のメニューを頼んでリベンジしないといけませんね!
 

MTBで完走した感想など

さてMTBで200kmブルベを走ってみたんですが、期待通りめちゃくちゃ楽に完走できました。
やはり北海道の荒れた路面のブルベでは、太いタイヤとディスクブレーキは大正義ですよ。
ハンドルバーを持つ手にもまったく負担がないし、ひとりだけ別のゲームをやっているような感じでした。

速度的には平坦も登りもロードバイクの10%増しのタイムになっちゃうんですが、その分下りで安定して速度を出せるので、むしろ平坦が少ない山岳ブルベでは有利までありますね。
 
冬アニメで終末ツーリングなる文明崩壊後の世界をセローで旅するアニメが放送されてましたが、自分だったらオートバイじゃなくてMTBにするなあ。給油もいらないし。

ロングライドをするのに問題もあって、ひとつはアップライトな姿勢になるので尻へのダメージが少し多め(J-1クリームを忘れてきたせいでもあるし、雨でぬれた影響もあると思うけど)ということ。
これはステムをもう少し伸ばして、前傾姿勢をとりやすくすればかなり解消できるうえ、平坦での巡航速度も上げられそうです。
 
この結果をもって来年はMTBでSRを取るぞ! ということは全くなくて、どちらかというと製作中の(今はパイプの輸入待ち)チタングラベルロードの導入に向けて弾みをつけることが主な目的でした。
2.25インチの太いタイヤで平気で完走できるのであれば、40Cのグラベルキングあたりを履かせたら今までと同じくらいのタイムで楽に走れるようになりそう。
あとはフロントにサスペンションがなくなることがどっちに転がるかだなあ。
そーゆー意味では、Topstoneのように「サスはつけたいけど重くなるしなあ。せや! 片側だけにすればいいんや!」という発想は革命的な気がしました。
 

えにわ温泉ほのか

その後はMTBを車に積んで、ゴール手前で見かけた温泉に向かいます。
https://yudokoro-honoka.jp/eniwa/
残念ながらここは泊まれないため、仮眠だけ。
温泉は自噴のモール泉で泉質は抜群に良く、岩見沢とおなじくほのかはレストランのご飯が美味しい!

(さきほどのラーメンはおやつです)
ノンアルコールでのどを潤し、仮眠をしてから自宅へ向かいました。
 
帰宅後は洗濯&洗車!

雨の中走ってきたせいでチェーンには錆が浮いていました。
冬も走るし、過酷な状況ばかりで走っているから消耗が激しいなあ。
 
塩水に漬けても錆びないというKMCのEPTチェーンにしてみようかしらん。

そんな感じで今季のブルベは終了。
今年はスケジュールの都合から完走は、函館200、美瑛の丘300、JG1200、函館300、恵庭200の5本のみという寂しい結果に。
来年はSRを撮りたいんだけど、苦手な400kmを走れていないのが不安だなあ。
あとはPBP前年だから1000kmブルベを走らないと……。